Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

是誰庵仏教談義~35>二人の宮澤賢治

宮澤賢治さん、雨にも負けず風にも負けず、岩手の英雄、いえ、日本の英雄ですよね。

で、宮澤賢治さん言います「地球上(宇宙かな?)に、一人でも不幸な人がいたら、私は幸せにならない」と。これ、聞いた時感動しました、まさに≪大乗の菩薩さま≫。

でも、台湾でみつけた「阿含経正見」(釈従信著)を読んで「ふぇぇ」と思いました。

ここに、宮澤賢治さんと同じ考えの人がいます。前者は宮澤賢治Aで、後者が宮澤賢治B。で、AさんがBさんをみて「Bさんは、俺が幸せになろうとしないのをみて、Bさん自身、不幸のままでいいと思っている。だから俺は今、Bさんより先に幸せになる訳にはいかない」。で、毎日悶々と不幸のまま。

BさんはそのAさんをみて「毎日悶々としているAさんがいる限り、私が先に幸せになってはダメよね」。

で、それを見てAさん「俺、絶対、幸せ追求しないから・・・」。で、Bさんはそれをみて・・・。

これって、AさんもBさんも永遠に幸せにはなれない、永遠の負の循環ループ(苦笑)。

人より先に幸せになろう、人より先に悟ろう、こういう心掛けを、大乗仏教では、小乗だ、私利私欲の極みだといって批判するけれど、自分を愛せない人は他者を愛せない。なら、自ら幸せになれない人は、他者を幸せにはできないのではないかしらん?

一人でも不幸な人がいたら・・・そんな事言っていないで、早めに、先に幸せになって、その幸せの極意を、悩める人に教えてあげようよ!!(慈悲の瞑想や和顔愛語、お布施とか積善とか、幸せになるのって、今すぐできるんだからさ)。