南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

是誰庵のひとやすみ~42>台湾一か月見聞記ーその4

ちょっとピッチが速いですが、忘れない内に書いておきます。

台湾で出会った愉快な家族。

J比丘尼。香光尼僧団に属する大乗の比丘尼さん、36歳。

お寺に休暇届をだし、現在、スリランカに留学、ナウヤナ龍樹林でパオメソッドを修行中(私が会ったのは一時帰国中の時)。

留学は、1,2年のつもりがもう 5年に。サマタまで早かったけれど、ヴィパサナで止っていて、なかなか進めない、そうです。

父上。念仏行者。定年退職して田舎に戻り、畑仕事、家事全般すべてを一人でこなしている。なぜかと言うと・・・、すべて妻の為。

母上。元神明(神のお告げが聞ける人)。現在は神明をやめて、仏法(パオ)における正念正知を修行中。とはいえ、進歩は速く、すでに四禅八定をクリアーし、四禅で縁起(パオの場合、縁起とは三世輪廻を見る事)を観察中。

「非想非非想処がどうしたこうした」って言うので、驚いて経歴をお尋ねした所、なんと学校に行ったことが無く、文盲。修行に必要なアビダルマの知識は、テープで聞いて頭に叩き込んだそうです。修行で直面する具体的な事象は、娘さんがスリランカから電話して教える事もあるのだとか。

お母さん、毎日四禅八定に入っていて、家事ができないので、父上が家事全般、全て引き受けている、という訳。

このお父さん、以前は「念仏が一番いい」と言ってパオを修行する妻とよく喧嘩したそうですが、妻が四禅八定できるようになってからは、支える方に回った、のだそうです。一家の中で、北伝あり南伝あり、神様あり・・・人生、色々なんですねぇ。

(光香尼僧団は、台湾で最初に南伝を紹介した進歩的な尼僧集団。タイのブッダダーサの「無我」「内観」「生活の中の縁起」などを中国語に翻訳、出版している)。