Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

翻訳『親知実見』#12-20

過去世と来世を見る事が出来ないのであれば、あなたは、縁起を如実に了知する事ができない;

過去の因が、如何にして現在の果を齎すか、現在の因が、如何にして来世の果を生じせしめるか、及び因の滅が如何にして果の滅を齎すかを、知見する事ができない。

そして、縁起を了知し、観照する事ができないのであれば、苦集聖定を如実に知見する事はできない。

《清浄之道》では以下の様に言う:

 「この[有輪]は実に極めて深く、立脚の場なく、[同一性理等]の種々の理の密林は超越しがたい。

殊勝な定石でもって鋭利に磨いた智慧の剣でもって有輪を切り裂くのでなければ、何人も、雷電の輪の如くに恒常的に圧迫する輪廻の畏怖を超越する事はできない。譬え夢の中であっても[不可能]である!

跋葛瓦はかつてこの様に言った:

『アーナンダ、この縁起は奥深い、奥深い相を具備している。アーナンダ、もし、この法に対して不随覚であり、不通達であれば、この人は、絡まった綿糸の玉の様に、穀喇鳥の巣の線の様に、萱草の様に、灯心草の様に、苦界、悪趣、堕処、輪廻を超越する事が出来ない』<注74>」(VM.661)<注75>

<翻訳文責:緬甸パオ森林僧院/ヤンゴン分院所属/Pañña-adhika Sayalay般若精舎>