是誰庵のひとやすみ~九州の禅僧
九州にゆかりの有名な禅僧、私の知る所では、お二人、禅海さんと、
山頭火です(もうお一方、私の尊敬する、安泰寺ゆかりの澤木興道
禅師は、熊本で禅の指導をしていたようです)。
禅海さんは、菊池寛の「恩讐の彼方に」に出てくる了海のモデルと
なった、実在の人物ですが、その方は、現在私が住んでいる Y盆地
にある興禅院で出家し、その後中津に行って、あの<青の洞門>を
ほったそうです。興禅院の前を通る度に、禅海さんの事を思い出します。
もう一人は、種田山頭火。
家業の酒屋の経営に失敗し、山口を出奔。九州の田舎道を歩きながら、
自由律俳句に才能を発揮しました。
隣の湯平温泉に行くと、小さな記念館が建っています。私も、彼が
湯平温泉で親切にしてもらった時に読んだ句が書かれた風鈴を、
持っています「この温泉はほんとうに気に入った。山もよく
水もよい・・・云々」
Y温泉にも来たようで(以前は、湯平の方が、源泉が胃病に効く
として有名で、Y温泉は無名だった)、棚田の上の我が家から
Y 盆地を見下ろすと、彼が網代笠を被り、夏の日差しの中、
盆地の道を、テクテク歩いているような錯覚を覚えます。
足音が聞こえてきそうです。
そうそう、彼と盟友だった放哉の「咳をしても一人」を
「咳しなくても一人」ともじった人がいましたけれど・・・。
世の中には色々な才能を持った人がいるものです。
閑話休題。