Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

2016-02-01から1ヶ月間の記事一覧

「四煩悩を断つ」(「断除四煩悩」翻訳文)―21

一人の、大いなる智慧の持ち主は、他人の賞賛や批判に 依存しては生きない。 あなたが私に良くしてくれれば、私もあなたに良くしてあげる。 あなたが私に良くしてくれなくても、私はあなたに良く してあげる。 あなたが私に良くしてくれるかどうかは、あなた…

「四煩悩を断つ」(「断除四煩悩」翻訳文)―20

天の下、本来無事 愚かな人は、一日中ああでもない、こうでもないと、騒ぎ立てる。 彼はこのようにしてしか、日を過ごす事ができない。 本物の修行者はいかに? 彼と、凡夫とでは、どこが異なるか? 二者の間には大きな違いがある。 一人の、大徹大悟の人は…

「四煩悩を断つ」(「断除四煩悩」翻訳文)―19

4、我痴 智慧が無ければ、命の主宰者になれない 我痴の意味は、愚かで智慧のない事を言う。 智慧のある人は、己の命の主宰者になる事ができる。しかし、 我々に智慧は無く、他人がああいえばそう思い、こういえば こう思い、いつも他人の影響を受けて、是非…

「四煩悩を断つ」(「断除四煩悩」翻訳文)―18

相手に勝たせてあげる シャカムニ仏は、自分の事を、世界で最も平凡な人間であると 自認していた。故に、彼には煩悩が無かった。 しかし、多くの人々は、自分を世界で最も立派な人間、最も非凡な 人間であると思いなして、煩悩だらけの日々を送っている。 (…

是誰庵のひとやすみ~50>一休禅師とトンチ話

若い時に、一休禅師の伝記を読んでも、よく理解できなかっ たが、最近、彼の道歌集を読んで、ちょっと感動している (私にも、分かるようになった!亀の甲より年の功!!)。 彼は反骨の禅者だ。 権力や権威、組織なんぞ、認めないのだ。仏陀は四姓平等を 説…

「四煩悩を断つ」(「断除四煩悩」翻訳文)―17

一人の徳行ある人は、必ず下記の四つを備えている: すなわち、慈、悲、喜、捨である。 慈――人に楽を与える事。あなたの苦痛を知らせたならば、 その人は無条件で支援してくれる。 悲――苦しみを抜き去る。あなたに苦痛がある時、それを 抜き取るのに、おしみ…

「四煩悩を断つ」(「断除四煩悩」翻訳文)―16

心に感謝の念を持ち、我慢(傲慢)を調伏する事 人は常に自画自賛して、自己を賞賛する。このような傲慢な心性は、 どのようにすれば、調伏する事が出来るのか? 例えばこのように考えてみる: 世間には、自分より優秀な人はどれくらいいるだろうか? 我々は…

「四煩悩を断つ」(「断除四煩悩」翻訳文)―15

人々は皆、自分がアニキまたはアネキになって、他人の面倒を 見ようとしたがる。 しかし、ある種の人々は、自分の慈悲の心を発揮して、弱者を 保護する事ができるのに、他人の意見を聞くのが嫌い、という 事がある。 ある種の人々は、我慢(傲慢)の為に、長…

「四煩悩を断つ」(「断除四煩悩」翻訳文)―14

3、我慢(高慢、傲慢) 傲慢の壁、自ら束縛を生む 「慢」とは傲慢の意味である。言い換えれば自尊心、 プライドが過剰に強烈である、という事。 あまりに長期間、己の自尊心を保持し続けた結果、 その人の内心は非常に敏感になり、神経衰弱となり、 他人の…

「四煩悩を断つ」(「断除四煩悩」翻訳文)―13

故に、我々は猛然と覚醒しなければならない。 悟りの時がやってきた: あなたが執着している色身(肉体)は、永遠のものではない。 あなたが執着している愛しい人は、永遠に存在するものではない。 あなたが執着しているお金もまた、永遠ではない。 では、世…

「四煩悩を断つ」(「断除四煩悩」翻訳文)―12

命の意義は悟り(覚醒)にあり 我々は長い間、打ち破る事のできない観念に常に束縛されて、 解脱の道を見つける事ができないでいる。 故に、我々は仏陀のダンマを学ばねばならない。 真理を受け入れて薫習されて初めて、あなたは命の覚醒を 完成させることが…

「四煩悩を断つ」(「断除四煩悩」翻訳文)―11

(中略) あなたのなす所を愛しなさい 例えば、あなたはすでに結婚しているとしょう。この事実は 変更できない。それならば、あなたは最初にした選択を愛し、 現状を受け入れ、自分の心的状況を整えるのがよい。でなけれ ば、(混乱して)日々を穏便に過ごす…

是誰庵のひとやすみ~49>奥山ニートと仏教ニート

先日、インターネットを見ていたら、<奥山ニート>という 人種の情報に出会った。 和歌山県の山奥にある臨界集落の廃校を借り受けて、何人か の若者が住みつき、周辺農家の手伝い(と出稼ぎ)をしながら、 月2.5万/人くらいで暮らしているらしい(ただし…

「四煩悩を断つ」(「断除四煩悩」翻訳文)―10

人間は、苦悩に満ちた世間の中で生きている。 なぜか? というのも、我々は人から耳に心地よい言葉を聞くのが 好きで、脅迫めいた、または攻撃的な言葉を聞くのが 好きではないから、である。 しかし、聖者は、このようではない。 彼は二十四時間、報恩感謝…

「四煩悩を断つ」(「断除四煩悩」翻訳文)―9

自分の行いを愛す 「我愛」(利己心)は、人の理性を失わせるだけでなく、 選択の余地のない苦難に、会わせる事がある。 故に、我々は、理性と感情のバランスを保つよう努力しな ければならない。人の偉大な所は、感情が非常に豊かだ、 と言うことではあるが…

「四煩悩を断つ」(「断除四煩悩」翻訳文)―8

2.我愛 私利私欲を優先しない 「我愛」とは利己心の事。利己心は人を迷いの森に引き込む。 人が己の有するものに執着し、自己の成功体験の中に沈殿する時、 (良心的な)自我を見失う。 故に我愛の観念は、必ずや捨てなければならない。我々は、 私利私欲…

「四煩悩を断つ」(「断除四煩悩」翻訳文)-7

人間とは、非常に可哀想な動物であって、(自分で)苦痛を作り出す(最も愚かな)動物でもある。 往々にして、ただの小さな出来事でも、一日中愚痴を言い続ける事が出来る。元々は小さな穴に過ぎなかったものが、アレヤコレヤと、結局は収拾できないほど混乱…

「四煩悩を断つ」(「断除四煩悩」翻訳文)-6

度量大きく、心自由に生きる 人類のすべての命は、円満なる悟りを求めているものであって、 肉体に関する一切の享楽とは無関係である。 あなたは、誰か大金持ちで、その富豪財産によって万世に名を のこした人を知っているか?いないであろう。 ただ聖人の徳…

「四煩悩を断つ」(「断除四煩悩」翻訳文)―5

立場を交換してみる もし我々がお互いの立場を交換してみる事ができるならば、我見に よって起こる争いを減らす事ができる。 我々は、心の中で常に以下のように思惟する必要がある・・・今日、 彼がこのような考えを持ち、このような選択をするのは、必然的…

「四煩悩を断つ」(「断除四煩悩」翻訳文)-4

――我見をなくし、寛恕と寛容で対処する 所謂<我見>とは、自分の考えが絶対に正しい、と(固く)思う事。このような意識は、修正されなければならない。 智慧ある人は、他人の考えを冷静に聞き取り、分析をして後、受け入れられるものは受け入れ、受け入れ…

「四煩悩を断つ」(「断除四煩悩」翻訳文)-3

自分と考え方が異なる人に対して、我々は寛容な心で対応するのがよい。 簡単に言うと、見方や意見が自分と異なるからといって、相手が 必ずしも間違っているとは言えない。我々がまず学ばなければならない のは、仏ではなくて、我慢(=忍耐)、寛恕、寛容で…

「四煩悩を断つ」(「断除四煩悩」翻訳文)-2

一、四つの煩悩 我見――仏を学ぶ前に、まず修養を学ぶ 我々は、自分が見たものが正しいと思い、かつ自分が見たものに執着し、他人を排斥し、他人を攻撃する。一たび自己の見解が確立すると、それがいくら間違ったものであったとしても、絶対に手放そうとはせ…

四煩悩を断つ(台湾高雄文殊講堂出版)日本語訳-1

今日から、台湾高雄文殊講堂出版の「断除四煩悩(四煩悩を断つ)」を翻訳してお届けします。仏法の、基本の、そのまた基本です、でも実践は、なかなか・・・仏法は<子供でも分かるけど、大人でもできないパラドクス>なんですねぇ。 まずは、目次から。 一…

是誰庵のひとやすみ~48>うつ病について

知人の娘さんがうつ病。 親戚の娘さんも。 尼僧姿で近くの温泉に行ったら、「宗教でウツは治りますか?」と訊ねられた事もあります。うつ病って四番目の<国民病>、それくらい多いそうなんですね。 実は、こういう私も、20年前、鬱になった事、あります。 4…

是誰庵のひとやすみ~47>イメージ怖い

野球の清原氏が薬物所持(使用)で逮捕されました。 それについて、田代まさしはコメントで「野球選手はフェアーでクリーンでなくてはいけないというイメージがあり、清原さんは『自分は本当は弱い人間なんです』と言えなかった。それがつらかったのではない…