Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

2022-01-01から1ヶ月間の記事一覧

般若の独り言~般若心経とアビダンマ論

先日のブログ(2022年1月27日)で、 【般若心経】というお題で、駄文を書かせて頂きました。 この時は、主に、 <空(クウ)> に関する説明をしたのですが、私が、「般若心経」を初めて読んだ時、子供なりに、一番、心に残ったのは 《顛倒夢想》《心無罣礙…

★『教海覚舟』<教えの海悟りの舟>(11-7)(私家版)

”三帰依具足戒” に取って代わったのは、 ”白四羯磨具足戒”である。 (すなわち、動議を一回念誦し、その後に、三回、サンガが同意するかどうかを、諮問し、異議のない時、(審査を)通過する)。 剃髪得度の流れ自体には、変更がない為、三帰依を 通して、出…

★『教海覚舟』<教えの海悟りの舟>(11-6)(私家版)

”Ya sā、 bhikkhave、 mayā tīni saraṇagamanehi upasampadā anuññātā、 taṃ ajjatagge paṭikkhipāmi. Anujānāmi、 bhikkhuve、 ñatticatutthnena kammena upasampādetuṃ.” ”比丘たちよ! 以前、私は三帰依をもって、具足戒としたが、今日よりこれを破棄す…

★『教海覚舟』<教えの海悟りの舟>(11-5)(私家版)

仏陀の教法における早期の時代、ただ三宝に帰依しさえすれば、出家し、かつ具足戒を受けたものである、と認められた。 比丘の数が激増するにつれて、また、仏教自身の発展に鑑みて、仏陀は、ただ三帰依だけで、具足戒(の受戒)が完了するという、(簡易な)…

★『教海覚舟』<教えの海悟りの舟>(11-4)(私家版)

”比丘たちよ。 この様に、剃髪得度、せしめるべきである。 この様に、具足戒を、受けさせるべきである; 先に剃髪し、髭を剃り、袈裟を羽織り、 片方の肩に、一重の上衣を、偏袒にして、 蹲踞して座り、合掌せしめて、 以下の様に、誦えさせる; ’私は仏に帰…

★『教海覚舟』<教えの海悟りの舟>(11-3)(私家版)

tatiyampi buddhaṃ saraṇaṃ gacchāmi、 tatiyampi dhammaṃ saraṇaṃ gacchāmi、 tatiyampi saṅghaṃ saraṇaṃ gacchāmī'ti、 bhikkhave、imehi tīhi saraṇa gamanehi pabbajjaṃ upasampada’nti.””(注1) (注1)《律蔵・大品・大犍度》から抜粋。 (11-4につ…

★『教海覚舟』<教えの海悟りの舟>(11-2)(私家版)

’buddhaṃ saraṇaṃ gacchāmi、 dhammaṃ saraṇaṃ gacchāmi、 saṅghaṃ saraṇaṃ gacchāmi; dutiyampi buddhaṃ saraṇaṃ gacchāmi、 dutiyampi dhammaṃ saraṇaṃ gacchāmi、 dutiyampi saṅghaṃ saraṇaṃ gacchāmi; (11-3につづく) <願以此法布施功徳、早日証得涅…

般若の独り言~般若心経

先日所用で、近所の喫茶店でお茶していましたら、偶然、顔見知りの女性と会いました。 彼女曰く 「般若心経(注1)というお経、持っているだけで幸せになりますか?」 私 「いやいやいや。それは無理でしょ。 少なくとも、書かれてある内容を理解して、毎日…

★『教海覚舟』<教えの海悟りの舟>(11-1)(私家版)

剃髪得度の流れ ”Evañca pana、bhikkave、 pabbājetabbo upasampādetabbo; Paṭhamaṃ kesamassuṃ ohārāpetvā、 kāsāyāni vatthāni acchādāpetvā、 ekaṃsaṃ uttarāsaṅgaṃ kārāpetvā、 bhikkhūnaṃ pāde vandāpetvā ukkuṭikaṃ nisīdāpetvā、 añjaliṃ paggaṇhāpe…

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(3-173)(私家版)

以上の、五種類の<名>は、ソータパナ道心である。 サカダーガーミ、アナーガーミ、阿羅漢にも、またそれぞれ、五種類ある。 故に、合計20種類の道心がある。 道心は、生起した後、必ず、果心を生起せしめる。 道心が20種類あるのであれば、果心もまた、当…

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(3-172)(私家版)

第四ジャーナに入り、出定の後、四禅の31個の名法の無常・苦・無我を観ずる。たとえば、苦から道心を証得したのであるならば、心中に生起する心は、楽・一境性具第四禅ソータパナ道心である。 第五禅から出定した後、第五禅の名法を観ずる。合計31個である。…

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(3-171)(私家版)

第二禅には、33種類の名法がある。 第二禅から出定して、33種類の名法の、無常・苦・無我の内の一を観ずる。たとえば、無我を観じている時、道心を証悟したならば、それは、伺・喜・楽・一境性具第二禅ソータパナ道心、と言う。 第三禅に入り、出定して後、…

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(3-170)(私家版)

121種類の心 89種類の心は、121種類に、細分する事ができる。 五分法に基づけば、止観(サマタ・vipassanā)の修行者は、合計34種類の、名法の初禅に入る。 修行者は、ジャーナから出定した後、観禅(vipassanā)に転換するが、この34個の名法の無常・苦・無…

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(3-169)(私家版)

もし、彼が、空無辺処に入ったのであるならば、ただただ、空無辺処唯作心のみが、ずっと、生・滅し続ける。 「心は私ではない」 もし、あなたが、「心は私である」と認めるならば、それは、有身見である。 有身見を打ち破らないのであれば、我々は、永遠に、…

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(3-168)(私家版)

89種類の心に関する総括 89種類の心は、四種類に分類する事ができる: 54個の欲界心。 15個の色界心。 12個の無色界心。 8個の出世間心。 心は、生・滅の法であり、因縁法であり、阿羅漢を含めて、その中に一個の「我(確固とした私)」というものはない。 …

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(3-167)(私家版)

阿羅漢の8大唯作心は、どの様な時に生起するのか? 例えば、阿羅漢が経を説明し、説法する時。 五個の広大唯作心は、彼らが初禅、二禅に入り、五禅に入る時に生起する。 四個の広大唯作心は、阿羅漢が無色界禅に入った時に、生起する。 (3-168につづく) <…

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(3-166)(私家版)

17個の有因心もまた、阿羅漢に属するものである: 1、8大唯作心。 2、5個の色界広大唯作心。 3、4個の無色界広大唯作心。 (3-167につづく) <願以此法布施功徳、早日証得涅槃楽>

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(3-165)(私家版)

我々には、合計6種類の門がある: 五門と意門である。 眼門を例にとると、五門転向、眼識、領受(受領)、推度(推定)、確定、速行、彼所縁がある。 89種類の心の中において、「確定」という心は見当たらない。 それでは、確定とは何であるか? これは意門…

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(3-164)(私家版)

20(個の)唯作心 唯作心は、合計20個ある; 17個の有因心、三個の無因心である。 三個の無因心は: 1、五門転向心。 2、意門転向心。 3、生笑心(これは、阿羅漢に属する心である。阿羅漢にのみ、生起する)。 (3-165につづく) <願以此法布施功徳、早日証…

★『教海覚舟』<教えの海悟りの舟>(10-6)(私家版)

”Upajjhāyo bhikkhave、saddhivihārikamhi puttacittaṃ upaṭṭapessaati、 saddhivihāriko upajjhāyamhi pitucittaṃ upaṭṭhapessati” 如来は言う: ”戒師は、弟子を、己自身であるかの様に、思わなければならない。 弟子もまた、師を父の如くに見做す事。 師…

★『教海覚舟』<教えの海悟りの舟>(10-5)(私家版)

とは言え、しかし、現今の状況を鑑みるに、一人の比丘が、己自身の管理できる寺院を持たない場合、我々は、この様な比丘が、他人を剃髪得度してよいのかどうか(疑問を持つし、この比丘が、指導者として)適格である、とは言いにくい。 戒子の為に剃髪得度し…

★『教海覚舟』<教えの海悟りの舟>(10-4)(私家版)

どの様な状況の下であろうとも、戒師は、法と律を利用して、弟子の疑惑を解決する必要がある; 弟子が病気をすれば、適切に面倒を見る事、または、適当な看護を手配できる事、この様な戒師または導師だけが、学生を剃髪得度する事ができる。 《律蔵》は言う…

般若の独り言~幸せは蜃気楼の如く

先日、ITのニュースを見ていましたら、ある女性の方の 《ご飯は、炊飯器で炊きましょう!》 というスローガンに、出会いました。 彼女曰く 「最近の家庭は、炊飯器でご飯も炊かなくなった」 「最近は、みなさん、スーパーで買った、パックの白ごはんを、チン…

★『教海覚舟』<教えの海悟りの舟>(10-3)(私家版)

もし、一人の、資格のない不合格の比丘が、戒師になり、かつ、他人の為の剃髪得度するならば、悪作を犯す事となる。 如来は、色々な場面において、色々な方式でもって、戒師または導師(弟子を指導する人)に必要とされる素養について、述べている。 これら…

★『教海覚舟』<教えの海悟りの舟>(10-2)(私家版)

導師(指導者)は、ただ剃髪得度するだけで、如法・如律に、弟子を規範に基づいて、育成できないのであれば、彼らの弟子は(他の弟子に比べて、受ける教育の内容が)公平ではない。 故に、如来は、すべての比丘に、弟子を取る資格を授与する事は、しなかった…

★『教海覚舟』<教えの海悟りの舟>(10-1)(私家版)

剃髪得度師の資格 仏法の中において、剃髪得度と弟子の育成は、非常に厳粛な事柄である。 弟子の、大小の欠点を、指摘できないとか、弟子に必要な提案をして、弟子を助けて、正しい道に歩ませる事ができないとか、弟子に対して、法と律を教えて、その向上を…

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(3-163)(私家版)

阿羅漢は、残りの不善心を断じ除くが、それはすなわち、四個の邪見不相応貪根心と一個の掉挙相応痴根心である。 故に、12個すべての不善心は、すでに、徹底的に断じ除かれている訳である。 阿羅漢の心中において、二度と再び、不善心が生起する事はない。 出…

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(3-162)(私家版)

阿羅漢道心 アナーガーミは、二個の瞋根心を断じ除いた。 ソータパナは、五個の不善心を断じ除いており、故に、五個の不善心が残っている。 阿羅漢は、完全なる解脱者であるが故に、阿羅漢道心は、徹底的に五個の微細な、結が断じ除かれてある: 1、色界生命…

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(3-161)(私家版)

アナーガーミが、色界に生まれたなら、そこにおいて、阿羅漢果を証悟する。 アナーガーミ道果を証悟した人間は、二度と、金銀(金銭)を持つ事がない。 仏陀の時代、Citta と言う名の、居士がいた。 彼は、居士ではあったが、しかし、すでに、アナーガーミを…

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(3-160)(私家版)

この類の聖者は、今生において阿羅漢を証悟できないとしたら、来世は、色界天に生まれる。 色界天である浄居天は、アナーガーミが住む所であるが、しかし、すべてのアナーガーミが、そこに生まれるとは限らない。 たとえば、大梵天神(Sahampati)はアナーガ…