(三)因(hetu):悟るために必要な助縁の事。たとえ男性であっても、
彼の発する至上願は、必要な助縁の下でしか効力を発揮しない。
その意味は、彼は必要な基礎を具備していなければならず、
そうでなければ、(+発した願は)無効である。
(この因とは)仏陀の開示した一首の、四聖諦に関する偈を聞いている時、
または聞き終わった時、阿羅漢果を証悟する能力がある事。彼は十分な
波羅蜜を擁して初めて、このような形で阿羅漢果を証悟する条件が整う。
授記を受けた菩薩となる前、彼はどのように、これらの波羅蜜を蓄積
するべきか?
《中部註疏》では、下記のように言う:
一、仏陀の膝下で出家する。
二、自己の戒を浄化する。
三、仏陀の教えを学ぶ。
四、八定を証するまで止禅を修習する。
五、行捨智を得るまで観禅を修習する。
これらが、必要な助縁である。
しかし(波羅蜜が円満する以前)彼は、道果の証悟の為に尽力する
という事はない。というのも、そうなると、彼が修する菩薩道が
断ぜられるから。
(+ )訳者。(つづく)
(<パオ・セヤドー講述「菩提資糧」>(1999年版)
中国語版→日本語 翻訳文責Pañña-adhika sayalay)