仏陀は、法を聞く者の根性(資質)に応じて、四種類の縁起の識別法を教導したが、《無礙解道》(Paṭisambhidāmagga)では、もう一つ別の方法を提起している<注131>。
故に合計5種類の方法が存在している。
仏陀の教えた一番目の方法は、正順で縁起を識別するものである:
”Avijjāpaccayā saṅkhārā、
saṅkhārapaccayā viññāṇaṃ、
viññāṇapaccayā ñāmarūpaṃ”
「無明の縁によりて行、
行の縁によりて識、
識の縁によりて名色」等。
第一法は、上座部仏教で非常に流行したが、しかし、アビダンマの知識のない者にとっては、非常に難解である。
また、たとえ禅修行者が、非常に良好な、アビダンマの基礎を持ち合わせているとしても、非常に多くの困難に遭遇する可能性がある。
シャーリープトラ(Sāriputta)尊者が教えて、かつ《無礙解道》に記載されている第五法は、初心者にとって、相対的に、比較的容易に、実践できるものである。
それは、五種類の過去の因が、五種類の現在の果を生み、五種類の現在の果が、五種類の未来の果を生じる事を識別するものである。
これが、第五法の基本原理である。
もし、あなたが、己自ら、それを知見したいと思うならば、禅修行において、この段階まで到達しておかねばならない。