Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

2021-04-01から1ヶ月間の記事一覧

翻訳『親知実見』#33-12

時節生色 時節生色(utuja rūpa)は、八法聚によって構成されている。それらの食素は、時節生食素(utuja ojā)であり、すべての色聚の中においてかの第三界ーー火界(tejo dhātu)<注174>から源を発している。 すべての色聚の中の、火界は、みな、時節生…

翻訳『親知実見』#33-11

三番目の例は、止・観及び道、果の心である。 これらの心は、非常に純粋、清らかであって、力があり、殊勝なものである。というのも、それらには、汚垢(upakkilesa)がないが故に。 これらの心は多くの代の、純潔で清ら、殊勝な心生色法を生じせしめること…

翻訳『親知実見』Knowing and Seeing #33-10

心生色 心生色(cittaja rūpa)は、八法聚によって構成されている。それらの食素(ojā)は心生食素であり、しかも、心処に依存して生起する所の心によってのみ、生じるのであり、五根門または五依処より生起した心によって生じるのではない。 これ以外に、結…

翻訳『親知実見』#33-9

仏陀はまた言う、 結生の直接的な因は業であるが、しかし、結生が果報になり得るためには、貪愛が欠かせない。 人類が結生する時、人類の生命を生じせしめることのできる色法<注169>の業は善業であるが、しかし、結生自体の発生は、「取」であり、「取」は…

ミャンマー(緬甸)支援のお願い

本日早朝の、インターネット・ニュースで、ミャンマー(緬甸)で、またまた軍部による虐殺が起きた、とありました。 中部バゴーで市民82人死亡・・・ 仏教に篤い国なのになぜ、と問われても、私も言葉もありません。 第二次世界大戦終了直後、「建国の父」と…

般若の独り言~携帯購入しました!

私は昔からパソコン派で、携帯電話に余り興味がありませんでした・・・出家してからは、仕事もしておりませんし、急な連絡、急ぎの用事もほぼないですし。歩いている最中に電話が鳴って、その場で出るのも、気乗りがしない・・・。 ただ、運転が下手なので、…

翻訳『親知実見』33-8

業生色 業生色(kammaja rūpa)は、命根九法聚、及び眼、耳、鼻、舌、身と心と性十法聚を含む。 それらの食素(ojā)は、業生食素(kammaja ojā)である。 業生色の内において、我々は、第二聖諦ーー苦集聖諦ーーの真実の面貌の概略を覗き見ることができる。…

般若の独り言~泰然自若

先日、老人向け体操教室での会話。 90歳のおばあさん(Aさん) 「私、メガネかけなくても、新聞が読めます」 私 「私も、眼鏡なしで、新聞、読めますよ」 もう一人のおばあさん(Bさん) 「90歳のおばあさんが、眼鏡なしで新聞読めるのはすばらしいけれど、7…

翻訳『親知実見』#33-7

色法の四種類の生因色法の基本的な構成の説明を終えた。今、我々は、四界差別を修習する時に、同じ様に識別しなければならない色法の生起の因について、大まかな説明を行う。 色法には、四種類の生起の因がある: 業、心、時節(季節)と食である; または、…

翻訳』『親知実見』#33-6

3)性十法聚は全身に分布している。その中の十番目の色法が性色(bhāva)である。 二種類の性色がある:<注166> ⅰ)男性色(purisabhāva):それは、男性の生理の特徴を表現し、人をして「これは男性である」と知らしめる。 男性色は、男性にのみ、見られ…

翻訳『親知実見』Knowing and Seeing #33-5

1)眼(目)、耳、鼻、舌と身十法聚は、それぞれの感官の内部に分布しており、十番目の浄色(pasāda-rūpa)は、すなわち、それぞれの依処である。 五種類の色依処(vatthu)(眼、耳、鼻、舌と身処)はまた、五種類の色根門(dvāra)<注161>でもある。 2)…

般若の独り言~機嫌よく生きる

もし、人に、 「あなたは何を目的に、それほど熱心に仏教を学ぶのですか?」 と聞かれたら、私は 「今生を、機嫌よく生きたいから」 と答えたいと思います。 私は子供の頃から仏教が好きでしたが、では一体、 【ゴータマ仏陀は何を教えたのか?】 という、仏…

翻訳『親知実見』#33-4

二番目の色聚は、上記の八種類の、基本的な色法(八不離色)と、九番目の命根(jīvitindriya)を含むものである。 九種類の色法を含むため、この類の色聚は、九法聚(navaka kalāpa)呼ばれる; また、九番目が命根である為、命根九法聚(jīvita-navaka-kalā…

翻訳『親知実見』#33-3

三種類の色聚の中の色法 一番目の色聚は、四界(catudhātu)を含む、すなわち、四大種(mahā-bhūtā)、及び四種類の所造色(upādārūpa)<注157>で、合計八種類の色法となる: 1)地界(pathavīdhātu) 2)水界(āpodhātu) 3)火界(tejodhātu) 4)風界(vāy…

般若の独り言~坐骨神経痛と安般念

一か月程前、臀部に鈍い痛みが・・・。 痛みは少々で、無視していた所、二週間後、朝、目が覚めて、起き上がるために寝返りを打とうと、足を高く上げた所、臀部から踵まで、足の裏側全体に、激痛が走りました。 最初は「こむら返りかな」と思いましたが、二…

翻訳『親知実見』#33-2

三種類の色聚 上に述べた通り、物質現象は、すべて色聚によって構成され、成り立っているが、それらは基本的に、以下の三種類に分類することができる: 1)八法聚(aṭṭhaka):最も基本的な八種類の色法を(八不離色)を含む。 2)九法聚(navaka):八不離…

翻訳『親知実見』Knowing and Seeing#33-1

第四講 如何にして色法を識別するか はじめに 本日、我々は、色業処(rūpakammaṭṭhāna)について、説明するが、それはすなわち、四界差別(catudhātuvavatthāna)及び異なる種類の究極色法(paramattharūpa)の識別(方法)の説明でもある。 色法は、五取蘊…

翻訳『親知実見』#32-1

<#32-1>シリーズは、中国語原文P141~P175までの、脚注の翻訳です。 <注141>=八定:四種類の色界ジャーナと、四種類の無色ジャーナ。 <注142>=この点に関しては、問4-6、P242参照の事。 <注143>=禅相と想に関する具体的な関連性は、p73を参照の…

翻訳『親知実見』#31-21

問3-13:世間禅(lokiya jhāna)と出世間禅(lokuttara jhāna)は、どの様に違いますか? 答3-13:世間ジャーナは、四種類の色界禅と四種類の無色界禅(arūpāvacarajhāna)を指し、それはすなわち、八定(samāpatti)である。 出世間ジャーナは、道智と果智に…

翻訳『親知実見』#31-20

無色界地(arūpāvacarabhūmi)において、有分心は、わずか二種類の業相を所縁としており、上記と同じく、業または趣相ではありえない。 空無辺処の衆生の有分心は、無辺の虚空を所縁としており、無所有処の衆生は、空無辺処禅心の不存在を所縁としているーー…

翻訳『親知実見』#31-19

色界地(rūpavacarabhūmi)において、有分は、唯一、業相を所縁としており、業または趣相では有り得ない。色界の衆生の有分心は、色界果報禅心(rūpāvacaravipākajhāna)というが、というのも、それは、前の一世の臨終の時の、禅定が成就した(結果としての…

翻訳『親知実見』#31-19

問3-12:有分心は、どの様に、欲界地、色界地、無色界地と出世間地において、作用しますか? 出来れば、セヤドーに例を挙げて説明して頂きたい。 <注151> 答3-12:有分心の、前の三界<注152>における作用は、皆同じであり、それは、一期の生命の中における…

翻訳『親知実見』#31-17

問3-11:我々が第四禅に到達して、無明(avijjā) <注150>を取り除く以前、過去の悪い習慣によって、非常に多くの不善の思いが生起すします。 例えば、(リトリートの期間以外の)日常生活の中において、貪愛と憤怒が常に沸き起こります。 我々は、不浄(a…

翻訳『親知実見』#31-16

問3-10:四界差別の修行は、禅修行者の身体の四界をバランスすることができるが、しかし、人は、四界のバランスを失って、病気になる事があります。善修行者が病気である時、強くて力のある正念でもって、四界差別を修行して、病気を治すことはできますか? …

翻訳『親知実見』Knowing and Seeing #31-15

問3-9:四界差別の修習において、12種類の特徴を識別する時、必ず、硬さ、粗さ、重さという順番を守って修行しなければならないのでしょうか?禅修行者は、その他の、任意の一種類の特徴を選んで、修行を開始してもよいですか? 答3-9:修行を始めたばかりの…

翻訳『親知実見』#31-14

何故、諸々の行法が、彼の心中に、明晰に顕現するのか? それは、前の一世の生において、人であった時の臨終速行心と、それに緊密に密接している天人の生命の有分心は、同じ所縁を縁に取るが故、であり、この様な状況は、諸々の行法の無常・苦・無我の本質な…

般若の独り言~タケノコご飯

昨日、老人向け体操教室にて、タケノコを頂きました。 会員の方の、自宅の庭に生えいるそうです。 日本の方々は、季節に敏感で(私は日本生まれの台湾人)、 「今年の桜は咲くのが早い」 「タケノコも出るのが早い、早すぎる」 などなど、ご意見、喧々諤々、…

翻訳『親知実見』#31-13

この種の禅修行者が、未来世(来世)において、天人に生まれ変わった後に、獲得することのできる利益に関しては、仏陀が《増支部・四集・入耳経》(Sotānugata Sutta)の中において、以下の様に言う: ”So muṭṭhassati<注147> kālaṃ kurumāno aññataraṃ de…

翻訳『親知実見』#31-12(170/446)

問3-8:臨終の時、もし、一人の人間に、非常に強い正念のある時、彼は過去の、善・悪業の業相(kammanimitta)が生起するのを避ける事ができますか?<注146> 答3-8:強くて力のある正念は、この種の業相が生起するのを防ぐことができる。しかし、何をもって…

翻訳『親知実見』#31-11

問3-6:一人の人間の臨終の時、過去になした善業または不善業が原因で、業相が生起する。この種の現象は、禅修行の実践の最中に、久しく忘れていた想い出の映像が出現するのと、同じでしょうか? 答3-6:それらは、相似している場合もあるが、それは、極めて…