Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

2021-03-01から1ヶ月間の記事一覧

翻訳『親知実見』#29-9

如何にして限界を突破するか 継続して、上述の様に慈を修習すると、あなたはあなたの好ましく思い、かつ敬愛し尊敬する者と極めて親愛する人への慈愛が同じレベルになる事を発見するであろう。この時、あなたは、彼らを一つに合わせて、ただ、あなたが好まし…

翻訳『親知実見』#29-8

あなたが好ましく思い、かつ尊敬し、敬愛する一人の人を対象として、慈の修習に成功したならば、もう一人別の、あなたが好ましく思い、かつ尊敬し、敬愛する同性を対象にして修行する。 この様にして、約10名程の、あなたが好ましく思い、かつ尊敬し、敬愛す…

翻訳『親知実見』#29-7

1)この善き人が危難を免れます様に (ayaṃ sappuriso avero hotu) 2)この善き人が心内の痛苦を免れます様に (ayaṃ sappuriso abyāpajjo hotu) 3)この善き人が身体の痛苦を免れます様に (ayaṃ sappuriso anīgho hotu) 4)この善き人が安穏で楽しくあ…

翻訳『親知実見』#29-6

如何にして各種の人々に逐一慈愛を散布するか もし、あなたがすでに、入出息念または白遍第四禅を成就しているのであれば、あなたは、再度第四禅を復習して、禅定の光を輝かせ、明瞭(明亮)にし、燦々とさせる。 特に、白遍第四禅の光明を運用する時、慈の…

翻訳『親知実見』Knowing and Seeing#29-5

故に、己から他人に対して思いやりを寄せる為に、また、あなたの心を柔和で、平和な、善なるものにする為に、先に下記の四種類の方式によって己自身に対して慈を修習するのである。 1)己自身に危険のない様にと祈願する (ahaṃ avero homi) 2)己自身の心…

翻訳『親知実見』#29-4

己自身を所縁として、100年修習しても、ジャーナを証得する事はできない。それなのに、なぜ、修習を始めた最初、己自身に対して慈を修するのか? この修行は、およそ近行定でもよいから、達成しようというものではなく、己自身に慈愛を散布すると言う事は、…

翻訳『親知実見』#29-3

好ましくない人、というのは、あなた又はあなたが気に掛けている人に、有益なことをしない人、を言う。 嫌いな人とは、あなた又はあなたが気に掛けている人に、有害な事をなす人を言う。 修習を始めた最初の頃、この二種類の人間に慈愛を散布するのは非常に…

般若の独り言~クリスマスローズが咲きました

庭のクリスマスローズが咲きました。 園芸の本では、《12月頃から咲く》とありますが、当方寒冷地につき、2,3月に入ってようやく咲き始めました。 去年の秋に、庭をビーバー(電動草刈り機)で、一気に綺麗にしてもらいました。 「あの花も残して、この花も…

翻訳『親知実見』#29-2

如何にして慈を修習するか 慈梵住を修習したいのであれば、先に注意を払わねばならないのは、個別の異性(Liṅgavisabhāga)及び死者(kālakata-puggala)を対象として、慈を修習してはならない、という事である。 単独の異性を所縁としてはならない。という…

翻訳『親知実見』Knowing and Seeing #29-1(138/446)

第三講 如何にして四梵住と四護衛禅を修習するか はじめに 本日、我々は、如何にして四梵住(cattāro brahma-vihārā)と四護衛禅(caturārakkha-bhāvanā)を修習するかについて解説する。 四梵住は: 1)慈(mettā) 2)悲(karuṇā) 3)喜(muditā) 4)捨…

翻訳『親知実見』#28-1

<#28-1>シリーズは、中国語原文P126~P136までの、脚注の翻訳です。 <注117>=ここでは、簡潔な説明をしているが、詳細は「第一聖諦を知見する」p31山椒の事。 <注118>=「表2a:28色法」p223参照の事。 <注119>=〈結論〉p33参照の事。 <注120…

翻訳『親知実見』#27-17

ある日、アーナンダ尊者は、四種類すべての方法で縁起の修習をした後、夕方、仏陀の所へ行って、仏陀に拝見(礼拝して面会する)して、以下の様に言った: 「尊者、稀なるかな! 尊者、未曽有かな! 尊者、この縁起は奥深く、奥の深い相を具している。 しか…

翻訳『親知実見』#27-16

系統的に第五法を修習した後に、第一法を修習する事は、大きな困難を伴わないであろう。故に、我々は、第一法を教導する前に、先に第五法を教導する。 時間が豊富で、かつ更に一歩進んで修行したいという修行者に対しては、我々は、五種類すべての方法を教導…

翻訳『親知実見』Knowing and Seeing #27-15

仏陀は、法を聞く者の根性(資質)に応じて、四種類の縁起の識別法を教導したが、《無礙解道》(Paṭisambhidāmagga)では、もう一つ別の方法を提起している<注131>。 故に合計5種類の方法が存在している。 仏陀の教えた一番目の方法は、正順で縁起を識別…

翻訳『親知実見』#27-14

故に、観の修習をする前、なお、四種類の清浄が存在している。 何故であるか? 観の修習とは、名色及びその因、無常・苦・無我の本質への観照を言う。 いまだ名色とその因を見ないのであれば、それらの無常・苦・無我をどの様に観照せんというのであろうか?…

翻訳『親知実見』#27-13

3)見清浄(Diṭṭhi-visuddhi)、すなわち、名色限定智(Nāma-rūpaparicchedañāṇa)<注128> 4)度疑清浄(Kaṅkhāvitaraṇa-visuddhi)、すなわち、縁摂受智(Paṭicca-samuppāda)であり、言い換えれば、すなわち、己自身で自ら、縁起(paṭicca-samuppāda)を…

翻訳『親知実見』#27-12

問2-3:なぜ、名色法を識別した後、必ず、縁起の第一法と第五法を修行しなければならないのか?<注126> 答2-3:上座部仏教の伝統に基づくならば、七清浄(visuddhi)がある。前の五種類は以下の通り: 1)戒清浄(Sīla-visudhi)。 戒(sīla)には、下記の…

翻訳『親知実見』#27-11

ここに、初診者がよくぶつかる問題がある。 あなたは、慈心を修行した事があるかも知れない。が、しかし、ジャーナを証得する事が出来たであろうか? 実際、もし、禅修行者が同性の誰かに慈愛を届けようとする時、彼は先にその人の微笑を伴った相貌を所縁と…

般若の独り言~パオ森林僧院本山(写真)

恥ずかしながら、冬の間、部屋、散らかっていました・・・ 原因は、九州とは言え、ここは、由布岳の麓にある高原盆地、あまりに毎日寒いので、四角い部屋を丸く掃いておりました(笑)。 最近、ようやく暖かくなってきましたので、断捨離頑張る・・・!!?…

般若の独り言~バックシャン

我が精舎の癒し系ワンちゃん<オハナ>(保護犬、ペキニーズ雄、推定15歳。名前の意味は、ハワイ語で[家族])の後ろ姿、 バックシャン&太り気味 です・・・ あっ、前から見る顔も、可愛いですよ。 特に最近、オハナを見た人、みなさん 『おっ、可愛いねぇ…

翻訳『親知実見』Knowing and Seeing #27-10

《増支部》において、仏陀は、四種類の色遍の中において、白遍が最もよいと(言う)。<注124> 白遍は、禅修行者の心をして、清浄に、明瞭(明亮)にするが、清浄でかつ平静な心は、殊勝であり、また力のあるものである。 もし、禅修行者が、清浄で、諸々の…

翻訳『親知実見』#27-9

ジャーナを証得するまで、慈心を修習する時、最も良いのは、禅修行者がすでに、白遍を修行して、第四禅に到達している事である。 例えば、《応作慈愛経》<注122>の中において、仏陀は、500名の比庫を指導したが、これら比庫は、皆十遍と八定に精通しており…