Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

2022-01-13から1日間の記事一覧

★『教海覚舟』<教えの海悟りの舟>(8-8)(私家版)

この様にして、世の中に、如来を含めて、合計61人の阿羅漢が出現した。 ある日、仏陀は、60人の阿羅漢に以下の様に告げた: ”比丘たちよ。 私は已に、すべての執着を、断じ除いた。 あなた方もまた、已に、すべての執着を、断じ除いた。 比丘たちよ。 人々の…

★『教海覚舟』<教えの海悟りの舟>(8-7)(私家版)

如来が口頭で、”善来比丘”と述べて、貴族の子であるヤサ(Yasa)を出家させた。 その後、彼の四人の友人、 離垢(Vimala)、 善臂(Sūbahu)、 満勝(Punnaji)、 牛王(Gavampati)、及びそのほかの、50人の、出身が商人階級の名門である所の、友人もまた、…

★『教海覚舟』<教えの海悟りの舟>(8-6)(私家版)

コーンダンニャ隠士は、アーサーラ月の満月の日に出家した後、如来の説法を聞いて、入流道果を体験証悟した。 同様に、隠士のワッパは、二日目に、仏陀の膝下において出家し、隠士バッディヤは、三日目に出家し、マハーナーマ隠士は、四日目に出家し、アッサ…

★『教海覚舟』<教えの海悟りの舟>(8-5)(私家版)

出家と具足戒の受戒に関する、もう一つの言い方は、 ”Ehi bhikkhu pabbajja” ”善来比丘出家。” (善く来たれ。比丘として出家せよ)と、 ”Ehi bhikkhu upasampadā” ”善来比丘受具足戒。” (善く来たれ、比丘として、具足戒を受けよ) である。 唯一、正自覚…

★『教海覚舟』<教えの海悟りの舟>(8-4)(私家版)

コーンダンニャは、刹那に、まるで奇跡の様に、隠士の姿が脱げ落ちて、自然に、大長老の威儀が現れた。 身体には袈裟を纏い、手には托鉢用の鉢を持ち、まるで出家して、60余年の長老の様であった。 仏陀は、ただ口頭で、 ”Ehi bhikkhu” という、最初の偈頌を…

★『教海覚舟』<教えの海悟りの舟>(8-3)(私家版)

隠士コーンダンニャと、その他の8億4000万の天神、梵天神は、開示をば、心を込めて聞いて、その後に証悟した。 その後、彼は、仏陀の面前に来て、出家してかつ具足戒を受けたい旨、申し出た(upasampadā)。 如来は、口をついて以下の様に言った: ”Ehi bhi…

★『教海覚舟』<教えの海悟りの舟>(8-2)(私家版)

仏陀は真っ先に、《転法輪経》を宣言、開示した。 その聴衆は、以下の、5人の隠士である所の、 コーンダンニャ(koṇḍañña)、 ワッパ(vappa)、 バッディヤ(Bhaddiya)、 マハーナーマ(Mahānāma)、 アッサジ(Assaji)と、 一万輪囲世界の天神、梵天神で…

★『教海覚舟』<教えの海悟りの舟>(8-1)(私家版)

出家の始め 自覚者(己一人で悟りし者)、 世尊、円満者に礼拝! 我々の正自覚者は、一切の天神と人類等、世間的衆生の幸福の為に、エサーカ(esākha<ママ>、五月)の満月の日に証悟し、五種類の魔(māra、心の雑染)に打ち勝った。 証悟の後の第8週、仏陀…

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(3-148)(私家版)

これこそが、果心の作用である。 例えば、ある人が、体に火が着いたとして、熱くてたまらない。この時、清涼な水をバケツ一杯、彼に向けて浴びせたならば、彼は、炎の中から解脱する事ができた、と思い、非常な清涼を感じるであろう。 火とは、煩悩であり、…

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(3-147)(私家版)

修行の目的は、煩悩を断じ除く事である。 煩悩は、一切の痛苦の源である。 貪・瞋・痴は、煩悩を齎すが、それには非常に大きな(悪い)果報が伴う。 しかし、一たび、煩悩を取り除けば、(痛苦から)解脱する事ができる。 故に、修行の最終的な目的は、ソー…

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(3-146)(私家版)

例えば、あなた方が、今日、布施をしたとする。 それは、即刻果報を齎す、ということはない。 もしかしたら、今生においても、果報を得られず、次の世まで待たねばならない、かも知れない。 次の世において行った布施の善業は、即刻、果報を生じることはなく…

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(3-145)(私家版)

法には、六種類の功徳がある。 その内の一個は、「akaliko」--無間の、すなわち、時間的隔離のないもの、というのがある。 ソータパナ道心が生起するやいなや、それはすぐに滅し去る。 ソータパナ道心は、善心であるが故に、即刻、果報が生じる。 それは、…

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(3-144)(私家版)

uttara とは、超越の事。 故に、lokuttaracittāni の意味は、五取蘊によって構成された心を超越する、という意味になり、それを出世間心と呼ぶ。 この心は、生死輪廻から解脱する事、すなわち、涅槃に証入する、苦の止息に導く。 出世間心は、合計8種類ある…

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(3-143)(私家版)

八個の出世間心 次に8個の出世間心(lokuttaracittāni)(の解説)に進む。 パーリ語「lokuttara」は、二個の語句から構成されている。 loka と uttara である。 loka の意味は世間、であるが、ここで言う所の世間とは、通常認識されている所の世間ではなく…

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(3-142)(私家版)

15個の色界心と12個の無色界心全体は、総称して「広大心」(mahaggatacitta)と呼ぶ。 すなわち、殊勝であり、優越しており、高尚なる心である事を意味する。 というのも、それらは已に、諸々の蓋を離れているからであるが、それはすなわち、五蓋を離れてい…