上で述べた(+No85 参照)第一番目の条件は、四無礙解智を証悟した
その世で、成就しなければならない。
その他の四つの条件は、過去世において、すでに成就しておかねば
ならない。
そういうことから、未だ菩薩になる前、彼は(+No85にある)残りの
四つの条件を、成就しておかねばならないのである。
授記を得た後、菩薩は導師の指導のない状況の下で、自ら何の波羅蜜
を修習すればよいのかを、省察しなければならない。
それはちょうど、スメダ隠士がそうであったように。
菩薩はなぜ、師のない状況の下で、自ら諸々の波羅蜜を省察することが
できるのか?
それは、彼が、多くの過去世において、すでに仏陀の教法を学び、
また宿命通も証悟してあるからである。
因縁が熟した時、言い換えれば、彼が生きている仏に出会い、
また至上願を発した後、「波羅蜜思択智」が彼の心の中で発動し、
10波羅蜜を省察するように促すのである。
その後、彼は、少なくとも四阿僧祇劫と十万大劫の時間、10波羅蜜を
実践しなければならない。
ただこのように修行して後に、彼は仏になることができる。
この事から、我々は、仏になるのが難しい事が分かるだけでなく、
菩薩になるのも、簡単でないことが分かる。
なぜか?
それは、至上願の8個の条件、すなわち、人間、男性、生きている
仏陀に見える事等、を具備しなければならない故で、仏陀の授記を
得るのも、決して容易ではないのである。
ここにおいて、あなた方の至上願への理解を深めるために、私は
あなた方に、至上願の四つの縁、四つの因と四つの力について
解説する。(+ )訳者。(つづく)
パオ森林寺院で出家しましたが、三蔵を研究し尽くして、100%
納得した上、という事でもありませんので、未だ分からない事が
たくさんあります(私にとっては、雪山童子と同じ、無常・苦・
無我・涅槃寂静とは何ぞや?というのが一番の疑問です)
仏陀になるためには、四阿僧祇劫と十万大劫修行しなければならない、
というのも、私の中では、まだよく分からないですが・・・。
中国人、台湾人、シンガポール等の中国語圏では、仏教徒はお互いに
「菩薩」と呼び合っています。
パオ・セヤドーの著書を読んでいると、いや、君、菩薩なんて
まだまだ・・・苦笑。
取り敢えず、今日、自分のできる事をサティをもってしっかりやる。
凡夫の私としては、まずは、こんな所でしょうか?
(<パオ・セヤドー講述「菩提資糧」>(1999年版)
中国語版→日本語 翻訳文責Pañña-adhika sayalay)