南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

「四煩悩を断つ」(「断除四煩悩」翻訳文)―20

天の下、本来無事

愚かな人は、一日中ああでもない、こうでもないと、騒ぎ立てる。

彼はこのようにしてしか、日を過ごす事ができない。

本物の修行者はいかに?

彼と、凡夫とでは、どこが異なるか?

二者の間には大きな違いがある。

一人の、大徹大悟の人は、天ほど大きな出来事があっても、

彼の心の中では、大した問題にならない。天ほど大きな紛争、

動乱、不満、攻撃、傷つけ合いは、彼の心の中では、

すべてなかったことにできる。

我々凡夫は、風だと聞けばもう雨だと思い、未だ事件の

全貌を知る前に、ギリギリと歯ぎしりしている。

人は他人の一言に傷つき、人から傷つけられることに敏感に

なりすぎ、他人から賞賛される事ばかりを期待している。

もし、一人の人間が、他人から賞賛されるのを望み、

それに依存する事でしか、生きる事ができないならば、

<脆弱の人>と呼ばれる。

他人に賞賛されてのみ、初めて生きているような気がする

人の心は、(心理的)依存性で固まってしまっている。

(つづく)

           (台湾高雄文殊講堂 慧律法師著

            翻訳文責 Pañña-adhika sayalay)