パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)-123
六、忍辱波羅蜜
忍辱波羅蜜ついて言えば、それは、大悲心及び方法善巧智
(=方便)を基礎として、他人の、己になした誤りに対する、
忍耐力を言う。
《論蔵》によると、忍耐をする時は、無瞋を主として生起する
心と心所であり、その特徴は、忍耐する心と忍受(=我慢)
である。
作用は、好きだ・嫌いだという(+感情的な)事柄を克服する事。
現起(=現象、結果)は、忍受又は対抗しない事。
以下のように、忍辱波羅蜜を省察する事:
「忍辱は、美徳と対抗する所の瞋恚、怨恨の心を取り除く事ができ、
また、善なる者が、種々の美徳を育成する、万能の工具である。
それは、衆生を指導する菩薩の荘厳であり、沙門と婆羅門の力であり、
怒りの火を消す流水であり、悪人の無礼の毒を中和する神呪であり、
已に、五根の摂受に成功した、非凡なる者の、自然な本性と態度である。
忍辱の資質は海のように深く、また、怒り狂う海を包み込む、
海岸のようだ。
それは、天界と梵天に直接つながっている雲梯のようであり、
すべての美徳が一か所に集まる、聖殿のようだ。
それは、身口意の至高なる清浄である。」
(+ )(+ )訳者。(つづく)
(<パオ・セヤドー講述「菩提資糧」>(1999年版)
中国語版→日本語 翻訳文責Pañña-adhika sayalay)