Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)-24

道の生起または出現を導く観智~

この教えでは、ある人々は、初めに、内行法または五蘊を識別する。

それらを識別した後、次に彼は、それらを無常・苦・無我として

観照する。しかし、聖道は、ただ内(行法)を観照しただけでは

生起したり、出現したりしない。というのも、そのためには、

外(行法)も観照しなければならないからである。

故に、彼は、他人の五蘊及び非有情の色法もまた無常・苦・無我

であると観照する。彼は、一時、内五蘊を観照し、一時、外五蘊

を観照する。彼がこのように観照していて、もし観智が、

彼が内を観照している時に、聖道と連結したならば;彼を

「先に内を観照した後、それが内から生起した(+人)」と呼ぶ。

もし、観智が、彼が外を観照している時に聖道に連結したならば、

彼を「先に内を観照した後、それが外から生起した(+人)」と

呼ぶ。

「先に外を観照した後、それは外から生起した」と「先に外を

観照した後、それは内から生起した」も、先に準じて、

同じように理解するべきである。

また別の人々は、色法を識別する所から開始する。その後、

次に彼は、四大界とそれらの所造色がすべて無常・苦・無我で

あると観照する。しかし、聖道は、ただ色法を観照しただけでは

生起或いは出現しない。というのも、名法も観照しなければなら

ないからである。故に、彼は、当該の色法を目標として生起する

名法、すなわち、受、想、行、識をも観照する。

彼は一時、色法を観照し、一時、名法を観照する。

彼がこのように観照する時、観智が、彼が色法を観照している時に、

聖道と連結する;そのため、彼を「色法を観照した後、それが色法

から生起した(+人)」と呼ぶ。もし、観智が、彼が名法を観照

している時に、聖道と連結したならば、彼を「先に名法を観照した後、

それが名法から生起した(+人)」と呼ぶ。

「先に色法を観照した後、それが名法から生起した」と

「先に名法を観照した後、それが色法から生起した」も、

先に準じて、同様に理解しなければならない。

(《殊勝義註》《清浄道論》参照の事)。

観禅を修習する時、あなたは上述の、註疏に記載されている

重用な指摘に留意しなければならない。

内または外のみを観照するだけでは、涅槃に到達する事は出来ない。

あなたは尊敬の念をもって、以下に指摘する内容に対応しなければ

ならない。(+ )訳者。(つづく)

(<パオ・セヤドー講述「菩提資糧」>(1999年版)

中国語版→日本語 翻訳文責Pañña-adhika sayalay)