南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

2021-01-01から1年間の記事一覧

★『教海覚舟』<教えの海悟りの舟>(6-24)(私家版)

当該の義注は、また以下の様に言う: 徳を具備する比丘に、わずか一勺の米または、一軒の、椰子の葉(シンハラ語では、cadjan)で建てた7尺(7m)の茅葺の建物を供養(布施)するだけでも、施主は、100千劫の間、悪道に堕ちる事がなく、また、最終的には、…

★『教海覚舟』<教えの海悟りの舟>(6-23)(私家版)

《若希望経》の義注にも、以下の様な記載がある: もし、すでに世を去った父母が、己の息子が、一人の清浄な比丘である事に対して、喜心でもって随念するならば、この喜悦の念は、大果大利を生じる事ができ、この善念によって、(父母は)100千劫に亘って、…

★『教海覚舟』<教えの海悟りの舟>(6-22)(私家版)

”Yassa hi bhikkhuno kālaṅkato pitā vā mātā vā ’amhākaṃ ñātakatthero sīlavā kalyāṇadhammo'ti pasannacitto hutvā taṃ bhikkhuṃ anussarati、 tassa so cittappasādopi taṃ anussaraṇamattampi mahapphalaṃ mahānisaṃsameva hoti、anekāni kappasatasaha…

★『教海覚舟』<教えの海悟りの舟>(6-21)(私家版)

一人の僧人が、仏法を教導するならば、千人を超える、非常に多くの人々が、今生と来世において、利益を獲得する事ができる。 清浄な僧人は、たとえ、他人に対して、仏法を教導しなくても、自我の浄化に専注するだけであっても、世間を利益する事ができる。 …

★『教海覚舟』<教えの海悟りの舟>(6-20)(私家版)

世間の人々は、一席の夕飯を食べられない事は、非常に大きな損失だと思う。 僧人の生活は、始終、過午不食(午後を過ぎると食事しない)を保持する; 世間には、無徳の人々で溢れている。 他人を唆して、詐欺などの犯罪、偸盗、賭博、邪淫、嘘をつくなどをし…

★『教海覚舟』<教えの海悟りの舟>(6-19)(私家版)

嘘の多い、この世間において、人々は、耳触りのよい言葉などの、色々な方法でもって、相互に騙し合う; 僧人は、嘘をつくことがなく、正直に生活する; 世間は、(身・心が)麻痺する様な麻酔品(酒など)を享受し、大部分の収入を、麻酔品を買う為に、浪費…

★『教海覚舟』<教えの海悟りの舟>(6-18)(私家版)

世間の人々は、各種の手段を通して、不法の財などを手に入れる。たとえば、(物品の売買において)重量をごまかしたりして; 僧人の生活は、すべての形式の偸盗から遠く離れて、他人の自発的な布施によって住する; 世間の人々は、日夜奮闘努力するが、彼ら…

★『教海覚舟』<教えの海悟りの舟>(6-17)(私家版)

これ以外に、僧人は、更に、非常に多くの、俗人から礼拝、敬われるべき、美徳を擁している: 世間の人々は、食べ物に満足したいという欲求の為に、利益の追求の為に、妻と子供を養う為に、競技の為に、人々は、残忍にも、罪のない動物を殺す; 僧人の生活は…

★『教海覚舟』<教えの海悟りの舟>(6-16)(私家版)

世界の人口が、これほどに多くても、少数の人間しか、出家して僧になる事ができない。 多くの、世間の人々は、一晩だけでも、己自身の父母、兄弟、姉妹、妻、子供、友人や親戚と、離れる事ができない。 そして、この様な世界において、もし、一人で永遠に、…

★『教海覚舟』<教えの海悟りの舟>(6-15)(私家版)

ある日、一人の、名を食蒲桃者(Jambukhādaka)という隠士が、シャーリプトラ尊者に問うた、法と律の中において(Dhamma vinaya)、最も難しいものは、何であるか?と。 シャーリプトラ尊者は以下の様に答えた: ”Pabbajjā kho āvuso imasmim dhammavinaye d…

★『教海覚舟』<教えの海悟りの舟>(6-14)(私家版)

銭庄の庄主の子亜思(Yasa、旧訳:耶舎)、彼は三座の城館を持ち、三種類の季節に応じて使用しており、城館の中の少女たちは、みな、美人で仙女の様であった。 彼はこの美女たちに、前後何重にも取り巻かれていたが、結局、世間的欲楽を放棄して、剃髪得度し…

★『教海覚舟』<教えの海悟りの舟>(6-13)(私家版)

国王プックサーティヤ(Pukkusātiya)が、王位を捨てて剃髪得度した時、千人に上る大臣たちもまた、共に出家した。国家と同じくらい豊かな銭庄(昔の銀行、両替商)の庄主ジョーティヤ(Jotiya)は、すべての財産を捨てて、剃髪得度し、出家した。 銭庄の庄…

★『教海覚舟』<教えの海悟りの舟>(6-12)(私家版)

菩薩だけではなく、他に、非常に多くの賢者、彼ら自身が、出家の殊勝さを理解し納得した時、毅然として、王位、国師の位、大臣の位、財産と富、子供と妻を放棄して、隠士の生活を選択したのである。 国王マハーカッピナ(Mahākappina)が、退位して、剃髪得…

★『教海覚舟』<教えの海悟りの舟>(6-11)(私家版)

”たとえ、海洋に包囲された陸地全体を得ることができたとしても、私は、利益(利養)の為に、還俗して、責務を負う事を願わない。 薩伊哈! 非法により、悪趣に堕落せしめる行為によって獲得する所の、名声と利益は、まったくもって、厭うべき! 鉢を持って…

★『教海覚舟』<教えの海悟りの舟>(6-10)(私家版)

”Sasamuddapariyāyaṃ、mahiṃ sāgarakuṇḍalaṃ; Na icche saha nindāya、 evaṃ seyya vijānahi.Dhiratthu taṃ yasalābhaṃ、dhanalābhañca brāhmaṇa; Yā vutti vinipātena、adhammacaraṇena vā. Api ce pattamādāya、anagāro paribbaje; Sāyeva jīvikā sey…

★『教海覚舟』<教えの海悟りの舟>(6-9)(私家版)

国王は、己の旧友を思い出して、彼は今どこにいるのか、と訊ねた。 大臣は国王に知らせた: ”菩薩は、家のない生活をしています。” 国王は、大臣薩伊哈(Saiha)を派遣して、菩薩を国師にする為に、彼を探させた。 国師は、宰相より上であり、ひとたび国師に…

★『教海覚舟』<教えの海悟りの舟>(6-8)(私家版)

我々の菩薩は、かつては、瓦拉納西国(Bārānasī)の国師の息子であった(注5)。 国王の息子と菩薩は同じ日に生まれ、国王は皇宮で、己自身の息子と国師の息子を、一緒に育てた。 二人の子供は、共に成長し、また、タカシラ(Takashila。ガンダーラ国の町)…

★『教海覚舟』<教えの海悟りの舟>(6-7)(私家版)

徳米亜王子は、国王になると、悪行をなす事、そして、それによって地獄に生まれ、輪廻が長引く事を、深く知り尽くしていた為、彼は、国家を統治する事を恐れた。 この種の危険な境遇と異なり、出家の環境は、煩悩と不善法を減らし、輪廻の旅を短縮するのに助…

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(3-120)(私家版)

本日、我々は、四時間の法話を聞いた。その上、一時間の討論と、一時間の総合的報告もあった。 合計6時間である。 (この間)瞬く間に、10余億個の心が生・滅した為、(我々は)数えきれないほどの善業を累積した。 もし、あなたが、喜びの心をもって授業を…

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(3-119)(私家版)

色界唯作心(5)は、唯一、初禅、二禅、三禅、四禅、五禅を擁する阿羅漢の心にのみ、存在する。 凡夫が生起させる所の初禅心は、善心と言い、阿羅漢が生起させる所の初禅心は、唯作心と言う。 なぜ、唯作心と言うのか? というのも、唯作心は、もはや、二度…

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(3-118)(私家版)

五個の色界唯作心 唯作心は阿羅漢の心である。 しかし、すべての阿羅漢が、みな、五個の色界唯作心を擁しているとは限らない。というのも、阿羅漢全員が、みな、ジャーナを擁しているとは限らないが故に。 ある者は、慧解脱の阿羅漢で、この心は、この様な阿…

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(3-117)(私家版)

五個の色界果報心 色界果報心と色界善心は、文字の上では同じものである。 五個の色界善心は、欲界でも生起する事ができる。 しかし、五個の色界果報心は、その様にはできない。 というのも、それらは梵天の結生識であり、梵天が色界に生まれる時の、一番目…

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(3-116)(私家版)

五禅支が代表する所の意味は、以下の通り: 1、尋:心が、安般念似相に安置しつづけるのを尋と言う。たとえば、蜜蜂が、蜜を集める時、己自身全体を花の中に投入する様なもの。 2、伺:心をして、不断に、安般念似相に注意を向け続ける事。蜜蜂が、花の周り…

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(3-115)(私家版)

初、二、三、四、五禅は、みな、同一の目標を取る。 もし、安般念を修行しているのであれば、初禅から五禅まで、すべて似相を所縁として取るのである、すなわち、鼻孔の下方において、ダイヤモンドの様に光る、透明な似相(の事である)。その後、一歩更に一…

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(3-114)(私家版)

では、喜と楽の区別とは何か? 喜とは、この似相を好む事を言い、楽とは、似相を体験する時の楽受、または楽しさを言う。 ちょうど、疲れていて、また、喉が渇いている旅人が、水の音を聞いて、喜ぶ時に生じるのが、喜である。 そして、水を飲むときに体験す…

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(3-113)(私家版)

第二禅に入るには、(初禅と同様に)安般念似相を所縁に取る。 定力が上昇した時、以下の様な心願を持つ様にする。 すなわち、比較的粗くて劣る所の禅支: 尋を取り除きたい、と。 尋を取り除きたい、と願う心を維持しながら、引き続き観を実践し、定力を上…

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(3-112)(私家版)

心が、似相に、少なくとも一時間、沈潜できる様になり、かつ、完全に妄念がなくなったならば、(あなたは)五個の禅支を生起せしめる事ができる。 それはすなわち、尋・伺・喜・楽・一境性であり、(この時あなたは)初禅に到達したのである。 もし、初禅を…

般若の独り言~湯治旅館

次男から「年末に帰るので、よろしく」 と連絡が来ました。 ここ、精舎のある場所は、九州の網走、と言われるくらい、冬が寒い。 その上、我が精舎は、日照を考慮せずに建てられた家 (注1)で、なぜか、台所が北向き。 その台所、異常に寒い。 今年の年末に…

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(3-111)(私家版)

ある種の人々は、この境地に到達すると、好奇心が生まれて、(禅相を)弄びつづけ、結果、禅相が消え失せてから、後悔する。 禅相を弄ぶ時、心は専注ができなくなり、定力は消失し、禅相もまた、それにつれて、見えなくなってしまう。 というのも、禅相は、…

般若の独り言~何枚できるかな?

今年は、大量の古着を、NPOに、寄付する事ができました。 古着を、古着屋さんに売るか、NPOに、無料で渡せればよいのですが、 《古着deワクチン》 のNPOは、古着を渡す時、古着を詰める為のクラフト製袋を購入する費用、3300円必要です。 (それでも、まだ着…