南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

2021-01-01から1年間の記事一覧

般若の独り言~虹君は甘えん坊

虹君(保護犬・トイプードル・2歳半)が、我が精舎に来て、4か月弱が経ちました。 近所の犬の美容院で 「先代のオハナも可愛かったけれど、虹君も可愛い」 と言いましたら、傍にいた、大型犬を連れた奥様が 「誰も、自分チの犬が一番かわいいの。親ばかよね…

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(3-110)(私家版)

似相は、通常、非常に安定している。 もしそれが、白色、赤色、黄色等々に変化するならば、それは、あなたの起心動念が、色彩の変化を引き起こしたのである。 心の力は、非常に強力であり、心は、定力によって、禅相を生じる事ができるだけでなく、禅相を変…

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(3-109)(私家版)

身体の横または後ろ側に出現する光は、禅相ではない。 禅相は、呼吸と共に生じ、呼吸と共にあるものである。 もし、光が呼吸から非常に遠い時、それは禅相ではありえず、純粋に、ただの光である。 禅相は、必ず呼吸と結合していなければならず、必ず鼻孔から…

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(3-108)(私家版)

安般念を修行する時、呼吸を所縁として取る。自然に呼吸して、特別に作意してはならない。 あなたは、経を聞くとき、呼吸をしていますか? 呼吸している! その時、特別に力をこめて呼吸していますか? 否! この方式で、呼吸の観察をするのが正しい。 その…

般若の独り言~からくり人形

40年前、テーラワーダ(原始仏教)を学びに、タイの森林僧院に通っていた頃、その森林僧院の住職さんから、こういわれました。 「人間は、一軒の、窓が五つある家に住んで、その家の中を飛び回りながら、時々、窓から外を見ている猿の様なもの」 私は、その…

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(3-107)(私家版)

ここでは、安般念を例にして、如何にして、修習を通して、初禅に到達するかを説明する。 「安般念」のパーリ語は「ānāpāna sati」である。 所縁は呼吸で、sati は正念の事である。 故に、(安般念は)正念を呼吸の上に置いて、自然に呼吸する。 正念とは、純…

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(3-106)(私家版)

五個の色界善心は、みな、ジャーナ心である。 初禅、二禅、三禅、四禅、五禅に到達する為には、必ず、止禅を修習しなければならない。 禅の修習は、二種類しかない。 一つは、止禅で、一つは、観禅である。 止禅には、40種類の業処がある。 ある種の業処は、…

般若の独り言~クリスマス狂騒曲

私は、TVを持っておらず、当然、ドラマなどを、見る事はないけれど、ラジオは時々聞きます。 この一週間、ラジオは、クリスマス、クリスマスと、うるさいこと、うるさいこと。 私が子供時代を過ごした実家は神戸にありますが、その家の周辺に何軒かの西洋…

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(3-105)(私家版)

なぜ、五禅が存在するのか? 経蔵によると、ジャーナは、四つの法に分ける事ができる; 論蔵によると、ジャ-ナは、五つの法に分ける事ができる。 通常、第一禅:尋・伺・喜・楽・一境性具初禅心は、共通である; ある種の禅修行者は、二禅に入る時、尋と伺…

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(3-104)(私家版)

五個の色界善心 我々は、先に、色界善心(5)について、解説する。 色界善心は、三種類の善因を含むーー 無貪・無瞋・無痴。 五個の色界善心とは: 1、尋・伺・喜・楽・一境性具初禅善心。 2、伺・喜・楽・一境性具第二禅善心。 3、喜・楽・一境性具第三禅善…

般若の独り言~忍辱

楽しいはずの、クリスマスの雰囲気が、一気に、吹き飛んでしまいました。 才能ある、若くて美しい女優さんが一人、札幌のホテルで、亡くなられました。 どんなに苦しい事があっても、死んではいけない・・・ 未来ある、若い方々に、私はそう言いたいです。 …

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(3-103)(私家版)

15色界心 89種類の心識に関して、我々は、すでに、欲界心(54)について(の説明を終えた)。 今、色界心(15)に関する説明を開始する。 所謂、色界心とは、ジャーナ心の事か、または、16個の色界地で活動する所の、心の事である。 合計、15個あり、それぞ…

★『教海覚舟』<教えの海悟りの舟>(6-6)(私家版)

彼の父王は、菩薩が、口がきけないし、その上、灌頂式典においても、まっすぐに立っていられないのを見て、彼に対して、非常に失望し、この不祥(不肖)の人は、宮廷に悪運を齎すと考え、御夫の善喜に、王子を森に連れて行って生き埋めにする様に命令した。 …

★『教海覚舟』<教えの海悟りの舟>(6-5)(私家版)

王室は、不善を除去する地ではなく、反対に、不善と煩悩を増殖させる場所である。 大多数の人々は、国王になった後、非常に多くの悪行を行い、その結果、地獄に生まれる事になるが、普通の人々にとっては、なおさらである。 《徳米亜本生経》は、以下の様に…

般若の独り言~落ち着けサヤレー

私はこれまで、WEB上で、 「おちつけ!俺」 という文章表現を見て、それをあまり好ましいとは、思いませんでした。 (理由はよく分かりませんが、<俺>が、<俺様> を連想させるからかも知れません) ところが、先日、まさに 「落ち着け!サヤレー」 の事態に…

★『教海覚舟』<教えの海悟りの舟>(6-4)(私家版)

僧人は、非常に多くの、戒律を修し、持する機会を有している。 輪廻に沈潜する過患と、涅槃の殊勝を見て、”家” とは、修法の障碍となるものであり、煩悩が生じ、増殖する港湾であり、出家こそが、法の修習にとって利益あるものと認識され、智者は、決然とし…

★『教海覚舟』<教えの海悟りの舟>(6-3)(私家版)

もし、これらの要求を、満足せしめる事ができないのならば、在家の生活は過ごしがたい。 在家の人々は、俗事に絡まれて身辺から離れず、持戒する時間、禅修行する時間が持てない為、心の清浄を保持するのは、非常に困難である。 在家者が、いくつかの戒の条…

★『教海覚舟』<教えの海悟りの舟>(6-2)(私家版)

貪などの煩悩の累積が原因で、衆生は、輪廻に巻き込まれて、涅槃に到達する事ができない。 これらの煩悩を除去して、浄化を獲得する方法とは、すなわち、己自身の中において、戒・定・慧を打ち立て、かつ、(精神の)向上に深く(努める事である)。 在家の…

★『教海覚舟』<教えの海悟りの舟>(6-1)(私家版)

聖教の門に入る 世尊、円満者、正自覚者に礼拝します! 正自覚者、世尊、円満者(旧訳:如来)は、輪囲世間全体における、すべての衆生への、無上の憐憫の為、衆生が、再再の生、老、病、死の苦、及び、不善をなすことによって引き起こされる悪道の苦を、断…

★『教海覚舟』<教えの海悟りの舟>(5-21)(私家版)

もし、現代の僧人が、この本《教海覚舟ーー上座部出家律儀要略》を順守することができたならば、何の疑いもなく、当今の世界において、非常に多くの優秀な僧人が出現するに違いない。 我々がこの書を編纂するにおいて: ”すべての比丘がこれらを受け入れる”…

★『教海覚舟』<教えの海悟りの舟>(5-20)(私家版)

世界は、ひたすら、変化し続けている。 そうであれは、一個の、変化し続けている世界の中において、仏法が変化しないままでいられる場所など、どこにあるのであろうか? 当然、仏教もまた、世界の変化と共に変化し、最後には生滅する。 それを阻止できる人も…

般若の独り言~虹君が夢に出てきて

私は、ユング心理学の第一人者であります、 故河合隼雄先生が好きで、若い頃、よく彼の著書を読みました。 一番影響を受けたのは『宗教と科学』、 次が『明恵夢に生きる』です。 特に前者は、仏教が大好きながら、もし、それが迷信であれば、それを信じて行…

★『教海覚舟』<教えの海悟りの舟>(5-19)(私家版)

すでに、如来がこの様に言っているのに、ある種の仏教徒は、今なお、僧人に戒律を順守せしめる為に、強制的な条項、規約でもって縛りつけ、教法を浄化しようと考えている。 しかしながら、信心(=仏法への確信)に欠けており、かつ、(仏法に)従う事に甘ん…

★『教海覚舟』<教えの海悟りの舟>(5-18)(私家版)

しかしながら、すべての人々の心中に、法の根を植える事は不可能である。 まさに、水が、蓮の葉を濡らすことができない様に、たとえ(あなたが)、絶え間なく仏法の説明をして、仏法を勧めても、ある種の人々は、どうしても法と相応する事が出来ない。彼らは…

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(3-102)(私家版)

仏陀は、あるとき、アーナンダ尊者と外出し、一組の乞食(こじき)が乞食(こつじき)しているのに出会い、仏陀はそっと微笑んだ。 アーナンダ尊者は訊ねた: 「世尊、あなたは何を微笑っているのですか?」 仏陀は答えて言う: 「アーナンダ。あなたは、あ…

般若の独り言~方円考

今朝は大変に寒く、アンカを入れた布団から、全然出られないので、布団の中で、少しばかり考え事をしました。 若い頃読んだ禅宗系の本(日本語)に、 「心は、水の様に、方円に従うのがよい」と書いてあり、その細かい説明もありましたが、私はなかなか、納…

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(3-101)(私家版)

阿羅漢生笑心の作用とは、阿羅漢をして、欲界の事・物に対して、微笑を生じせしめる、という所にある。 彼の笑いとは、ただ唇を少しばかり動かすだけ、である。我々の様に、大口を開いて笑ったりしない。 ある時、神通第一のモッガラーナ尊者がラッカナ比丘…

般若の独り言~行って、来い

世に《パオ・メソッド》という名の修行方法があります。 これを考案した緬甸パオ森林僧院の住職、パオ・セヤドーは、 「これは、ゴータマ仏陀の残した修行方法を、私が再発見し、再編成しただけであって、私が発明したのではないので、<パオ・メソッド>と…

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(3-100)(私家版)

2、捨具意門転向心: 「意門心路過程」の章節において、更に一歩進んで、意門転向心の説明をする。 3、悦具阿羅漢生笑心: この心こそ、阿羅漢に属する心である。凡夫にはない。 ソータパナ、サカダーガーミ、アナーガーミなどの有学聖者の心中に生起する事…

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(3-99)(私家版)

1、捨具五門転向心: 色塵が眼根を衝撃する時、最初に生起する所の心は、 「捨具五門転向心」という。 目標に転向した後、心は、即刻滅し去る。 衝撃したばかりの時は、いまだ目標が何であるかを明確にできない為、悦具は生起する事ができないし、また、憂具…