Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

2020-01-01から1年間の記事一覧

翻訳『親知実見』#3-1

禅者序文(第一版) 皆様ご存知の通り、戒・定・慧の三学は、仏法の修学(修行と学び)の次第であり、この三学は、凡夫をして涅槃を証悟せしめて、聖者と成す事ができる。 仏音尊者が編纂・著作した《清浄之道》(Visudhimagga、または《清浄道論》)はすな…

翻訳『親知実見』#2-4

この書籍を翻訳するに当たって、多くの人々の手を経た。 2011年、聖行(Ariyācāra)賢友が、先に当該の書籍を翻訳する事を承諾したが、彼は当該の2000年中国語第三版の主要な部分を校正し、翻訳した。 その後、筆者が原稿を引き取り、その内の前三講について…

翻訳『親知実見』#2-3

仏陀は《増支部・二集》において、文言言語の間違い(Dunnikkhittassa padabyañjanassa)と意味の誤解(atthopidunnayo)の、この二種類の法は、正法の混乱と埋没を齎すと述べた。(A.2.20) 本書が紹介している内容は、南伝上座部仏教の伝統的止観禅法であ…

翻訳『親知実見』#2-2

今回、この書籍に対して中国語の重訳を行った際、その書名に、旧版の《如実知見》を用いなかったのは、実は「知見」という語彙は、もし、それを名詞として理解するならば、漢文化の伝統的仏教の語感においては、多少蔑むの義が有される、すなわち、「知見」…

翻訳『親知実見』#2-1

中国語(翻訳)版序文 本書は英語版 ”Knowing and Seeing” からの訳本であるが、それは、西暦1998年4月17日から6月16日まで、緬甸のパオ・セヤドー(Venerable Pa‐Auk Tawya Sayadaw)<注1>が、台湾新竹壱同寺において止観禅修営(止観禅リトリート)を指導…

翻訳『親知実見』#1-6

第八講 仏陀の弟子及び教法への期待・・・ 仏陀は寿行を捨棄した・・・ 仏陀、思いの宣言・・・ 仏弟子の責任・・・ 世間への利益の方法 信心(=教えへの確信)の表現方法・・・ 何を学び何を修行するのか・・・ 修行の基礎・・・ 止禅と観禅・・・ 仏陀の僧…

翻訳『親知実見』#1-5

第五講 如何にして名法を識別するか・・・ 引言(はじめに)・・・ 名法を識別する四つの段階・・・ 如何にしてジャーナ心路を識別するか・・・ 如何にして欲界心路を識別するか・・・ 如理作意と不如理作意・・・ 如何にして意門心路を識別するか・・・ 如…

般若の独り言~一期一会の時代

昨日、隣町まで買い出しに行ってきました。 幸い、先日降った雪も解けていて、道中は快適でした。 大型スーパー、業務スーパー、100均と回って、年末年始に次男が帰って来ても、一週間くらい、二人で籠城できるくらいの食料品を買って、帰りました。 で、夜…

翻訳『親知実見』#1-4

第四講 如何にして色法を識別するか・・・ 引言(はじめに)・・・ 三種類の色聚・・・ 三種類の色聚の中の色法・・・ 色法の生じる四種類の因・・・ 業生色・・・ 心生色・・・ 時節生色・・・ 食生色・・・ 観の修習の始め・・・ 如何にして四界分別を修習…

翻訳『親知実見』#1-3

第三講 如何にして四梵住と四護衛禅を修習するか・・・ 引言(はじめに)・・・ 如何にして慈心を修習するか・・・ 如何にして各種の人々に逐一慈愛を散布するか・・・ 如何にして限界を突破するか・・・ 22種類の遍満・・・ 如何にして無限の、または有限の…

翻訳『親知実見』#1-2

第一講 如何にして入出息念を修してジャーナに到達するか・・・ 引言(はじめに)・・・ なぜ禅の修習をしなければならないのか?・・・ 禅の修習とは何か?・・・ 八支聖道・・・ 如何にして禅定を育成するか・・・ 如何にして入出息念の修習をするか・・・…

翻訳『親知実見』#1-1(私家版)

目次 中国語(翻訳)版序文・・・1 禅者序文・・・6 英語版序文(第一版)・・・ 英語版再版序文(第二、第三版)・・・ 経典略語・・・ 緒論(序論)・・・ 第一節 仏陀の教法・・・ 第二節 徹底的に知るべきものとは何か・・・ 第一と第二聖諦・・・ 第三…

翻訳『親知実見』#0-6

本叢書の第四番目の小セットは「上座部仏教選集」で、その内容は、パーリ三蔵の解説と弘法・護持を含み、上座部仏教の名著など、比較的自由で多元的な選択方針を保ち、上座部仏教の伝統的な教区に限定せず、著作の多くは、パオ・セヤドーのものでもなく、そ…

MK禅師パーラジカ事件を振り返って

3年前の今頃、日本は・・・といいましても、テーラワーダ好き、パオ・セヤドーご提唱の止観瞑想(パオ・メソッド)好きの、仲間内の <コップの中の嵐>ではありますが・・・MK禅師のパーラジカ(重篤な戒律違反)問題で、大変な騒動となりました事は、読者の…

T様、復活してあります

T様へ 12月16日付、コメント頂き、ありがとうございます。 「一度公開した私(T様)のコメントを削除したのは・・・??」 とありまして、私もちょっと「えっ?」となりまして・・・ 急ぎ調べました。 最近、幾人かからコメントが入りまして、公開するもの、…

翻訳『親知実見』#0-5

本叢書の最後の1セットは「上座部仏教弘(法)護(持)叢書」で、これは、パーリ三蔵(すなわち「蔵内文献」)に重きをおいているものあるが、それは、現代においてたやすく見る事の出来る、緬甸第六次結集版のパーリ聖典の「蔵外文献」の様なものをいう。 …

台湾南伝上座部仏教学院と静楽禅林について

今回、私が翻訳を始めました、パオ・セヤドーの著書 『親知実見』 (中国語版)を編集し出版したのは、 台湾南伝上座部仏教学院です。 この学院の上部団体は、静楽禅林といい、この、台中の山中に佇む静楽禅林は、パオ・セヤドーのお声がかり、ツルの一声で…

翻訳『親知実見』#0-4

「パオ・セヤドー叢書」はすなわち、パオ・セヤドーご本人の著作の叢書であり、中国語訳を主とする。セヤドーの著作は、三蔵の説明に重きを置き、その解釈されたものはすべて、古代の註疏及び現代の人々の佳作であるが、内容は戒・定・慧から離れる事が無い…

翻訳『親知実見』#0-3

《叢書総序》 本叢書は、2008年、パオ・セヤドーに、出版に関する我々の事業について、指導をして頂く旨、願い出ると共に、(叢書出版に賛同する旨のサヤドーの)サインを頂く事から始まり、我々は順次 「上座部仏教叢書」 を出版する事となった。 「上座部…

翻訳『親知実見』#0-2

(訳者注=本来の紙面は白紙ですが、コントラスト調整により、上記の様に黄色なっています。) <翻訳文責: 緬甸パオ森林僧院/ヤンゴン分院所属/Pañña-adhika Sayalay般若精舎>

翻訳『親知実見』#0-1

表題 Pa-Auk Sayadaw叢書 <9> 『親知実見』Knowing and Seeing [緬甸]パオ・セヤドー講述 パオ・セヤドーによる台湾禅修リトリートに おける法話及び問答 (by Venerable Pa-Auk Tawya Sayadaw) 瑪欣徳、持法、聖行 共訳 <台湾南伝上座部仏教学院 出版>…

功徳の回向

コロナ禍で苦しむすべての皆様に、 憤怒、悪意、怨恨、憎悪に心を燃やす人々に、 回向致します。 ★願所有的布施者、護持者、所有的禅修者、身心健康快楽、能遠離一切危険。 (すべての布施者、護持者、すべての禅の修行者が、身心ともに健康で楽しく、一切の…

『親知実見』翻訳します

当ブログの読者の皆様へ 近々の、T様のコメントへの、私の回答を読まれた方はすでにご存知の事と思いますが、パオ・セヤドー関連の仏教書を一冊翻訳します。 去年夏より、翻訳はもうしないと決めておりましたが、 1、コロナ禍で、セヤドー方、瞑想指導者が…

もうやめましょう通りすがり様

不毛なやりとり、批判のための批判・・・ ゴータマ仏陀が戒律で 「出家者は、その様な在家者と、話合ってはいけない」 と教えていますので、これにて、失礼します。 <緬甸パオ森林僧院/ヤンゴン分院所属/Pañña-adhika Sayalay般若精舎>

通りすがり様へ反論

12月13日の一回目のブログ「通りすがり様へ」に、通りすがり様よりコメント頂きまして・・・(コメント公開しました、ご参照下さい。) 1、『親知実見』を翻訳する事は、パオ・セヤドーの筆頭弟子に許可を得ています。 版権の許可も獲得しておりまして、い…

通りすがり様へ

通りすがり様 「『親知実見』の翻訳はしない方がよいのではないか」「パオ・セヤドーも『翻訳より修行が大事』と言っているではないか」 「あなたは、MK禅師の反対勢力に利用されている」 というコメントをお寄せ頂きました。ご忠告、ありがとうございます(…

T様へ

T様 お申し越しの件、HPを確認しましたが、 でした。 もう随分昔の事ですが、オウム真理教の悪事が露見して、富士山麓の施設を警察が取り囲んで、多くの逮捕者が出た時、私はタイの森林僧院におりまして、その時、タイの僧侶方と話したのは 「彼らは過去世…

禅病が治りました

皆様にご心配頂いた禅病、12月10日現在[ほぼ治りました]ので、ご報告いたします。 今年3月初旬、禅病を発症した時(注1)は、大変に驚きまして、パニックにもなりましたが(頭頂部に、何か雲の様なモノがフワフワ浮いている様な強烈な違和感)、幸い、発…

T様へ

T様 12月3日付コメント、ありがとうございます(コメント非公開)。 お申し越しの件、調べてみて、必要があれば、対応させて頂きます。コロナ等の為、急ぎ行動に移すのは難しいかと思いますが、テーラワーダ、正法の下に集う皆様方の幸せを祈願しています。 …

般若の独り言~無我について

我々凡夫は、無常はともかくとして、<無我>(注1)を実感するのは、なかなかに難しいと思います。 インドの聖者ラマナ・マハリシは、青年の時に臨死体験をして、こちらの世界に意識が戻った後は山に籠り、彼を慕って訪ねて来る人々に一貫して 「人は死ぬとい…