Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

2021-10-01から1ヶ月間の記事一覧

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(3-17)図表B

中国語原文P 38 図表B ■31界 (上記の図表は、当ブログでは制作できません。将来PDF版を制作する時に插入予定です。) <緬甸パオ森林僧院/ヤンゴン分院所属/ Paññādhika Sayalay 般若精舎>

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(3-16)

31界 「界」とはすなわち、衆生の生存地の事である。 合計 31界あって、また、3個の部分に分ける事ができる。 1、11個の欲界地: 4個の悪趣地 「地獄、畜生、餓鬼、阿修羅」と 7個の善趣地 「人、四大天王、33天、夜摩天、兜率天、化楽天、他化自在天」。 2…

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(3-15)図表A

中国語原文 P36 (図表A) 《89心分類総覧表》 (上記の図表は、当ブログでは制作できません。将来、PDF版を作成しましたら、插入の予定です。) <緬甸パオ森林僧院/ヤンゴン分院所属/ Paññādhika Sayalay 般若精舎>

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(3-14)

心の二分法 今、心の二分法を説明する。 この心識に対して、非常に徹底的に理解する必要がある。というのも、 《アビダンマ論》全編は、心と関係があるが故に。 我々が業をなす時、この心でもって業をなす; 受け取る果報は、この業をなす心によって、齎され…

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(3-13)

あなたが TV を見る時、眼識は、耳識に飛んで、(耳識が眼識に)なる事はない。 TV を、耳識が見る、という事にはならない; 耳識が鼻識に飛んで、鼻識が(音を)嗅ぐ、という事はない; 鼻識が舌識に飛んで、舌識が(匂いを)味わう、という事はない; この…

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(3-12)

仏陀は彼を叱責し、加えて、彼に縁起を教えた。 仏陀は言う: 「心識には多くの種類がある。 眼識、耳識、鼻識、身識、舌識等・・・ 私が言う種々の識は、みな、因と縁が和合して生じるものである。 因と縁の和合がなければ、識は生起しない。 識の名称は、…

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(3-11)

サティ比丘は、仏陀の所へやってきた。 仏陀は言う: 「あなたは、私が教える法を、同一の心が、輪廻の中において漂泊して輪転しているのだ、と主張しているそうであるが、本当であるか?」 仏陀の前では、誰も嘘をつくことはできない。というのも、仏陀には…

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(3-10)

この問題は、現代人だけが抱えているものでは、ない。 仏陀の時代、中部(Majjhima Nikāya)に(以下の様な話が記載されている、それは)、 サティ(沙帝)という名の比丘がいて、彼は友人に以下の様に言った: 「ずっと長い間、輪廻の中で漂泊し続けている…

般若の独り言~自力と他力

四、五年前の事ですが、浄土真宗を信仰されている方と出会いました。 彼女は、二言目には 「サヤレー、修行なんぞ、してはいけません」 「何事も、他力本願でよいのです」 また最近、同じく、浄土真宗を信仰されている方と出会いました。 彼女曰く: 「南無…

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(3--9)

しかし、我々は、これらすべてを「我(私)」と見做してしまう。 その原因は、我々が、究極法を如実に知見する事ができないが故、である。 心の生・滅の過程が、迅速に過ぎるが故に、我々は、聞こえた、視えた、食べた、足を揺らした、それらすべてを、一個…

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(3-8)

しかし、実際には、視ているのは、眼識である。 色塵(色彩)が眼根を衝撃する時、眼識が生起する。 これは因縁法である。 音声が耳を衝撃する時、耳識が生起する; 食べ物の味が、舌根を衝撃する時、舌識は生起する; 身体が揺れる時、身識は生起する。 ま…

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(3-7)

あなたが TV を視る時、あなたは目で見て、同時に耳でも聞いている。時には、同時におやつを食べたりもするし、動くのが好きな人は、貧乏ゆすりなどもしていることがある。 では、これらの動作を合計すると、どれほどの数になるものであるか? 目は視ている…

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(3-6)

心の定義 心とは、純粋に、目標を識知する過程(に過ぎないもの)である。 心は、目標を識知する所の「我」では決して、ない。 一個の自我または造作者(創造者)、というものは、ない。 我々は、非常に多くのタイミングにおいて、心を我(私)、私の、とい…

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(3-5)

1、心の特徴:目標の識知。この事は、必ず覚えておく事。 2、心の作用:諸々の心所の先導者。心が生起しなければ、心所も生起しない。故に、心が心所を導く、と言う。しかし、それらは同時に生起する。ただ、心は、先導者として、作用するのみである。 3、心…

般若の独り言~怒りのギャン吠え

今日は、午後1:30 から 5:00 まで外出していました。 5:00に、精舎のドアを開けると、虹君が 「帰りが遅い!」 「一人で、どこへ行ってたの!」 とばかりに、超おかんむり状態、怒りのギャン吠え。 オハナはこんな事(激高する事)一度もなかったなぁ。 オハ…

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(3-4)

究極法の四種類の鑑定法 《アビダンマ概要精解》 の中において、究極法に関する、どの様な説明であっても、諸々のパーリ論師は、四種類の鑑定法で以て、これを区別するべきだと主張する。 その分類に関しては、一つひとつの究極法の、各々の(以下のものを鑑…

般若の独り言~政治の話

虹君を連れて散歩していましたら、近所の人に出会いました。 つい、政治の話になって 「中国悪い。中国に虐められる、台湾かわいそう。」 という話になりましたが、私は、話はそれほど単純ではない、と考えています。 私は日本生まれの台湾人で(現在72歳)…

般若の独り言~攻防戦

我が精舎に、黒いトイ・プードル(保護犬。雄、三歳。名前は虹)がやってきて、一か月。 いやはや、毎日が戦争状態・・・私と彼の攻防戦、勃発。 プードル(大型、トイ等三種類に分類される)は、その可愛さと聡明さで、室内犬人気NO1だそうですが、某トレ…

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(3-3)

心、心所、色法は、有為法、または因縁和合の法という。 というのも、この三者は共に、因と縁に依存して生起するが故に。 因と縁が滅する時、それらもまた滅し去る。 故に、無常である; 無常の圧迫を受けるが故に、 それらは苦である; (そこには)一個の…

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(3-2)

因と縁が和合して生起した法を有為法と言う。 故に、一切の有為法は、みな、無常・苦・無我である。 苦のパーリ語は「dukkha」で、中国語訳では、苦と言い、英語訳では「suffering」となるが、そのどれもが、あまり正確とは言えない。 実際は、パーリ語の du…

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(3-1)

第一章 心の概要 第一章は、<心の概要>とし、《アビダンマ論》 の一番目の究極法である「心」についての解説をする。 先に心を研究するのは、仏教の究極法を分析する中心点は、己自身による体験においているが故であり、また、心は、体験の主要な要素でも…

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(2-25)

本書は、浅くて明確で分かりやすい文言と例を用いて、《アビダンマ論》 の博学膨大、精密で甚だ深い重要な思想を説明するが、書中の一部の引用文は 《アビダンマ概要精解》という一書から取っている。 この書物は、世界的規模の中国文読者が 《アビダンマ論…

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(2-24)

心と心所は、必ず、色法に依存してしか、生起する事が出来ない。心と心所の多くは、色法を目標としており、これが、心・心所と色法の関係性である(無色界は除く。というのも、無色界の衆生は、色法を持たないが故に)。 心と心所は名法と呼称され、色法は色…

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(2-23)

心の特徴は、ただ一個。目標を識知する事である; 心所は、心に随伴して生起し、心が目標を識知するのを、全面的に幇助する。 心は、一個の色(色彩)を見た時、それが青色なのか、藍色なのか、または白色なのはか分からないでいる。 その時、必ず心所の助け…

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(2-22)

四種類の究極法 《アビダンマ論》 の中では、世俗諦と究極諦に言及されているが、その内、究極諦は、合計4種類ある: 1、心(citta):合計89種類の心がある。この数に吃驚しない様に。 2、心所(cetasika):合計52種類の心所がある。 3、色法(rūpa):合…

般若の独り言~執心と向き合う

一年ほど前、老人向け体操教室に参加する様になって、 ある老人(女性)と知り合いました。 彼女は、私が尼僧であるのを知って 「仏教の本質とは何ですか?」 と聞いてきました。 私は 「それは無常・苦・無我です」 と答えながら、嬉しくなりました。 これ…

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(2-21)

この例では、那先比丘尊者は、何をもって世俗諦と言い、何をもって究極諦と言うのか、を説明したのである。 世俗諦は、見かけ上は恒常不変の様に見えるけれども、しかし、真正なる究極の実質を擁せず、それは更に五蘊ーー色、受、想、行、識に分解する事がで…

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(2-20)

那先比丘は、以下の様に言う: 「陛下、私はあなたに、この寺院にはどの様にして来たのか、と問うた。 あなたは、馬車に乗って来たと答えた。 私はまた問うた。馬は馬車であるか?あなたは違う!と答えた。 馬の幌は馬車かと問うた。あなたは違う!と答えた…

般若の独り言~龍が好きな王様

子供の時に読んだ中国の物語に 『龍が好きな王様』 というのがあります。 ある国の王様は、龍が大好き。 龍と関わりのあるものなら、その財力、権威に任せて、なんでも、かんでも、収集します。 龍の置物、龍が描かれた絵画、その他もろもろ。 これを、天界…

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(2-19)

ミランダ国王は、弁才第一であるが故に、即刻、先方の落ち度を捕まえた。 彼は言う: 「尊者、あなたは先ほど、那先比丘は、究極的には存在しないのだ、と言いました。それでは、私の目の前に座って、先ほど私の礼拝を受けたこの人は、一体誰であるのか?」 …