南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

ブッダダーサ著「生活の中の縁起」(翻訳文)ー57

縁起は四聖諦~~

私はもう一つ、皆様に、大切な観点をお知らせしたい。それは、

縁起とは、実は、非常に詳細な四聖諦だ、という事。

縁起の流転・捻転ーー無明縁行、行縁識、識縁名色、名色縁六入、

六入縁触、触縁受、受縁愛、愛縁取、取縁有、有縁生、生縁老病死・

憂・悲・悩・苦、純なる大苦の聚が集するーーは、四聖諦の「集」

に相当する。

縁起の還滅ーー無明滅則行滅(=無明滅する時、すなわち、行滅す、

以下同様)。行滅則識滅、識滅則名色滅、名色滅則六入滅、

六入滅則触滅、触滅則受滅、受滅則愛滅、愛滅則取滅、取滅則有滅、

有滅則生滅、純なる大苦の聚の集が滅するーーこれは、四聖諦の

「滅」に相当する。

仏陀は別の所でも、同様の方式を用いて苦と苦の滅の方法について

述べている(八正道)。

縁起とは、四聖諦を更に詳しく述べたものである。

縁起とは(苦を)、愛(渇愛)を原因として苦が生起するという、

簡単な方式で説明するものではなく、苦の生起を、11種類の状況

に分析して述べたものである。

同様に、この11種類の状況を用いて、苦の滅についても述べている。

簡略的に愛の滅を言うのではなくて、無明滅する時すなわち行滅す、

行滅する時すなわち識滅す等という、11種類の状況の滅尽を述べて

おり、これが詳細な、かつ広範な解釈である。

こうした事から、縁起とは四聖諦であることが分かる。

(つづく)

(台湾香光尼僧集団翻訳グループ~タイ語→中国語

原題「生活中的縁起」中国語→日本語 Pañña-adhika sayalay)