Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

是誰庵闘病記>歩くのよ、クララ~順不同

ここで、闘病記として<歩くのよ、クララ>を書きます。

1月21日に大学病院に入院すると、10日間にわたり、色々検査がありました。胃腸系の検査と手術は、胃腸を綺麗にしてから行うので、入院してからの食事は、ずっと重湯ばかり。検査のある日は<延食>と言って、検査が終われば食事をしてよい事になってはいるのですが、検査が終わる頃、大概はもう夕方になっていたりして、昼食は飛ばし、夕食の分の重湯をすすって、それで終わり、という事が多かったです(それで2kg痩せました・・・^^;)。

所で、主治医の A 先生は、手術の内容・手順の説明の時、私に「手術の翌日から歩いてもらいますから」と言い、私はてっきり「貴女の手術は大したことないので、すぐに歩けるのです」という意味かと思っていたら、まったくもって、違っていました。

内臓の手術は、その手術の後で起こる<癒着>が、とても恐ろしいものらしい。

で、癒着を防止するため、手術の翌日から、立って歩く事を要求される、いや、強要される、訳です。

まだ傷口がズキズキ、ヒリヒリしていて、咳もくしゃみも我慢しているのに、先生がやってきて「さ、みなさん。立って歩く!」「痛い、痛いと言っていないで、鎮痛剤打ってでも、さ、歩いた!歩いた!」と急き立てます。

私にだって、もし癒着が起こったら、もう一度、今回と同等の開腹手術を受けなければならない訳で、今我慢して歩いた方がいいゾ、くらいの損得勘定は、できます。

「いつ歩くの?」「今でしょ!」」

TV 見ていないけれど、なぜか知っている、この言葉~笑。

いよいよ決心して、ミルク色の鎮痛剤を点滴してもらいながら、必死に歩きました。普段水中運動しているおかげで、足の筋力が割とあって、ベッドから降りて足をつくと、お腹の傷に響いて、身体がワナワナと震えるけれど、足腰はしっかりしていて、なんとかお手洗いの前まで歩いて行く事ができました(これ以降、導尿の管とパウチを外すことが出来ました)。

私たち患者を追い立てる先生、最初は鬼のように思えたものですが、いつの間にか<クララを励ます優しいハイジ>、仏様のようです(笑)。

もう一つ、今回、医師から手術を告げられた時は「知らない土地の大学病院で、一人で入院して、一人で手術を受けるのか・・・」「なんて運が悪いのだろう」とちょっとめげていたのですが、友人の Oさんに「いやいや、これを奇貨として、学習のチャンスにすればいいのです」と言われ、学習のチャンスと言えば、これまで修行してきたアーナパーナサティが、実践で通用するかどうか、試す事が、即、私にとっての学習である事に思いが至り、少し勇気が出ました。

Oさんに ヒントを貰わなかったら、入院・手術を受け身に考えて、病院に入院している間、ウツウツとしていたかも知れません。

誠に、知己とはよいものです。

執刀してくれた A先生、完璧な看護をしてくれた看護師の皆様、病苦を修行のチャンスとして生かすようヒントをくれたOさん、お見舞いに来てくれた方々、東京から介護に来てくれた息子・・・、有形無形に励ましてくれた皆様、本当に、ありがとうございました。

感謝です。