南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)-22

五禅支~

五禅支とは:

1)尋(vitakka):心を安般似相に向かわせ、そこにおいて安定させる。

2)伺(vicāra):心をして引き続き、安般似相に注意を向けさせる。

3)喜(pīti):似相を好ましく思う事。

4)楽(sukha):似相を体験しているときの楽受または楽しさ。

5)一境性(ekaggatā):似相に対して一心に専注する事。

初禅の中には五禅支がある;第二禅には喜、楽及び一境性の三つの禅支

がある;第三禅には、楽と一境性の二つの禅支がある;第四禅には、

捨と一境性の二つの禅支がある。

もし、あなたが遍禅、例えば、地遍を修習するようになったなら、

あなたは八定を証する事ができるが、それはすなわち、

八種類のジャーナである。

《大空経》では、仏陀はこれらのジャーナを観禅の基礎とする

ようにと、教えている。

ジャーナの修習を開示した後、仏陀は、続いて観禅について説

している。当該の経の中で仏陀は以下のように言っている:

「於此、阿難、遠離欲楽及遠離不善法的比丘進入与安住於初禅・・・

第二禅・・・第三禅・・・安住於擁有不苦不楽(受)及由於捨

而念清浄的第四禅。這是比丘如何向内穏固其心、令之寧静、

専一及専注。然後、他向内観照空。当他向内観照空時、其心

不能向内入住空、不能獲得信心、穏定与勝解。如是、

他如此覚知:『当我向内観照空時、我的心不能向内入住於空、

不能獲得信心、穏定与勝解。』

如此他対該(過程)擁有完全的明覚。他向外観照空・・・

他向内外観照空・・・他観照不動・・・当他観照不動時、

其心不能入住於不動、不能獲得信心、穏定与勝解。

於是、他如此覚知:『当我観照不動時、我的心不能入住於不動、

不能獲得信心、穏定与勝解。』如此他対該(過程)擁有完全的明覚。」

(つづく)

訳者コメント:上記の漢文の中に出てくる「信心」は、信仰の意味で

はなく、確信、自信、という意味です。中国語の「信心」には、

信仰の意味はないので、ご注意下さい。

(<パオ・セヤドー講述「菩提資糧」>(1999年版)

中国語版→日本語 翻訳文責Pañña-adhika sayalay)