Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

2021-12-31から1日間の記事一覧

★『教海覚舟』<教えの海悟りの舟>(6-24)(私家版)

当該の義注は、また以下の様に言う: 徳を具備する比丘に、わずか一勺の米または、一軒の、椰子の葉(シンハラ語では、cadjan)で建てた7尺(7m)の茅葺の建物を供養(布施)するだけでも、施主は、100千劫の間、悪道に堕ちる事がなく、また、最終的には、…

★『教海覚舟』<教えの海悟りの舟>(6-23)(私家版)

《若希望経》の義注にも、以下の様な記載がある: もし、すでに世を去った父母が、己の息子が、一人の清浄な比丘である事に対して、喜心でもって随念するならば、この喜悦の念は、大果大利を生じる事ができ、この善念によって、(父母は)100千劫に亘って、…

★『教海覚舟』<教えの海悟りの舟>(6-22)(私家版)

”Yassa hi bhikkhuno kālaṅkato pitā vā mātā vā ’amhākaṃ ñātakatthero sīlavā kalyāṇadhammo'ti pasannacitto hutvā taṃ bhikkhuṃ anussarati、 tassa so cittappasādopi taṃ anussaraṇamattampi mahapphalaṃ mahānisaṃsameva hoti、anekāni kappasatasaha…

★『教海覚舟』<教えの海悟りの舟>(6-21)(私家版)

一人の僧人が、仏法を教導するならば、千人を超える、非常に多くの人々が、今生と来世において、利益を獲得する事ができる。 清浄な僧人は、たとえ、他人に対して、仏法を教導しなくても、自我の浄化に専注するだけであっても、世間を利益する事ができる。 …

★『教海覚舟』<教えの海悟りの舟>(6-20)(私家版)

世間の人々は、一席の夕飯を食べられない事は、非常に大きな損失だと思う。 僧人の生活は、始終、過午不食(午後を過ぎると食事しない)を保持する; 世間には、無徳の人々で溢れている。 他人を唆して、詐欺などの犯罪、偸盗、賭博、邪淫、嘘をつくなどをし…

★『教海覚舟』<教えの海悟りの舟>(6-19)(私家版)

嘘の多い、この世間において、人々は、耳触りのよい言葉などの、色々な方法でもって、相互に騙し合う; 僧人は、嘘をつくことがなく、正直に生活する; 世間は、(身・心が)麻痺する様な麻酔品(酒など)を享受し、大部分の収入を、麻酔品を買う為に、浪費…

★『教海覚舟』<教えの海悟りの舟>(6-18)(私家版)

世間の人々は、各種の手段を通して、不法の財などを手に入れる。たとえば、(物品の売買において)重量をごまかしたりして; 僧人の生活は、すべての形式の偸盗から遠く離れて、他人の自発的な布施によって住する; 世間の人々は、日夜奮闘努力するが、彼ら…

★『教海覚舟』<教えの海悟りの舟>(6-17)(私家版)

これ以外に、僧人は、更に、非常に多くの、俗人から礼拝、敬われるべき、美徳を擁している: 世間の人々は、食べ物に満足したいという欲求の為に、利益の追求の為に、妻と子供を養う為に、競技の為に、人々は、残忍にも、罪のない動物を殺す; 僧人の生活は…

★『教海覚舟』<教えの海悟りの舟>(6-16)(私家版)

世界の人口が、これほどに多くても、少数の人間しか、出家して僧になる事ができない。 多くの、世間の人々は、一晩だけでも、己自身の父母、兄弟、姉妹、妻、子供、友人や親戚と、離れる事ができない。 そして、この様な世界において、もし、一人で永遠に、…

★『教海覚舟』<教えの海悟りの舟>(6-15)(私家版)

ある日、一人の、名を食蒲桃者(Jambukhādaka)という隠士が、シャーリプトラ尊者に問うた、法と律の中において(Dhamma vinaya)、最も難しいものは、何であるか?と。 シャーリプトラ尊者は以下の様に答えた: ”Pabbajjā kho āvuso imasmim dhammavinaye d…

★『教海覚舟』<教えの海悟りの舟>(6-14)(私家版)

銭庄の庄主の子亜思(Yasa、旧訳:耶舎)、彼は三座の城館を持ち、三種類の季節に応じて使用しており、城館の中の少女たちは、みな、美人で仙女の様であった。 彼はこの美女たちに、前後何重にも取り巻かれていたが、結局、世間的欲楽を放棄して、剃髪得度し…

★『教海覚舟』<教えの海悟りの舟>(6-13)(私家版)

国王プックサーティヤ(Pukkusātiya)が、王位を捨てて剃髪得度した時、千人に上る大臣たちもまた、共に出家した。国家と同じくらい豊かな銭庄(昔の銀行、両替商)の庄主ジョーティヤ(Jotiya)は、すべての財産を捨てて、剃髪得度し、出家した。 銭庄の庄…

★『教海覚舟』<教えの海悟りの舟>(6-12)(私家版)

菩薩だけではなく、他に、非常に多くの賢者、彼ら自身が、出家の殊勝さを理解し納得した時、毅然として、王位、国師の位、大臣の位、財産と富、子供と妻を放棄して、隠士の生活を選択したのである。 国王マハーカッピナ(Mahākappina)が、退位して、剃髪得…

★『教海覚舟』<教えの海悟りの舟>(6-11)(私家版)

”たとえ、海洋に包囲された陸地全体を得ることができたとしても、私は、利益(利養)の為に、還俗して、責務を負う事を願わない。 薩伊哈! 非法により、悪趣に堕落せしめる行為によって獲得する所の、名声と利益は、まったくもって、厭うべき! 鉢を持って…

★『教海覚舟』<教えの海悟りの舟>(6-10)(私家版)

”Sasamuddapariyāyaṃ、mahiṃ sāgarakuṇḍalaṃ; Na icche saha nindāya、 evaṃ seyya vijānahi.Dhiratthu taṃ yasalābhaṃ、dhanalābhañca brāhmaṇa; Yā vutti vinipātena、adhammacaraṇena vā. Api ce pattamādāya、anagāro paribbaje; Sāyeva jīvikā sey…

★『教海覚舟』<教えの海悟りの舟>(6-9)(私家版)

国王は、己の旧友を思い出して、彼は今どこにいるのか、と訊ねた。 大臣は国王に知らせた: ”菩薩は、家のない生活をしています。” 国王は、大臣薩伊哈(Saiha)を派遣して、菩薩を国師にする為に、彼を探させた。 国師は、宰相より上であり、ひとたび国師に…

★『教海覚舟』<教えの海悟りの舟>(6-8)(私家版)

我々の菩薩は、かつては、瓦拉納西国(Bārānasī)の国師の息子であった(注5)。 国王の息子と菩薩は同じ日に生まれ、国王は皇宮で、己自身の息子と国師の息子を、一緒に育てた。 二人の子供は、共に成長し、また、タカシラ(Takashila。ガンダーラ国の町)…