Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

2016-04-01から1ヶ月間の記事一覧

是誰庵のひとやすみ~避難所暮らし>2

当方の、拙いブログを読んでくださっている皆様へ。 この度は、ご心配をおかけました。 26日現在、由布院、ほぼ日常が戻りました。 昼間は家にいて、家事、雑用をしていますが(昨日は、農家 の稲苗作りを手伝いました)、震動を体感する事がなくなり、 恐怖…

是誰庵のひとやすみ~避難所暮らし>ー1

今回の熊本地震にて、被災しました。 当方、大分県由布院在住。 16日未明(1:30頃)、大きな揺れで飛び起きて、急いで1Fへ。 出口確保の為、玄関と掃出し窓を開け放ち、靴を履いて、 オハナ(ペキニーズ)を抱き、様子をみていると、いきなり停電。 外は、…

ブッダダーサ著「生活の中の縁起」(翻訳文)ー74

(No73 に出てきた<二種類の涅槃>に関する、ブッダダーサ 推薦の参考資料は、以下の通り)。 《小部》如是語経第七界経に記載されている。 《大蔵経補編》より: 「云何是有余依涅槃界、謂比丘住如是律戒、是漏尽阿羅漢、 住尽梵行、所作已弁、捨諸重担、…

ブッダダーサ著「生活の中の縁起」(翻訳文)ー73

「行世間」(saṅkhāra)を解説するに、覚音は、仏陀が 知っているのは、名色、三受、四食、五取蘊、六入、七識住、 八世間法、十処、12処、18界だと言い、四聖諦ーー世間に 関する円満なる解釈ーーには触れていない。 以上の事から、私は、覚音の仏陀に対す…

ブッダダーサ著「生活の中の縁起」(翻訳文)ー72

(中略) 覚音の《清浄道論》の中で、以前に上げたのと似た問題点が、 他に幾つか、ある。三世輪廻の縁起はその内の一つで、 我々は、すでに検討したので、皆さんにも分かって頂いけた かと思う。 仏教の幾つかの教理の内、彼の解釈の中に、バラモン教の 教…

ブッダダーサ著「生活の中の縁起」(翻訳文)ー71

この種の解釈の仕方(縁起の三世輪廻説)における最大の損失は、 自由に、主体的に、煩悩・業をコントロールできなくなる事 である。というのは、我々と、煩悩・業とが、別々の時空に 存在する事になってしまうから。 今世は業報である・・・我々自身が業報…

ブッダダーサ著「生活の中の縁起」(翻訳文)ー70

我々は(《清浄道論》を読めば)、覚音(《清浄道論》の著者)も、 縁起とは、甚だ深いものだと、感じ入っている事が分かる。 縁起の核心について、研究を通して、究極的な成果を得る事が できるか、知見を得る事ができるか、(《清浄道論》を読むと) 彼に…

ブッダダーサ著「生活の中の縁起」(翻訳文)ー69

縁起を、三世を貫通するものとして説明するのは、完全に 間違っている。というのも、そのような説明は、現実の修行に 生かせないから、である。 修行に生かせない理由は、因が前世にあり、果が今世にあると いう言い方・・・もし、因が前世、果が今世にある…

ブッダダーサ著「生活の中の縁起」(翻訳文)ー68

この点(No67)に関して、過去には、タイの僧王桑可拉 (サンカラorシャンカラ)が、このような誤った解説の仕方は、 1000年以上も前から継続している、と確信していた。 しかし、彼は、正しい解釈の仕方までは知らず、縁起という のは、一世で完結するべき…

ブッダダーサ著「生活の中の縁起」(翻訳文)ー67

ここ(No66)には三個の連結点があり、「連結」(sandhi)と 言われる。その内の一個は、前世と今世の生の間にあり、もう 一つは、今の人生の真ん中、すなわち、因と果の間にあり、 最後の一個は、今世と来世を繋ぐ<生>である。 しかし、この説明には、不…

ブッダダーサ著「生活の中の縁起」(翻訳文)ー66

今の所、誰が最初に、縁起を、三世に貫通するものだとして 解説したのか、又は、いつごろこういう解釈が始まったのかを、 知ることは、できない。 最も早い文献では、《清浄道論》があげられるが、確定的なのは、 この本が出現する以前に、すでに、三世を貫…

是誰庵のひとやすみ~60>野を食す

今朝は、愛犬のオハナと、籠を持って近所を散歩。 オハナを橋の欄干につないで、川におりてクレソンを摘み、 山の斜面でフキを摘みました。 クレソンは、春キャベツをツナで和えた上に加え、 クレソンサラダ&食べ放題。近所の観光レストランでは、 クレソン…

ブッダダーサ著「生活の中の縁起」(翻訳文)ー65

3、ここに、もう一つ別の、中道的な解釈方式がある。それは、 我々と切実に関係のある、縁起の言葉の意義に従って、解釈 されたものである。 生と死、それは、縁起の言葉の中では、一つの<受>の発生と、 その後に愛(渇愛)、取、有、生が続く、というこ…

ブッダダーサ著「生活の中の縁起」(翻訳文)ー64

2、もう一つの説明の仕方は、普通の、一般の人々の解釈である。 名色は、母親の子宮から出生し、お棺の中で滅する。それは80年 から100年くらい、長期に存在する事が出来る。この80年または 100年の間に、一度の生と一度の滅、すなわち一度の生と、 一度の…

ブッダダーサ著「生活の中の縁起」(翻訳文)ー63

[名色の生と滅] もし、あなたがこの問題を問うならば、三種類の、層の異なる 答えが用意される: 1、名色は一刹那毎に生滅している。しかし、こういう解釈は、 ほぼ誰も知らないし、知りたいとも思わない。または知る必要 がない、とまで(人々は)思う。 …

ブッダダーサ著「生活の中の縁起」(翻訳文)ー62

誤解の原因~~ 悪意からではなく、縁起を誤解して、間違った解説をするのは、 智慧を欠いた<無明>によってもたらされたものであり、 獅子身中の虫が、故意に仏教を食い荒らしたわけではない。 縁起について間違った解釈をするのは、日常用語しか知らず、 …

ブッダダーサ著「生活の中の縁起」(翻訳文)ー61

《清浄道論》より以前に、結生識が縁起の始まりで、次に 新しい有が生じ、果が報ずるその後で、煩悩に従って、 来世を引き起こす、という事が書かれている、根拠の確かな 文献は、ない。 このような事が、文字ではっきりと書かれたのは、1500年前、 《清浄道…

ブッダダーサ著「生活の中の縁起」(翻訳文)ー60

誤った縁起の解釈は、仏教を衰退さす~~ あなたは、仏教がなぜインドで衰退したか、知って いますか? この事について、色々な人が、色々な意見を提出して いる。例えば、外敵が侵入して、仏教を圧迫した、とか。 しかし、仏教がインドから消えた主要な原因…

ブッダダーサ著「生活の中の縁起」(翻訳文)ー59

現代において、縁起をば、同一の主体が三世を貫通している、 と説明する人がいる。 一人の人間は、自分の過去世の煩悩を、今生のある時間に、 業の報いとして受け取る事になり、そして、今生の業の報いは、 新しい煩悩を生じさしめ、それは来世において、業…

ブッダダーサ著「生活の中の縁起」(翻訳文)ー58

縁起の中に自我は存在しない~~ 今、我々は一つ、非常に重要な事柄を検討してみようーー間違って 解釈された縁起は、仏教に属さないだけでなく、何らの利益もなく、 正直に言うと、弊害さえあるものである。 縁起を、三世を貫通するものとして解釈するのは…

ブッダダーサ著「生活の中の縁起」(翻訳文)ー57

縁起は四聖諦~~ 私はもう一つ、皆様に、大切な観点をお知らせしたい。それは、 縁起とは、実は、非常に詳細な四聖諦だ、という事。 縁起の流転・捻転ーー無明縁行、行縁識、識縁名色、名色縁六入、 六入縁触、触縁受、受縁愛、愛縁取、取縁有、有縁生、生…

ブッダダーサ著「生活の中の縁起」(翻訳文)ー56

次の問題は、受が出現する前に、すでに無明、行、識、名色、 六入と触が具備されていることを、皆様に知ってもらうために、 どのように説明すればよいか・・・ということ。 しかし、これはそれほど難しい問題ではない。 罪深い一番の犯人は、受である。 我々…

是誰庵のひとやすみ~60>心の浄化と布施の功徳

今、私は毎日、ブッダダーサの著作「生活の中の縁起」を 翻訳しています。 なぜ、ブッダダーサが「縁起とは日常生活の中の出来事 であって、三世輪廻の事ではない!」と声を嗄らして叫ぶのか? このことは、タイの仏教界の現実と関係していると、思います。 …

ブッダダーサ著「生活の中の縁起」(翻訳文)ー55

有と生、この二つの文字は、法(真理)の言語で理解しなければ ならない。法の言語とは、「見法」の人が使う言語で、日常用語 で理解するものでは、ない。 日常生活の中では、死ぬのを待って再び生まれるといい、再度、 有と生が生起すると言うが、これは、…

ブッダダーサ著「生活の中の縁起」(翻訳文)ー54

「喜(好ましいという思い)」が意味するのは、満足の中に 迷う事。仏陀の説では:「『喜』とは取である。我々が、 何かの物事に満足する時、我々はその事柄に執着した、 と言う事を意味する。受の中には必ず『喜』があり、 ゆえに『喜』は取なのである。我…

ブッダダーサ著「生活の中の縁起」(翻訳文)ー53

これらの名詞が誤解される時、一回の縁起の流転は、二回の<生> と関係があると思われるようになった。それは、一つは名色の生 (父の精と母の血の結合)で、一つは来世の生である。 もし、二つの生があるならば、縁起は三世ーー過去世、現在と 来世ーーを…

ブッダダーサ著「生活の中の縁起」(翻訳文)ー52

縁起の説明に用いられる用語の中の<有>と<生>~~ 今、我々は、最も重要な部分の検討に入っている。 それは、縁起を説明する時の、用語の問題である。 縁起の説明に用いられる用語の中に含まれる意味は、 法(真理)の言語であり、「法を見た人」「真理…

ブッダダーサ著「生活の中の縁起」(翻訳文)ー51

(我々は)一たび(母胎より)生まれ出たならば、未来、 そして老い、病、死に関連するすべての事柄を心配し、怖れる。 実際は、老い、病、死がまだ来ていないのに、その前に苦を 感じている。というのも、我々は常にそれらを「私が」老いる、 「私が」病む…

ブッダダーサ著「生活の中の縁起」(翻訳文)ー50

[老死] 老死とは何か? 老とは、髪の毛が白くなり、歯がグラグラする等、老いる事 と関係がある、すべての事柄を言い、官能が鈍る、なども含む。 死とは、諸蘊の離散をいい、身体が壊滅して息が絶える事。 人々に、縁起を理解できなくさせているのは、言語…

ブッダダーサ著「生活の中の縁起」(翻訳文)ー49

[愛(渇愛)] 愛とは何か? 愛には六種類ある。色愛、声愛、香愛、味愛、触愛、法愛。 愛ある時、取が生じる(愛縁取)。 [取] 取とは何か? 取は四種類ある。欲取、見取、戒禁取及び我語取である。 これは、みなさんがすでに、よく理解している事柄だと…