ブッダダーサ著「生活の中の縁起」(翻訳文)ー45
[中間から始めて最初までを言う縁起]
三番目は、11種類の状況の全部を言わず、真ん中から始める。
すなわち、四食(段食、触食、思食、識食)は、渇愛を助縁に
している事を言う。段食を例に取ると、段食は、愛からきて、
愛は受からきて、受は触からきて、触は六入からきて、六入は
名色からきて、名色は識からきて、識は行からきて、行は無明
からきている、という。これは、中間から始めて、最初の無明
までを説明する縁起のタイプである。
[中間から始めて最後までをいう縁起]
四番目は、中間から始めて最後までをいう縁起で、この種の
説明は、受から始め、楽受、苦受、不苦不楽受は、先行的な
因縁条件であり、次に続いて愛、取、有、生、そして、
最後に苦が生じる、という。
これは、縁起の半分しか説明していないが、同じく縁起と
呼ばれる。というのも、苦がなぜ生起するか、という説明を
するのに役に立つからである。
こうしてみると、仏陀は、時、人、事によって、臨機応変に
説法していたことが分かる。(つづく)
(台湾香光尼僧集団翻訳グループ~タイ語→中国語
原題「生活中的縁起」中国語→日本語 Pañña-adhika sayalay)