Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

2021-01-01から1ヶ月間の記事一覧

翻訳『親知実見』Knowing and Seeing #16-5

しかし、あなたの禅相がどの様な形状、どの様な色彩であっても、あなたの入出息の想がどの様なものであっても、重要な事は、禅相を弄んではならない、という事である。 それが消失する様な事をしてはならない。 また、故意にその形状や外観を変えたりしては…

翻訳『親知実見』#16-4

実際、《清浄之道》は、ほかの所においても、類似の説明をしている、例えば、第四無色禅ーー非想非非想処定(nevasaññā-nāsaññāyatana)を説明する時。<注93> 《清浄之道》が、非想非非想処定を説明する時、以下の様に言う、 「想」は非常に微細であって、…

翻訳『親知実見』#16-3

《清浄之道》では、上記の事柄は、禅相とは、「想」によって生じるものであるから、と説明する(Vm.231)。 禅相の異なる事は「想」が原因である。 しかし、「想」は、単独で生じるわけではなく、それは、名法の一種として、それぞれ個別の心識を随伴しなが…

翻訳『親知実見』#16-2

多くの場合、コットンボールの様に純白な禅相は取相(uggaha-nimitta)である。それは、多くの場合、明るく耀いておらず、また透明でもない。禅相が明瞭で、明るく輝き、清らかで、明けの明星の様である時、これは似相(paṭibhāga-nimitta)である。 それ曇…

翻訳『親知実見』Knowing and Seeing #16-1

禅相 ある種の禅修行者は、禅相が出現する前、先に光を体験する。 ある種の人々には、禅相が直接出現する。 禅相と光は、同じものではない。<注91>両者の違いは、正に太陽と太陽光の違いであると言える。 入出息念における禅相の出現方式は、人によってそ…

翻訳『親知実見』#15-8

こうした事から、この段階において、あなたがなさねばならない事は、ただ息を平静にせんと決意して、かつ、それを持続的に、不断に、覚知する事である。 この様にすれば、あなたは、息が更に平静に変化している事を発見するであろうし、(この時)禅相もまた…

翻訳『親知実見』#15-7

更に一歩進んで、比庫はなぜ、入出息を掌握しなければならないか、という事について、《清浄道論》は以下の様に説明する: 「以前、彼が[入出息]を掌握していない時、思惟無く、専念なく、作意無く、『私は粗い身行(息の動き)を平静にしよう』という省察…

翻訳『親知実見』#15-6

上記の事柄を成功させるには、あなたは、息を平静にするのだという決意をし、その後に、息の冒頭から最後までを継続して、覚知し続ける必要がある。 これより他の、どの様なものであっても、他の方法を用いてはならない、そうする事によって、定力が退失する…

般若の独り言~オハナ病院へ行くの巻

4日前、オハナ(ペキニーズ、雄)の左目が涙目になっているのに気が付きました。 オハナは、輸入物の高級ペットフードを食べると、アレルギーの為、よく目に涙をためるので、フードは手作りか、または国産にしてあるので、フードが原因とは思えず・・・。 目…

翻訳『親知実見』Knowing and Seeing #15-5

この段階において、禅相が出現する可能性がある。ただし、あなたがこの様に平静に約一時間ほど(息に)専注することが出来ても、禅相が未だ出現しない時、あなたは第三の段階に進むのがよい: [3]彼は学ぶ:『私は全身(息の全体、以下同様)を覚知しなが…

翻訳『親知実見』#15-4

この段階において、あなたは、入出する息が長いかまたは短いかについての覚知を、育成しなければならない。 ここで言う所の、長いまたは短いは、寸法の事を言っているのではなく、持続する時間の長短を言うのである。 あなたは自分自身で、(息が)どれくら…

翻訳『親知実見』#15-3

呼吸の概念とはすなわち、入出息念の所縁であり、また、あなたが定力を育成する為に、専注しなければならない所縁でもある。 この方法によって、呼吸の概念に専注する時、もし、あなたが、かつて、過去世において、この業処を修習した事があり、かつ一定程度…

翻訳『親知実見』#15-2

禅の修行を始める時、まず、快適な、リラックスした姿勢で座り、かつ、鼻の先において、出入りする息を覚知する様にチャレンジする。 あなたは、鼻のちょうど下の方、または鼻孔の出口の所の、ある一か所において、それを感じる様にする;当該の場所を接触点…

翻訳『親知実見』Knowing and Seeing #15-1

如何にして禅定を育成するか 如何にして禅定を育成するべきか? 止禅には合計40種類の業処があり、その内のいずれか一種類を選んで、禅定を育成する為の修習をする事ができる。 どの種類の業処を選べばよいか、決定する事ができない人は、入出息念(ānāpānas…

翻訳『親知実見』#14-7

八支聖道の第八項目の要素は正定(sammāsamādhī)である。 正定とは、初禅、第二禅、第三禅と第四禅を言う。 《大念処經》(Mahāsatipaṭṭhāna Sutta)では、これらを正定と呼んでいて(D. 2.402;M .1.135)、《清浄之道》では、更に一歩進んで四種類の色…

翻訳『親知実見』#14-6

八支聖道の第六項目の要素は正精進(sammāvāyāma)である。正精進も、四種類ある; 1)いまだ生起しない不善法の生起を防止する事に努力する 2)すでに生起した不善法を取り除く様、努力する 3)いまだ生起していない善法が生起する様、努力する 4)すでに生…

翻訳『親知実見』Knowing and Seeing #14-5

八支聖道の第三項目の要素は正語(sammāvācā)である。 正語はすなわち、虚妄語、離間語、粗悪語と雑穢語を避ける事である。 八支聖道の第四項目の要素は正業(sammākammanta)である。 正業とはすなわち、殺生、不与取、欲邪行と放逸の因である諸々の酒類<…

翻訳『親知実見』#14-4

八支聖道 今、我々は、八支聖道の八つの項目について、幾つかの説明をしてみたいと思う。 第一の項目の要素は正見(sammādiṭṭhi)である。 正見とは何か? 正見は以下の四種類の智慧を含む: 1)苦聖諦に関してーー五取蘊の観智; 2)苦集聖諦に関してーー…

翻訳『親知実見』Knowing and Seeing#14-3

禅の修行とは何か? では、禅の修行とは何であるか? 禅の修行は、止禅(samatha)と観禅(vipassanā)がある。 この二者は皆、身体、言葉の徳行(戒)を基礎としている。 言い換えれば、禅の修行とは、八支聖道(aṭṭhaṅgikaariyamagga)を育成し、円満する…

翻訳『親知実見』#14-2

なぜ禅修行をしなければならないか? 先に、我々は、己自身に問うべきである: 「仏陀はなぜ禅修行を教導したのか?」または 「禅修行の目的とは何か?」 仏教の禅修行の目標は、涅槃(NIbbāna)を証悟す事にある。 涅槃とは、名法(nāma)と色法(rūpa)の…

翻訳『親知実見』#14-1

第一講 如何にして入出息念を修習してジャーナに到るか はじめに 我々は、幾人かの台湾の比丘、比丘尼法師の要請を受けて、台湾を訪問した事に、大きく喜びを表明するものである。 この幾人かの法師は、かつて緬甸のモーラミャイン(Mawlamyine)の近郊にあ…

翻訳『親知実見』#13-17

<注71>=《沙門婆羅門経》(Samaṇabrāhmaṇa Sutta)。仏陀は、《中部・韋克那思経》(Vekhanasa Sutta)(韋克那思は一遊行僧の名前)の中において、以下の様に言う:「もしあれらの沙門、婆羅門が前際を知らず、後際を見ないのに、己みづから『我々は、生…

翻訳『親知実見』#13-16

<注61>= 昏昧:昏沈、怠惰、無力、所縁に対して興味を感じない; 散乱:躁動、不安、焦燥; 広大:色界または無色界ジャーナ; 不広大:欲界; 有上:欲界; 無上:色界または無色界ジャーナ; 得定:近行定またはジャーナ; 無定:禅定の無い事; 解脱:…

翻訳『親知実見』#13-15

<注51>=密集の錯覚に関して、詳細に理解したい場合は、問答1-3及び「如何にして色聚を分析するか」を参照の事。 <注52>=依処を通して名法を識別する時、一つ毎の依処において生起する所の心及び相応する心所を識別しなければならない。例えば、眼識依…

般若の独り言~660万円の幸福

今朝起きてみますと、外はまた雪です。 ここ九州の高原では、7日の午後から雪が降り始め、夜中に外気が0度より下がった為、水道管が凍結して4日たちました。 幸い、寸胴鍋とバケツに汲んでおいた水がまだありますので、後一日、一人分の煮炊きをするだけなら…

翻訳『親知実見』#13-4

<注39>=仏陀の四梵住に対する分析は、《応出離経》(Nīssāraṇīya Sutta)(A. 6.13)と《Mahārāhulovāda Sutta》(M.2.120)、問答2-2、参照の事。 <注40>=《美奇亜経》(Meghiya Sutta)(Ud.31)の中における教え、及びp~~の「結び」、問答7-13参…

翻訳『親知実見』#13-3

<注37>=重厚な定力と、観の修習が原因の光。詳細は「心生色」、問答4-10参照の事。 <注38>=《基瓦芒果林定経》(Jīvakambavanasamādhi Sutta)の中において、仏陀は、六処に基づいて、以下の様に解説している: 「比庫たちよ、定力を育成しなければな…

翻訳『親知実見』#13-2

<注34>=異なった定力に関する言及は、問答3-1を参照の事。 <注35>=入出息念に関しては 「如何にして入出息念を修習するか」を参照の事。 十遍に関しては 「如何にして十遍を修習するか」参照の事。 四界差別に関しては 「如何にして四界差別を修習する…

翻訳『親知実見』#13-1

<#13>シリーズは、中国語原文<P 35~P60>までの、脚注の翻訳です。 <注33>=これは、vipassanāの基礎となるジャーナ(vipassanāpādakajjhāna)と呼ばれる。脚注289を参照の事。多くの經文では、以下の様に言う。 例えば、仏陀は《沙門果経》(Sāmaññaph…

翻訳『親知実見』#12-25

四、完全に四聖諦を証悟する この段階に到ると、あなたは四聖諦を如実に証悟するであろう。そして、それが成し遂げられるのは、すべての必要とされる条件が、完全に整ったが故である。 先の述べた所の《尖頂閣経》(Kūṭāgāra Sutta)の中において、仏陀は、…