南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

是誰庵のひとやすみ~60>心の浄化と布施の功徳

今、私は毎日、ブッダダーサの著作「生活の中の縁起」を

翻訳しています。

なぜ、ブッダダーサが「縁起とは日常生活の中の出来事

であって、三世輪廻の事ではない!」と声を嗄らして叫ぶのか?

このことは、タイの仏教界の現実と関係していると、思います。

アーチャン・チャーも言っていますが、タイ人はタンブン(功徳

を積む)のが好きです。仏教の祭日(仏陀誕生、成道、涅槃の

花祭り、入安居、出安居の儀式、衣を布施するカティナ祭等)

では、お布施をするために、人々がお寺に押し寄せます・・・

しかし、この人々の中で、どれほどの人が<心の修行>をして

いるか、というと・・・。

三世輪廻を言い、来世の幸せの為の功徳をいい、それによって、

お布施好きの仏教徒が増え、お寺はにぎわい・・・しかし、

<今・ここ>における<心の修行>をする人がいないと

したら・・・それは仏陀の本懐では、ありません。

アーチャン・チャーは「心の清浄の為の修行をしないで、お布施を

しにお寺を回るのは、汚い雑巾でものを拭く度に、雑巾がさらに

汚れていくのと同じ。そんな人はお寺に来るな!」

と言っていました。

三世輪廻はあるとしても、それを強調しすぎるのは、あんまり

いい事ない。それが、仏陀ご在世の当時のバラモン教(現ヒン

ズー教)の病い(四姓差別の発生と強化、体制維持と宗教の

政治的利用)でもあった訳で。