Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

パオ・セヤドー弘法記念「顕正法蔵」10‐14(310/430)

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu>

ここにおいて、私は須菩提尊者(Ven. Subbūti)の物語を、語りたいと思う:

勝蓮華仏の時代、彼は、ある裕福な家庭に生まれ、名を難陀(Nanda)と言った。

後に出家して隠士となり、四万四千人の隠士の首領となった。

彼は大きな森林の中に住んで、止禅の修行をし、八定と五神通を成就した。

ある日、仏陀と10万人の阿羅漢が、神通力でもって彼らの住居に飛んで来た。

あれら隠士は、非常に喜んで、幾分かの内に、神通力でもって、色々な花を採って来て、花座を作った。

仏陀と阿羅漢たちは、それらの花座に座り、滅尽定(nirodhasamāpatti、

予定している一定の時間内において、名法と心生色法が暫定的に生起しない一種の定境)に七日間入った。

その七日の間、難陀は常に仏陀の後ろ側にいて、花蓋を持って、仏陀を守った。

みなさん、彼が善業を累積する時の気力の強さといったら!

彼は七日の間、そこを移動することなく、横にならず、食べないで、厠にも行かなかった。

彼は非常に専注した、というのも、その時彼はすでに、八定と五神通を得ていたが故に。

彼は専注の心でもって、仏陀の後ろに立ち、花で作った傘蓋を支えて、連続して七日間、仏陀を守り続けたのである。

あなたは、彼がどれほどの善業を累積したのか、想像することができるであろうか:

たとえ一弾指の間であっても、すでに数百万個の、善なる意門心路過程が生・滅するが;

七日の間、難陀の心路過程の七個の速行心の中に生じた善業は、数えることができない程である。

これらは欲界の善業である。

一つひとつの心路過程の中の七個の速行心における、真中の五個は、比較的強くて力のあるものであって、そららは潜在的なエネルギーを有していて、次の一世以降の未来世において、長期的に欲界の殊勝な果報を生じることができる。

そして、彼の次の一世において、すなわち、ジャーナの業(広大業)によって果報が生じ、彼をして梵天界に生じせしめた、というのも、彼のジャーナ業は重業であるが故に。

仏陀と阿羅漢が滅尽定から出定した時、まさに彼らに供養する最も良いチャンスであった。

あれら隠士は、森林のから、果物と花を採ってきて、仏陀とサンガに供養したのである。

仏陀は慈心ジャーナ第一、及び、供養第一である所の、比丘に仏法を開示する様に言いつけて、それでもって、感謝、随喜、回向と祝福(anumodana)に代えた。開示が終わると、難陀以外の、その他の隠士は、皆阿羅漢果を証得した。

難陀はあの比丘の荘厳な威儀に心が傾いていた為、何等の聖道、聖果も証得することがなかった。

彼が、開示をした比丘が、あの二種類の第一を獲得するのに、具備しなければならない特質を知った時、難陀は、将来、己自身もまた、同じ様な成就を得たいと発願したのである。

(10-15につづく)

<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>

(+ )(= )訳者。句読点等ほぼ原文ママ。★誤字脱字を発見された方は<菩提樹文庫>までお知らせ下さい。http://bodaijubunko.sakura.ne.jp/index.html

<中国語→日本語 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>