Sayalay's Dhamma book

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パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)-149

如何にして持戒波羅蜜を円満成就するか?

もし、人に物質的な援助をしようとするとき、我々は、先に財物を獲得しておかねばならない。同様に、衆生を戒行の装飾で飾ろうとする時、菩薩は先に自己の戒行を清浄にする。

戒行を浄化する方法は、四種類ある:

一、自己の(+心の)傾向を浄化する。

二、他人から戒を授けてもらう。

三、戒を犯さない。

四、犯した戒を懺悔する。

止戒(Varitta SĪla)と行戒(Cāritta SĪla)

上に述べた四つの方法で浄化された戒行は、二種類に分けることができる。すなわち、止戒と行戒である。

1、止戒(止持戒)とは、仏陀とほかの聖者が禁止したことを行わない事。もし、彼らが「これは間違っている。してはならない事である。禁止されるべきものである」と述べたために、殺生などの10悪業をなさないならば、それは止戒である。

2、行戒(作持戒)とは、尊敬するべき導師、両親、善友などに敬意を表し、彼らに対し、指弾されない、また有益な責任(+ある任務・行為を)遂行する。

菩薩は如何にして止戒を持するのか?

菩薩は衆生に対して大悲心を有しており、たとえ夢の中であってさえ、衆生に対して瞋恚・怨恨の心を持たない。そうであるが故に、彼は殺生戒を持する。

彼の常に人々を助けようとする精神によって、彼は他人の財物に対しては、一匹の毒蛇のように感じており、(+衆生の財物に対して)不適切な傾向(=欲望)をもつことはない。

彼が、比丘または隠士であったならば、彼は梵行を修習する。彼は、女性と房事を行うことを避けるだけでなく、《増支部》に書かれている色欲による七つの小さな束縛をも避ける。

すなわち:

一、女性の愛撫を楽しむ。

二、女性と一緒に笑いさざめくのを楽しむ。

三、女性と目と目を合わせて見つめあうのを楽しむ。

四、壁を隔てて女性の笑い声、歌声と泣き声を聞くのを楽しむ。

五、過去に女性と共にいた楽しみを回想するのを好む。

六、他人が欲楽を享受しているのを見るのを楽しみ、また、このような快楽を得たいと欲する。

七、天界地に生まれて梵行を修行したいと願う。

(+ )(= )訳者。(つづく)

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<パオ・セヤドー講述「菩提資糧」1999年中国語版→日本語訳出

翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>