クシナラに行った時、馬羅国の王子たちが、一つの取り決め
をした。
それは、もし、サンガを出迎えにいかない人がいたら、
懲罰する、というものであった。
その時、名前を羅加という馬羅の王子がいて、彼はアーナンダ
尊者がまだ出家していない時の、友達であった。
彼は出迎えに行きたくはなかったが、取り決めに従って、
サンガを出迎えに行った。
その時、アーナンダ尊者は、羅加に、このようにする事
(=皆で出迎える)は、得難い縁である、というのも、
今回、団長として、サンガを引き連れてきたのは、
仏陀であるから、と言った。
羅加は、自分は、取り立てて三宝に信を寄せている訳で
はなく、ただ、彼らの間で取り決めがあったので、
来たのだ、と言った。
羅加の返答に不満を持ったアーナンダ尊者は、この事を
軟化するようにして欲しいと、頼んだ。
仏陀は、ただ慈愛を羅加に送っただけで、彼は母牛から
逸れた子牛のように、即刻、仏陀に会いに、お寺にやって来た。
そして、仏陀に対して、真実の信が生起したので、
《増支部・11集・随念品・経五》では、
不断に慈心を育成する人は、11種類の利益を得る事が
できると説明している。
一、安らかに眠れる。
二、静かな心で目が覚める。
三、悪夢をみない。
四、人類から愛される。
五、非人(夜叉や幽霊)から愛される。
六、天神の保護を受ける。
七、火、毒と武器から守られる。
八、心が定に入り易い。
九、顔が穏やか。
十、死ぬ時迷わない。
十一、今生で阿羅漢果を証悟しない場合、
梵天界に生まれ変わる。
(+ )(= )訳者。(つづく)
(<パオ・セヤドー講述「菩提資糧」>(1999年版)
中国語版→日本語 翻訳文責Pañña-adhika sayalay)