Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

2021-05-01から1ヶ月間の記事一覧

翻訳『親知実見』#35-26

問4-9:入出息念(ānāpānassati)の修行方法と四界差別は、同じですか?我々は、どうして、入出息念の修行の後に、四界差別の修行を開始するのですか? 答4-9:違います。この二種類の方法は、同じではない。観の修習においては、名法、色法及びそれらの因を識…

般若の独り言~翻訳者冥利

去年の12月から始めました 『親知実見』 の翻訳、なんとか、60%くらいまで来ました。 半分過ぎると、少しほっとします。 本日5月18日に翻訳しました 『親知実見』 中国語原文P 249に、 【慧解脱とは、純観阿羅漢の事】とありまして、早速、 タグ付けしてお…

翻訳『親知実見』Knowing and Seeing#35-25(250/446)

問4-8:中陰身(antarabhava)とは何ですか? 答4-8:上座部仏教の三蔵に基づくと、所謂、中陰身というものは、ない。 死亡心(cuti-citta)及び、それに緊密に続く所の、結生心(paṭisndhi-citta)の間には、如何なる心識刹那または、所謂中陰の類の状態<…

翻訳『親知実見』#35-24

問4-7:仏陀は大阿羅漢です。では、仏陀とその他の阿羅漢弟子、例えばシャーリプトラ尊者とマハーモッガラーナ尊者とは、どの様に違いますか? 答4-7:仏陀の阿羅漢道は、必ず、一切知智(Sabbaññuta-ñāṇa)と相応している。 しかし、弟子の阿羅漢道は、その…

蟻の一穴(【仏教徒】様へ)

私のブログ 「歌舞音曲戒律違反について」に関しまして、 【仏教徒】様より、お返事のコメントを頂きましたので、当該の欄に公開致しました。 確かに、戒律は、[これくらい、いいだろう]、という小さな気の緩みから、大きく綻んでいくもの、というご指摘は…

翻訳『親知実見』#35-23

その後、ある日の事、仏陀は、シャーリプトラ尊者の甥に《長爪経》(Dīghanakha Sutta)を教えていた時、一種の法を説明した:受(vadanā)である。 シャーリプトラ尊者は、その時、ゴータマ仏陀の後ろに立って、彼の為に扇子を揺らしながら、仏陀の説法を聞…

翻訳『親知実見』#35-22

《第一不遍知経》(Paṭhama aparijānana Sutta)と 《尖頂閣経》(Kūṭāgāra Sutta)という、この二つの経文の教えは非常に重要である。 故に、もし、禅修行者が、受念処から、観の修習を始めたいのならば、彼は、以下の二点をしっかりと覚えておかねばならな…

翻訳『親知実見』#35-21

三種類の遍知とは何か?それらは: 1)知遍知(ñāta-pariññā):すなわち、 名色限定智(Nāmarūpa-pariccheda-ñāṇa)と、 縁摂受智(Paccayapariggaha-ñāṇa)である。 それらは、一切の究極名色法及びその因を了知する所の、観智である。 2)審察遍知(tīraṇ…

翻訳『親知実見』#Knowing and Seeing#35-20

もし、禅修行者がただ感受をのみ観照したいと思うならば、彼は、仏陀が述べた以下の事実に注意を払わねばならない: ”Sabbaṃ bhikkhave、 anabhijānaṃ aparijānaṃ avirājayṃ appajahaṃ abhabbo dukkhakkhayāya. Sabbañca kho、 bhikkhave、abhijānaṃ parijān…

翻訳『親知実見』#35-19

しかし、仏陀は《相応部・蘊相応・定経》の中において、以下の様に言う:<注244> ”Samādhiṃ、bhikkhave、 bhāvetha. Samāhito、 bhikkhave、bhikkhu、 yathābhūtaṃ pajānati.” 「比庫たちよ。 定を修習しなければならない。 比庫たちよ。 定力のある比庫は…

般若の独り言~タイカレー

近くの町に、業〇スーパーが新規開店しました。 早速、お買い物に・・・ 当スーパーの母胎は、輸入商社ですから、販売されている商品は、外国製の食品が多いのですが、私のお目当ては、タイカレーのペーストです。 40年前、テーラワーダ仏教を学びたくて、タ…

般若の独り言~刹那定に乾杯!

私は、ゴータマ仏陀の遺された教え、<三蔵>(経・論・律)の中、どちらかというと、経よりも、論(アビダンマ)が好きです。 アビダンマは、無常・苦・無我、色聚、色法、名法、 五(取)蘊、速行心、五門転向等など、身体と心に関する法(真理)が、簡潔に…

翻訳『親知実見』#35-18

次に、我々は観禅における刹那定について、説明する。 この事は《清浄之道・入出息》の一節において、解説されている<注234>。 ここにおいて、あなたは、観刹那定とは、究極名色法及び、その因の無常・苦・無我の本質を、徹底的に照見するものである、とい…

翻訳『親知実見』#35-17

1)個別の色聚の中の四界を見る事、それはすなわち、究極色法(paramattharūpa)を見ることであるが、(修行者が)究極色法を見ることができるという事は、甚だ深く、微妙な事柄である。 (しかし)彼は、究極法を所縁として、ジャーナを証得する事はできな…

翻訳『親知実見』#35-16

問4-5:禅修行者は、近行定<注239>に近づくことによってだけでも、出世間の成就<注240>に到達する事ができますか? 答4-5:可能である。近行定にも、明瞭(明亮)で、光輝く、燦爛とした光明があり、この光を借りて、彼は、色聚、色法、究極名法及びそれ…

翻訳『親知実見』Knowing and Seeing #35-15

問4-4:課程を完成させた禅修行者で、いまだ涅槃を証悟できていない者は、法住智(Dhammaṭṭiti-ñāṇa)を得ることができますか? もし可能であるとして、この種の智慧は、退失する事がありますか? 答4-4: ええ、彼は、法住智を証得する事はできる。 ”Pubbe kh…

翻訳『親知実見』#35-14

小入流(小ヨルカ)が、天界に生まれ変わって後、迅速に涅槃を証悟する例は、沙門天子(Samaṇa-Devaputta)の物語に詳しい<注235>。 彼は、曾ては、一人の、止観の修習に精進していた比庫であったが、彼は修行中に死亡して、かつ天界に往生した。 彼は、自…

小入流(小ヨルカ)について

大分前のことですが、パオ・メソッドに興味のある日本の方から、 「パオ森林僧院には、多くの小ヨルカ(cūḷasotāpanna)がいると聞くが、それは本当か?」 という質問を、頂いた事があります。 20年前の、私の体験に基づいて、以下、説明します (情報が少々…

翻訳『親知実見』#35-13

1)もし、小ヨルカが、天界に生まれた後、即刻、仏法を思惟するならば、その観智によって、明晰に法を見ることができ、かつ、迅速に涅槃を証悟することができる。 2)もし、彼が、観智でもって法を思惟することのないまま、涅槃を証悟する場合、それは、神通…

翻訳『親知実見』#35-12

3)普通弟子においては、もし、彼が、止観の修習を通して、 縁摂受智(Paccayapariggaha-ñāṇa)、または 生滅智(Udayabbaya-ñāṇa)、または 行捨智(Saṅkhārupekkhā-ñāṇa)に到達するならば、今生において、何等の道果をも証悟できないとしても、彼は死後、…

翻訳『親知実見』#35-11

これらのハラミツを円満する必要がある、その理由は、一切知智(Sabbaññuta-ñāṇa)を成就する為である。 しかし、彼のハラミツが熟する前、すなわち、授記を得た後、シッダッタ太子として生まれる間の期間、それ以前に造(ナ)した所の不善業の為に、我々の…

歌舞音曲戒律違反について

本日(5月15日)、私のブログにおいて、 【最近、携帯電話を利用して、youtubeでハワイのフラ(古典フラ)を見ている】と書きました所(題名『ハワイのフラ(カネ・カヒコ)』)、 早速 ブログの読者さまの 【仏教徒】様より、ご意見、ご批判を頂きました(…

般若の独り言~ハワイのフラ(カネ・カヒコ)

携帯電話を手に入れてから、一月ほどになりました(注1)。 携帯の名義は次男で、先日次男から 『1ギガ使った?』 と問い合わせがきました。 1ギガ以上使っても、費用は発生しませんが、一応、 ご注意!ご注進! という事らしいです。 2週間ほどで、1ギガ使…

般若の独り言~黄色の蔓バラ

黄色蔓バラ3輪。 本日お披露目のバラは 大きく育った黄色の蔓バラから切り取った、3輪 (名前失念)。 当精舎に植えてあります黄色のバラには他に、マルコポーロ、ヘンリーフォンダ、などがありますが、これらは木立バラになります。 黄色のバラは、高芯剣咲…

翻訳『親知実見』Knowing and Seeing#35-10

次の、四つの不可数(asaṅkhyeyya)及び10万大劫(kappa)の期間、すなわち、燃灯仏の時代から、カッサバ仏の時代まで、我々の菩薩は、9生において、仏陀の教導の下において、出家し比庫となった。毎回の人生において、比庫となった時、我々の菩薩は、7種類…

翻訳『親知実見』#35-9

彼は、この様に、彼らに対して、教誡と警告をなした。 彼の言動に啓発・激励されて、30名の比庫は、悚懼感(恐怖心)を覚え、その場所に立ったまま、止観の修習を実践して、かつ、阿羅漢を証悟した。 こうした事から、止観は、放逸(pamāda)が原因で退失す…

翻訳『親知実見』#35-8

サーマネラたちは、彼を見た後、お互いを馬鹿にする様に笑い合った: 「あれは君の父親、あれは君の祖父、あれは君の伯父さん!」 彼らは、歩きながら、笑った。 彼らは訊ねた:「居士の方、あなたの名前は?」 この様に聞かれた男性は、懊悩を感じて、背中…

般若の独り言~パリジェンヌ

九州にいてもパリジェンヌ 九州の片田舎の小さな庭で、ピンク色のバラが咲きました、その名も 【パリジェンヌ】。 幾重にも、重厚な花びらを持つバラは、咲くと美しいですが、咲くまでに花びらが開ききらずに、虫に食われたりします。 上記写真は、綺麗に咲…

翻訳『親知実見』#35-7

問4-3:もし、禅修行者が、修習の課程を完成させたものの、なお、道智と果智を証悟していない時に、彼の定力が退失したならば、観智もまた退失しますか? 死後、彼は悪趣(apāya)に生まれますか? 答4-3:彼の観智は、退失するかもしれない。が、しかし、この…

翻訳『親知実見』#35-6

四無礙解を成就するには、五種類の因<注224>がある; 1)証得(adhigama):すなわち、阿羅漢果を証悟する事、またはその他の何かの道果(の証得); 2)経教(pariyatti):すなわち、経典の教理の学習; 3)聴聞(savana);法義に対して、専注し、尊敬の…