Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

2022-03-01から1ヶ月間の記事一覧

★『教海覚舟』<教えの海悟りの舟>(16-10)(私家版)

袈裟をば、元素(四大)として省察・思考する事は、生起する可能性のある、すべての貪欲と傲慢を除去する事ができる。 特に、”我見”(我有りという邪見)と除去する事ができる。 以下の様な方式でもって、袈裟の不浄を省察・思考しなければならない; ”身体…

★『教海覚舟』<教えの海悟りの舟>(16-9)(私家版)

袈裟を元素(界)として省察・思考する方式は、以下の通りとする: ”この袈裟は、地、水、火、風によって構成されており、それは諸元素(界)の聚合(重合)であり、この袈裟を纏う身体もまた、諸元素(界)の聚合(重合)である; 四大が聚合(重合)した結…

★『教海覚舟』<教えの海悟りの舟>(16-8)(私家版)

資具への省察・思考は、二つの方向性を持つ: 資具を受け取る時の省察・思考と、資具を用いる時の省察・思考である。 以前にも述べたが、もし、資具の供養を受ける時に、すでに、如理に省察・思考したならば、すなわち、それを元素(四大)であり、また、不…

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(4-51)(私家版)

14個の不善心所 痴(無知)、無慙、無愧、掉挙、貪、邪見、慢、瞋、 嫉妬、吝嗇、悪作、昏沈、睡眠、疑、 の14個は、不善心所である。 その中の、痴、無慙、無愧、掉挙、 の4個は、「通一切不善心心所」と呼ぶ。 一つひとつの不善心には、必ず、痴、無慙、無…

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(4-50)(私家版)

この13個の心所は、善にも通じ、不善にも通じる事が、可能であるが故に、通一切心所、とも呼ぶ。 善心の中においては、その全部が、善的な心所となり; 不善心の中において、その全部が、不善の心所となる。 13個の心所は、各自の役割を演じ分けるが、(その…

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(4-49)(私家版)

「勝解」は、確定を意味する。もし、それが、(それを)美味であると認めたならば、それは美味であると、確定する事。 「精進」は、善の場合もあり、不善の場合もある。 ここで言う「精進」は、貪を引き起こそうと頑張る事を言う。 「喜」心所は、この味を喜…

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(4-48)(私家版)

前のページで説明したが、味が舌根を衝撃した結果生じた所の、7個の遍一切心心所に、今説明した所の、6個の雑心所が加わる。 「尋」は、心、(すなわち)相応名法のすべてを、その味に向ける事を言う。 「伺」は、(心、相応名法を)味の上に置き続ける事を…

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(4-47)(私家版)

6、欲(chanda) 特徴は、行動をしたいと欲する事。 すなわち、ある事柄を実行したい、または、ある種の成就を獲得したい(という意志)。 この欲は、貪であるとは限らない。 貪は、決定的によくないものであるが、しかし、欲は、良い場合もあれば、悪い場合…

般若の独り言~近況報告

先日、とても暖かい日があったので、喜び勇んで、石油ストーブを撤去。 あらら、今朝、マイナス3度。 外は真っ白に霜が降りて、バケツには、氷が張っていました。トホホ(そういえば、去年も同じ失敗してますね)。 えびす丸(保護犬、二歳半)は元気です。 …

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(4-46)(私家版)

5、喜(pita) 特徴は、所縁に対して歓喜(喜ばしい気持ち)が生じる事。 作用は、身・心の清らかさ、または、全身に、心生色を遍布せしめること。 ジャーナの時点で、特に、明確になる。 ジャーナの心は、非常に多くの心生色を生じせしめ、それを全身に遍…

★『教海覚舟』<教えの海悟りの舟>(16-7)(私家版)

どの様な袈裟であっても、高価であるかどうかに関係なく、みな、四種類の効能が備わっている。 故に、省察・思考の実践の時、袈裟の、如理的な効能に関して、専注しなければならない。 結果、袈裟が上等であることによって、貪欲を生起する、という様な事が…

★『教海覚舟』<教えの海悟りの舟>(16-6)(私家版)

袈裟を着用する時、母語でもって、袈裟を受用する四つの項目の理由を、如理に省察・思考して、その意義を徹底的に理解しなければならない。 ”私が、受用した衣は、以下の様に如理に省察・思考する。 それは、寒冷を防御し、炎熱を防御し、虻、蚊、風、日照り…

★『教海覚舟』<教えの海悟りの舟>(16-5)(私家版)

僧人は、身体全体をくるめるか、包み込めるすべての布地を用いて、袈裟とする。 もし、袈裟を受用するのが、美観と身分を誇示する為であるならば、この事は、貪欲、傲慢と我見を引き起こす為、不如理受用に属する; もし、袈裟を受用する事が、寒冷を防ぎ、…

★『教海覚舟』<教えの海悟りの舟>(16-4)(私家版)

多くの人々は、パーリ語で省察・思考する。 パーリ語を掌握しており、また、熟練している人が、それを誦じる時、もし、己自身の母語を使用するのと同じくらい、徹底的にパーリ語の意味を理解する事ができるのであるならば、この人は、パーリ語で省察・思考す…

★『教海覚舟』<教えの海悟りの舟>(16-3)(私家版)

比丘は、座臥処に入る時、毎回、省察と思考をしなければならない; 袈裟は決意されなければならない。 そうでなければ、着用してはならない; 夜分薬は、特殊な状況下でのみ、飲用することができる; 夜分薬を飲用した後、省察と思考を実践しなければならな…

★『教海覚舟』<教えの海悟りの舟>(16-2)(私家版)

もし、(上記の事を)実践できないのであれば、比丘は、少なくとも、毎日数回だけでも省察と思考するべきである。 それさえも、実践できないのであれば、早朝、明るくなる前に身体を起こし、当日受用する所の、すべての資具について省察と思考をしなければな…

★『教海覚舟』<教えの海悟りの舟>(16-1)(私家版)<33/254>

省思(省察と思考) 人々は、飲食と衣服などの、各種の資具を受用する。 その内、ある種の物品は、煩悩を増長する為、それらを使用するのは不如理受用である; しかし、ある種の物品は、煩悩を増長する事はない為、それらを使用するのは、如理受用である。 ”…

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(4-45)(私家版)

8種類の事柄が、悚懼感を引き起こす事ができる: 一番目は、生(生まれる事)の苦を思惟する事。 生にはどの様に苦しみがあるのか? 母親の胎内にいて、太陽の光が見えない事。 不浄が充満している事。 母親の胎内にいる内から、痛苦は始まっている。 出生の…

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(4-44)(私家版)

しかし、老師(指導者)があなたの面前に来たならば、あなたは、即刻、姿勢を正し、まっすぐになる。 これが精進である。 戦場に出て戦う時、戦闘によって疲労困憊した場合、勝てそうにないと思いつつ、この時、援軍が来たと聞いたならば、全身が励起して、…

翻訳(中→日)《実用アビダンマ》(4-43)(私家版)

4、精進(viriya) 特徴は、支持、奮闘または力の励起。 作用は、支持または相応の名法を安定させる事。 たとえば、古い家に新しい柱を加えて、倒壊を防ぐ様なもの。 揺れて今にも崩壊しそうな家屋に柱を加えると、家屋は即刻、直立して安定する。 座禅・瞑想…