Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

ブッダダーサ著「生活の中の縁起」(翻訳文)ー42

生あるがために老死あり、有あるがために生あり、取あるがために

有あり、愛あるがために取あり、受あるがために愛あり、

触あるがために受あり、六入あるがために触あり、名色あるがために

六入あり、識あるがために名色あり、行あるがために識あり、

無明あるがために行ある(と私は、考察した)。

その後、もう一つ別の方法で、再び考察した。

無明を縁として行があり、行を縁として識があり、識を縁

として名色あり、名色を縁として六入があり、六入を縁

として触があり、触を縁として受があり、受を縁として

愛があり、愛を縁として取があり、取を縁として有があり、

有を縁として生があり、生を縁として老い、病、死、憂い、

悲、悩、苦、純なる大苦の聚が集する。

比丘たちよ!

世の人々がいままでに聞いた事のない、純なる大苦の聚が

集する事に関する智慧、知見、法眼、光明が、

私の心の中に湧出しました。(つづく)

訳者コメント:冒頭に<生あるがために>という言葉が出てきます。

これは<生きていく、己の人生>という意味ではなく、<生まれる>

という意味です(日本では「『仏陀は、生きていくのは苦である』と

言った」と解説される事がありますが、それは誤訳)。

ブッダダーサは、生を、母胎から生まれる事でなく、<自(我)

意識が生まれる事>という風に解釈しています。翻訳、字解は

難しいですね。

(台湾香光尼僧集団翻訳グループ~タイ語→中国語

原題「生活中的縁起」中国語→日本語 Pañña-adhika sayalay)