Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

<パオ・セヤドー問答集~008>問答(二)問2-2>前段

 #008-150703

問2-2: なぜ我々は、第四禅に到達した後、直接五蘊の観察をし、それらの無常・苦・無我の本質を透視して、涅槃を証しようとしないのですか?涅槃を証する前に、我々はどうして三十二分身、白骨観、白遍、四界分別観、名業処、色業処、縁起と観禅(=ヴィパサナ~訳者注)をしなければならないのでしょうか?

答2-2: 五蘊とは何ですか?五蘊と名色の違いとは何ですか?あなたは回答を知っていますか?二つ目の問題に回答する前に、私は先に名色と五蘊について説明します。仏陀の教えた≪アビダルマAbhidhamma≫には四つの究極法(paramattha)がありますが、それは即ち:

  1. 心(citta)
  2. 心所(cetasika)
  3. 色(rūpa
  4. 涅槃(Nibbāna)

第四種の究極法(涅槃)を証悟するためには、我々は心、心所と色の無常・苦・無我の本質を透視しなければなりません。それは:

  1. 心は89種
  2. 心所は52種
  3. 色は28種 

89種の心は識蘊(viññāṇa-khandha)と言います。52の心所の内、感受は受蘊、想いは想蘊、その他の50種の心所は行蘊です。

ある時は、心と心所を合わせて名(nāma)といいますが、もしそれを四つのグループに分けるならば、それは即ち:受蘊、想蘊、行蘊と識蘊になります。この四つのグループは名蘊(nāma-khandha)です。28種の色は即ち色蘊(rūpa-khandha)です。心、心所と色を合わせて名色(nāmarūpa)といいますが、あるときには五蘊又は色蘊、受蘊、想蘊、行蘊、識蘊といいます。それらの形成される因と縁もまた名と色にすぎません。

(以下続く)

<禅修問題与解答(パオ禅師等講述)>中国語版より訳出。  

(翻訳文責 Pañña-adhika sayalay)

 

初めてご来訪の方へ:15年1月緬甸(ミャンマー)から日本への帰路の途中、台湾に寄りました。パオ・セヤドーの著作を頂けると聞き、新北市の寺院を訪問して上記<禅修問題与解答(パオ禅師等講述)>(中国語版)を入手しました。<パオ・セヤドー問答集(仮題)>として、毎日又は隔日、一遍ずつ翻訳して掲載する予定です(出張時除く)。「智慧の光」「如実知見」の姉妹版として、パオ・メソッドに興味のある方のご参考になれば幸いです。