Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

「四煩悩を断つ」(「断除四煩悩」翻訳文)―16

心に感謝の念を持ち、我慢(傲慢)を調伏する事

人は常に自画自賛して、自己を賞賛する。このような傲慢な心性は、

どのようにすれば、調伏する事が出来るのか?

例えばこのように考えてみる:

世間には、自分より優秀な人はどれくらいいるだろうか?

我々は、社会で、いくばくかの成功を成し遂げたかもしれないが、

しかし、自分の目の前にある小さなことども、皆、他人の手に

頼っているのであり、自分では作り出せないもの

ばかりではないか!

我々が筆記に使う鉛筆を、あなたは自分で作り出す事はできず、

他人に作って貰わねばならないのだから、鉛筆の生産者に

感謝しなければならない。

あなたは電灯を発明できるのか?できない。

であるなら、電灯を発明した人に感謝しなければならない。

我々には、感謝しなければならない対象は非常に多い故、

己が、なんら傲慢であってよい訳がない、という事を、

知らなければならない。

あなたが歩いているアスファルト道路は、労働者が敷設した

ものだし、便器を製造する者、道路清掃人など、皆、偉大で

あり、感謝の対象になる。

この宇宙のありようにおいて、ある者の命は比較的活発であり、

ある者の命は比較的活発でない、ということはあり得るが、

しかし、宇宙の存在そのものは皆、それぞれが欠かすことの

できない役割を受け持ち、演じているのである。

我慢(傲慢)は根本的な障害になる事を知る~

我慢(傲慢)は人が成長するのに、根本的な障害になる。

古徳は言う「我慢高山、不留徳水(高慢なる高山は、徳水を留める

事ができない)」。徳行の人は、決して傲慢ではありえない。

傲慢な人は、器量が小さく、性格は粗暴で、常に、人に敬遠される

ものである。(つづく)

          (台湾高雄文殊講堂慧律法師著

            翻訳文責Pañña-adhika sayalay)