Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

2017-09-10から1日間の記事一覧

パオ・セヤドー弘法記念「顕正法蔵」(翻訳文)5-89

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> ≪増支部・二集≫の註釈に言う: 「尋が生起するのは、心を目標の法に向かわせるためであり、それはまるで、一羽の大鳥が飛び立つために翼を広げて、下方に向かって、空気を叩く動作をするのと、同じである。 とい…

「メーチ・ケーウの物語」(翻訳文)3-6

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 達白が最も好きなのは、五月のウェーサカ祭りであった。 この日は、仏陀の生誕、証悟、入滅の日である。 卉晒村の五月は、一年の内の最も美しい月で、雨季の始まり、最初の慈雨を受けて、各様各色の花が、怒涛の…

「メーチ・ケーウの物語」(翻訳文)3-5

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 達白は常々、自分の父親が、如何ほどに、出家者を尊敬しているか、を見た。 それは、心の内から発せられたもので、真心からの尊敬、敬虔で熱心な態度は、高官と会う時に表す緊張の態度、警戒心を伴う尊敬とは、異…

「メーチ・ケーウの物語」(翻訳文)3-4

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 達白の父母は、敬虔でかつ開明的な仏教徒で、普泰人の中において盛大に執り行われていた、鬼神を拝む祭事は、これを敬して遠ざけた。 彼らの家は、村の寺院のすぐ後ろにあり、その間に竹の垣根があった。 毎年乾…

「メーチ・ケーウの物語」(翻訳文)3-3

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 19世紀の末、莫拉限府の首長は、達頌・祥藍という名の普泰人を、卉晒村の地方長官として任命した。 その職務は、紛争の調停、風紀の矯正、また、当地の公共の秩序を守り、社会の安寧を齎すため、普泰族に法律を順…

パオ・セヤドー弘法記念「顕正法蔵」(翻訳文)5-83

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 尋(vitakka): 尋の特徴は、心をして、目標に投げ入れるか、または、向かわせる事。たとえば、安般似相などに; 作用は、全面的に、目標に中る事。 故に、禅の修行者は、それに頼り、尋によって、目標に中る、…

「メーチ・ケーウの物語」(翻訳文)3-2

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 卉晒村(Baan Huay Sai)は、旧シャム莫拉限府坎差伊県(Kham Cha-ee district)の小さな普泰の農村で、メコン河沖積平原の端、盤山山脈の南部が伸びた先の、起伏のある高地にあり、その両脇には、卉邦晒河(Huay…