知人の娘さんがうつ病。
親戚の娘さんも。
尼僧姿で近くの温泉に行ったら、「宗教でウツは治りますか?」と訊ねられた事もあります。うつ病って四番目の<国民病>、それくらい多いそうなんですね。
実は、こういう私も、20年前、鬱になった事、あります。
49歳の時、子宮がんになって開腹手術。その後に、主治医と抗癌治療を受けるか受けないか相談中、看護婦さんの心ない一言で・・・頭と心がガーンとなって、半年くらい眠れない日が続いて・・・。
ただこの時は、精神科の通院はせず(がん治療の方に気を取られて)、苦し紛れにマハーシ瞑想をやってみたら、なんと、深いトランスに入り、それで奇跡的に治ってしまいました(その時、自分はうつ病だという自覚はなかったのですが、それは通院して診断を受けなかっただけで、実際はうつ病だったとおもいます。うつ病が治ったのは、一瞬の頓悟でしたから、この体験は、ちょっと他人には説明できないですけど。禅宗でいう<不立文字><不可説>でしょうか)。
最近ちょっとした体験から、うつ病について、こんな事を考えました。
うつ病になる人は、まじめで几帳面、心にストレスを溜めこみやすい(世の中の不条理や辛さを一人で抱え込み、一人で辛抱してしまう)。
そして、まじめが行き過ぎて、貯め込んだストレスが自己を害している事に気が付いていない。嫌な事があった時にオチャラけたり、反論したりして、ガス抜きする事ができないのですね(私も、不穏な発言をする看護婦さんに抗議する度量もなく、言われっぱなしだった訳です)。
人を傷つけてはいけないと思うあまり、自分が傷ついてしまう。要するに、世渡りべた、問題の処理能力、バランス感覚が悪い。
うつ病になった時は、病院でお薬を貰い、心と身体を十分に休ませる、という以外に、自分の弱点に気が付き、受け入れ、変容するチャンスだと思います。
うつ病は、神様がくれた病気、と言います。うつ病は自己のゆがんだ価値観を転換するチャンスなのかもしれません。
うつ病の人が、病気を梃に、心の深い部分で変容を遂げて、「うつ病になってありがとう」と言えますように。自戒をこめて。