Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

2021-06-02から1日間の記事一覧

翻訳『親知実見』#39-12

上記の事柄は、道果を証悟した後においては、菩薩になりたいと、心の意向を変更することはできない、という事を意味している。 これより外に、仏陀または阿羅漢の授記を得た後もまた、心の意向を変更することはできない。 しかし、ある種の人々は、未来まで…

翻訳『親知実見』#39-11

問5-4:(以下に列挙した質問を、まとめて回答する) ●仏陀の時代、菩薩は存在しましたか?もし存在したならば、何かの道果を証悟しましたか?または、彼は一人の凡夫(puthujjana)でしたか? ●なぜ、聖者(ariya)は、菩薩になれないのでしょうか? ●聖弟子…

翻訳『親知実見』Knowing and Seeing#39-10

問5-3:生死輪廻(saṃsār)は無始無終です。 そして、衆生は、無量で無辺です。故に、曾て、我々の母親であった衆生もまた無量で無辺です。我々は、一切の衆生は、みな、かつて、我々の母親であった事を思惟することを通して、どの様にして、慈しみを修する…

翻訳『親知実見』#39-9

例えば、シャーリプトラ尊者は、約二週間の時間をかけて、禅の修習に励み、結果、阿羅漢道果を証悟した。 マハーモッガラーナ尊者は、僅か7日間であったが、バーヒヤダールチーリヤ(Bāhiya Dārucīriya)は、ただ、非常に短い、簡単な開示 ”Diṭṭhe diṭṭhamat…

翻訳『親知実見』39-8

これらはみな、究極名色法である。もし、禅修行者が、これらの究極名色法を見ることができたならば、彼は観の修習をして、これらの名色法の無常・苦・無我の本質を観照することができる。しかし、もし彼が、究極名色法を見ることができないのであれば、彼は…

翻訳『親知実見』#39-7

問5-2:理論でもって、無常・苦・無我を覚知するのと、禅定でもって、究極法(paramatthadhamma)を識別するのと、この二種類の方法の内、どちらの方が、比較的容易に、速く、涅槃を証悟しますか? 答5-2:無常とは何か? 無常とはすなわち、五蘊<注296>の事…

翻訳『親知実見』#39-6

阿羅漢は、涅槃果定に住する能力を擁するものの、しかし、彼らはやはり、滅定に住む傾向を持つ。 というのも、涅槃果定は、無為法を所縁としているものの、なお、「受」の名法が存在しているが故に。 しかし、滅定の中においては、僅かに残る行法は業生色、…