南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

ブッダダーサ著「生活の中の縁起」(翻訳文)ー45

[中間から始めて最初までを言う縁起]

三番目は、11種類の状況の全部を言わず、真ん中から始める。

すなわち、四食(段食、触食、思食、識食)は、渇愛を助縁に

している事を言う。段食を例に取ると、段食は、愛からきて、

愛は受からきて、受は触からきて、触は六入からきて、六入は

名色からきて、名色は識からきて、識は行からきて、行は無明

からきている、という。これは、中間から始めて、最初の無明

までを説明する縁起のタイプである。

[中間から始めて最後までをいう縁起]

四番目は、中間から始めて最後までをいう縁起で、この種の

説明は、受から始め、楽受、苦受、不苦不楽受は、先行的な

因縁条件であり、次に続いて愛、取、有、生、そして、

最後に苦が生じる、という。

これは、縁起の半分しか説明していないが、同じく縁起と

呼ばれる。というのも、苦がなぜ生起するか、という説明を

するのに役に立つからである。

こうしてみると、仏陀は、時、人、事によって、臨機応変に

説法していたことが分かる。(つづく)

(台湾香光尼僧集団翻訳グループ~タイ語→中国語

原題「生活中的縁起」中国語→日本語 Pañña-adhika sayalay)