Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

2016-11-01から1ヶ月間の記事一覧

是誰庵のひとやすみ~スナフキン

先日、近所の農産物直販所へ野菜を買いに 出かけました。最近、野菜が急騰している ので、少しでもお安いものを、と思って 出かけたのですが・・・。 そこで、帽子を衝動買いしてしまいました (苦笑)。 私、帽子が好きなのですね。 若い頃、銀座のデパート…

是誰庵のひとやすみ~急がば回れ

仏陀が偉大なのは、定(止禅)より、観禅(五取蘊における無常・苦・無我の三相の観察)の方が、「己とは何か」の覚醒にとっては大事であると悟り、また、その観禅の手法自体を、他人に教える事が出来たから(世の中、宇宙の真理を悟ったはいいけれど、上手…

是誰庵のひとやすみ~「無我」公開されました

本日<菩提樹文庫>の責任者様より連絡 があり、私が翻訳してブログに載せていた ブッダダーサ尊者の「無我」が、<文庫> にて公開されました。 正順で、また上手に編集して頂いたので、 ブログより読みやすいかと思います。 どうぞご閲覧下さい。 Pañña-ad…

是誰庵のひとやすみ~仏教徒の落とし穴

今、「あなたの世界の終わり」という本を読んでいる。禅的な手法で悟ったマスター(アメリカ人)が、その系譜の人たちへ注意事項を語っているもので、なかなか興味深いことが書いてある。 私(たち)は、一応仏教徒です。 仏陀は涅槃、無為法が一番だと勧め…

是誰庵のひとやすみ~仏教用語の定義

仏教書の翻訳をしていると、仏教用語の定義に悩まされることがあります。 例えば、<煩悩>を中国語で<fan・nao>と読むと、割と明確なイメージが湧きます。 凡夫の日常レベルに置き換えると、それは、ストレス、心配事などとなり、ない方がよいので、努力…

パオ・セヤドー弘法記念「顕正法蔵」(翻訳文)~4-3★

2-2 五つの条件 四無礙解智を成就するには、以下の五つの条件が必要である: 1、証悟(adhigama):阿羅漢道またはその他の、何か一つの聖道を証する事。 2、教理に精通する(pariyatti):三蔵聖典の暗唱。 3、聞法:(savana):細心に、尊敬の念をもっ…

是誰庵のひとやすみ~政治と仏教

今朝のインターネット記事に「(日本の)資本主義は終わったか」というのがありました。 今後、アメリカは金利を上げる。日本は上げない(上げられない)。そうすると、日本の資金はアメリカに逃げるから、日本は資本主義的経済が回転していかないだろう、と…

「南伝仏教キホンのキ」(翻訳文)2-7

第三節 仏教の本質 ここから、仏教とは、すなわち、覚醒者の教えであり、人をして悟りへと導くことのできる教えである、ということが分かる。 この意味を踏まえれば、仏教とは、”仏法”である、ともいえる。 しかし、もし、仏教を信仰の一種及び実践のシステ…

「南伝仏教キホンのキ」(翻訳文)2-6

これが、仏陀が覚醒(=悟る事)した法であり、仏陀が教えた法でもある。 仏陀の45年間の教化の生涯で、教えた内容は色々あるけれども、この四聖諦を出るものではない。四聖諦は仏陀の教えの根本であり、もし、人が四聖諦を把握したならば、それは仏教の真髄…

是誰庵のひとやすみ~這里有売黄金塊

先日、水中運動に行きましたら、運動仲間たちが<アメリカの大統領戦、クリントンが勝つか、トランプが勝つか>と、話し合っていました。 その中の一人が、「どちらも足のひっぱり合いで、ニュースを聞いていても気分が悪い」と言い、大勢の人が賛同していま…

パオ・セヤドー弘法記念「顕正法蔵」(翻訳文)~4-2

2、五人の比丘 経文は以下のように続く: その時、世尊は、五人の比丘におっしゃった: 「比丘たちよ。二種類の極端な行為は、出家者は従事してはならない。 どの二種類であるか?」 「出家者」(pabbajita)とは、煩悩を断滅する為に努力している人を言う…

「南伝仏教キホンのキ」(翻訳文)2-5

第二節 仏陀は何を教えたのか? 仏陀は何を教えたのか? 仏陀が教えたものは、すなわち、彼が菩提樹の下で覚醒して得たものである。 仏陀は何を覚醒したのか? 仏陀は法について、覚醒したのである! 法とは何か? 法、パーリ語ではdhammaといい、それは生命…

「南伝仏教キホンのキ」(翻訳文)2-4

この時から、我々の菩薩は、仏陀になったのである。 彼の姓(ファミリーネーム)がガウタマであった為、経典の中では、通常、ガウタマ仏陀と呼ばれている。が、時には、氏族の姓をとってサキャムニ(Sakyamuni)と呼ばれることもあり、それは、釈迦族の聖賢…

是誰庵のひとやすみ~一日の恩人

私は子供の時から仏教が好きでしたし、中学生のころは、禅宗のお寺で出家できないかな、なんて考えていたくらい。 ただ、なぜ座禅・瞑想をやるのかという事を解説した子供向けの本がないので、ここの所が今一つよく分からず、もし、座禅・瞑想が無意味な行為…

「南伝仏教キホンのキ」(翻訳文)2-3

第一節 仏陀 まず最初に、我々は、確信をこめて、こう言いたい: 仏陀は神ではない! 仏陀は人間で、歴史上に実際に存在した偉人 である。 紀元前624年太陽暦5月の満月の日、古代インドのヒマラヤの南麓の釈迦国(Sakya)の王都 カピラバットゥ(Kapilavatth…

「南伝仏教キホンのキ」(翻訳文)2-2

第一章 仏教とは何か? 人は言う:仏教は宗教である。 人は言う:仏教は文化である。 人は言う:仏教は科学である。 人は言う:仏教は哲学である。 人は言う:仏教は教育である・・・。 仏教とは一体何であるのか? 仏教、パーリ語では Buddha-sāsana という…

パオ・セヤドー弘法記念「顕正法蔵」(翻訳文)~4-1

<転法輪経解説> 1、縁起 《転法輪経》は、仏陀が成道後、開示した最初の経で、この経が開示された対象は、五人の比丘である。 シッダッタ太子は、出家して間もなく、剛毅な気力をもって、ウルヴェラ(Uruvera)の森の中で各種の苦行を修行した。この五人の…

是誰庵のひとやすみ~280・230

280・230、フリーメーソンの暗号? ではありません(笑)。 私はお餅が好きで、我が家のホームベーカリー の<お餅モード>でお餅をつくときの、 もち米と水の割合です。 (280gのお米に230㏄の水、という意味です) これ、取説を見ないでも、覚えています。…

パオ・セヤドー弘法記念「顕正法蔵」~択法覚支番外編

先日、読者の方から<「顕正法蔵」2-11> の文中、択法覚支の説明の段落中に 書かれている『善き巧みな方法』とは何か? というご質問を、頂きました。 細かく解説しますと、以下の通りです: 安般念を実践している時、息の四大の特徴、 すなわち、息の中の…

是誰庵のひとやすみ~ビルマ語の勉強

私がテーラヴァーダ(南伝仏教)の勉強のためにタイに行き始めたのは、35年前(30歳過ぎた頃から行っていたわけですね)。 その後、修行の場を緬甸(=ビルマ・ミャンマー)に移したのは、17年前。 タイ語は、耳で聞いて覚えて、生活や旅行に必要な最低限の…

「南伝仏教キホンのキ」(翻訳文)2-1

仏教と聞くと、多くの人々は連想する: お寺に行って観光しよう; 大きな線香の周りを巡ると、財産が増えるし、昇進も早いらしい; お寺に行って、線香をあげ、燈明を寄進すれば、幸福と智慧がやってくるらしい; お経をムニャムニャ、お布施を少々、さすれ…

「南伝仏教キホンのキ」(翻訳文)1-5

仏陀の教えは、広くて深い。 本書は、管窺蠡測(=竹の管から天を覗き、貝のひしゃくで海水を量る、の意)であって、(+元々、仏法は)二言三言で、説明できることではない。 しかし、筆者は、この本が読者の方々に、抛磚引玉(=瓦を投げて宝玉を得る、の…

パオ・セヤドー弘法記念「顕正法蔵」(翻訳文)~3-4

世尊はこのように話すと、五比丘は世尊の話に、歓喜し、喜んだ。 世尊の開示が終わると、コンダンニャの心中に清浄で汚れのない法眼が生まれ、そして彼は見た: 一切の、生起する本質を有する法(=現象)は、必ず滅する、という事を。 世尊がこのように法輪…

パオ・セヤドー弘法記念「顕正法蔵」(翻訳文)~3-3

次に、比丘たちよ。 私が『これは苦の滅に至る道聖諦である』と思惟する時、以前に聞いたことのなかったこの法に関して、私の心中に眼が生じ(cakkhuṁ udapādi)、智が生じ(ñāṇaṁ udapādi)、慧が生じ(paññā udapādi)、明が生じ(vijjā udapādi)、光が生…

パオ・セヤドー弘法記念「顕正法蔵」(翻訳文)~3-2

比丘たちよ。 私が『これは苦聖諦である』と思惟する時、以前に聞いたことのなかったこの法に関して、私の心中に眼が生じ(cakkhuṁ udapādi)、智が生じ(ñāṇaṁ udapādi)、慧が生じ(paññā udapādi)、明が生じ(vijjā udapādi)、光が生じた(āloko udapād…

パオ・セヤドー弘法記念「顕正法蔵」(翻訳文)~3-1

<転法輪経経文> 私はこのように聞きました。 ある時、世尊がバラナシ付近の、仙人墜処の鹿野苑においでの時、世尊は、五比丘に言いました: 「比丘たちよ。二種類の行為は、出家者が従事してはならないものである。どの二種類であるか? 一種類は、感官の…

「南伝仏教キホンのキ」(翻訳文)1-4

この本は、二部に分かれている。 前半は<「南伝仏教キホンのキ」>と銘打っているもので、<煩悩>を主題にして、生命、煩悩につてい説明し、また、煩悩を取り除く方法を解説し、これを通して、読者に真正の仏教とは何であるか、の理解の手助けとする。 そ…

「南伝仏教キホンのキ」(翻訳文)1-3

仏教は、西漢末期から中国漢地に伝来し、伝来してから2000年の歴史がある。仏教はすでに、中国の伝統的な文化の、分ける事のできない、重要な一部分となっている。 しかしながら、中国人の中で、どれほどの人が、仏教とは何かを、説明できるだろうか? どれ…

パオ・セヤドー弘法記念「顕正法蔵」(翻訳文)~2-13

立ってする修行と、座ってする修行は、基本的には、あまり変わりがなく、双方とも、リラックスして快適である状態で、息を覚知する。 行禅(=歩く瞑想)の時は、まず、経行道(=歩く瞑想に使われる道)の起点に立ち、目を閉じ、息を覚知する。心が静かにな…

パオ・セヤドー弘法記念「顕正法蔵」(翻訳文)~2-12

定力が相当程度の進展を見せたとき、禅の修行者は、往々にして、各種各様の光明を経験することになるが、場合によっては、己の定力が光明に干渉されているように感じる事もある。 これらの光明は、定の修行をしている過程に生じる自然現象であり、それらに構…