Sayalay's Dhamma book

テーラワーダ系仏教書の翻訳は2019年夏を持ちまして終了致しました。これまでに翻訳しました内、23冊は<菩提樹文庫>にてPDF版を読むことが出来ます。今後、翻訳文を掲載する予定はありませんが、偶には<般若の独り言>にて日常の心模様を独白します。学問的な議論ではなく、ただの雑談、独り言です、お楽しみ頂ければ幸いです。2018年5月25日クムダ・セヤドーより初心者瞑想指導の許可を得ました。 初心者の疑問にはコメント欄にて対応します。

パオ・セヤドー弘法記念「顕正法蔵」6‐24(172/430)

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu>

11.4 色法の三種類の密集

究極色法を知見したいと思うならば、禅修行者は色法の三種類の密集(rūpa ghana)を看破しなければならない。

疏鈔では、色法には三種類の密集があると解説している。それは以下の様に言う:

Ghanavinibbhogan’ti santati samūha ikcca ghanānaṁ 

viniggnijanaṁ vinecznaṁーー

「密集の識別とは、密集の『相続』『構成』と『作用』を分別し、区別する事を言う。」

11.4.1 相続密集(santati ghana)

業生、心生、時節生または食生であろうとも、一切の色聚の中には、必ず、またの名を時節(utu)と言う火界(tejo utu)が存在している。

この火界は、新しい時節生食素八法聚を産じ、増加させることができるが、この色聚の中には、地、水、火、風、色彩、匂い、味と食素(=栄養素、以下同様)の八個の色法が存在している。

眼十法聚を例にとって、もし、この色聚を分別するならば、我々はそこに10個の色法がある事を見ることができるが、それはすなわち上に述べた八個に、命根と眼浄色を加えたものである。

眼十法聚の中の色法が、住時に到達した時、その火界は、時節生食素八法聚を生じることができる。

この様にして、一代また一代と、四代または五代まで生じることができる。

この一系列の最後の一代の色聚の中の火界は、更に色聚を造る事はできない。

其の他の色聚もまた同様である事を理解する事。

ある種の色聚の中の火界は、四または五代の色聚を産じるが、ある種のものは更に多くの代を産ずる。

一切の、この様に生起する所の、時節生食素八法聚は、みな時節生色と言う。

胃の中の食べ物は、時節生食素八法聚によって構成されている。身体に吸収される前の食素は、時節生色である。

42身分の中において、それは「胃中物」に属する。

業生の消化の火(命根九法聚の中の火界)の支援の下、これらの時節生食素は消化され、吸収された後、食生食素八法聚を産じて、全身に散布される。

通常、それの食生食素の支援の下、業生、心生、時節生色聚の中の食素は、一系列の10から12代の食素八法聚を生じることができる。

もし、食した食物に、高度の栄養が含まれている場合、その強度に応じて、多くの代の食素八法聚が生じることができる。

禅修行者が、はっきりと、明確に、個別に、これらの過程の中の一つひとつの粒毎の色聚を識別することができるならば、彼は相続密集を看破断したのだ、と言える。

業生及び心生の色聚に関しても、同様の解釈ができる。

11.4.2 構成密集(samūha ghana)

(+あなたが)究極色(paramattha rūpa)を分別することができる時、已に構成密集を断じ除いたのだ、と言える。これが智(ñāṇa)でもって、色聚の中の一つひとつの究極色(八、九または10個)の自性相を智見したのだと言える。

11.4.3 作用密集(kicca ghana)

智(ñāṇa)でもって、色聚の中の一つひとつの究極色の作用を見ることができるならば、それは已に作用密集を断じ除いたのだと言える。

故に、三種類すべての密集を断じ除くために、禅修行者は一つひとつの種類ごとの色聚の中の、一つひとつの究極色の相、作用、現起(現象)と近因を、必ずや、識別しなければならない。

これらを知見する為に、禅修行者は、定力を近行定または安止定のレベルまで育成しなければならない。

11.5 八聖道分の(+中の)すべての八道分の育成の可否

涅槃を証悟したいと思う禅修行者は、《転法輪経》、《大念処経》及びその他の經の中において述べられている所の、涅槃に趣向する所の、苦を滅する道は、みな、八道分、すなわち正見から正定までを具備しているものである。

このことから、すべての八道分を具足して初めて、禅修行者は苦の滅の涅槃に到達することができる事が分かるのである。

八聖道分の中の正定は、多くの経典の中、たとえば《大念処経》において、仏陀はそれを初禅、第二禅、第三禅、第四禅である、と解説している。

この様な教えは「殊勝義釈」(ukkaṭṭha niddesa)または「中灯法」(majjihe dīpaka)と呼ばれる。

殊勝義釈は、観禅の修習の基本となる最も佳い定力を列挙しており;

中灯法は、9種類の定の中の真ん中の四個、すなわち、色界定(rūpāvacara samādhi)を(+佳い定として紹介して)いる。

仏陀が四個の色界定を正定であるとする時、色界定の上下両辺に存在する無色界定と欲界近行定もまた、それに含まれるため、それの真正なる意味は、九種類の定を指しているのだ、と言える。

こうしたことから、禅修行者は、正定を具備しなければならない事が分かる。この様にして初めて、観禅の修習ができ、涅槃を証悟することができる。

定の修習なくして、涅槃を証悟することができると考える人々は、実際には、八聖道分の中から一個の道分を差し引いているのであり、ただ、七個の聖道分しかない。

一人ひとりの禅修行者は、己自身を顧みて、七聖道を修習するだけでもって、涅槃に到達することが出来るのかどうか、よく思考してみるべきである。

もし、戒・定・慧の三学、すなわち七清浄を修したいのであれば、禅修行者は先に「戒清浄」(sīla visuddhi)を修して、その後に「心清浄」(citta visuddhi)を修習する。

心清浄を獲得した後、彼は次に、「見清浄」(diṭṭhi visuddhi)の修習に進むことができる。

(6‐25につづく)

<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>

(+ )(= )訳者。句読点等ほぼ原文ママ。★誤字脱字を発見された方は<菩提樹文庫>までお知らせ下さい。http://bodaijyubunko.sakura.ne.jp/index.html

<中国語→日本語 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>