ブッダダーサ尊者著「自我」(翻訳文)ー24
最初、人は、心・身の結合をもって、一人の
個体となる。その後に、人は、それが
「自我」ではないことをはっきりと知り、
それを解消して、「無我」の境地に到達し
たいと思う。
しかし、いまだにいくつかの微妙な間違った
概念を持つ、無明なる人々について言えば、
この境地をもまた「自我」であると
認定するのは、ありえる話である。
ゆえに、このような境地は、更に一歩進んで
取り除かなければならない。
しかし、一人の人間が、本当に最も究極的な
境地に到達したならば、または、完全に
苦痛を止息したならば、このような事柄は
発生しない。
故に、涅槃を「自我」の本質だと見做す事は、
仏陀の考えでは、ない。
それは、仏陀より少し前に存在した宗派の
観点である。
改めて、この間違った観点を、仏陀の考えだ
と宣揚した。
今日に至るまで、ある種の人々は、この種の
陳腐な観点に追随し、または何かの利益の
ために、この種の観点を仏陀の教えだと
主張している。
(+ )(= )訳者。(つづく)
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<ブッダダーサ尊者著「自我」中国語版→日本語訳出
翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>