南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

ブッダダーサ尊者著「自我」(翻訳文)ー24

最初、人は、心・身の結合をもって、一人の

個体となる。その後に、人は、それが

「自我」ではないことをはっきりと知り、

それを解消して、「無我」の境地に到達し

たいと思う。

しかし、いまだにいくつかの微妙な間違った

概念を持つ、無明なる人々について言えば、

この境地をもまた「自我」であると

認定するのは、ありえる話である。

ゆえに、このような境地は、更に一歩進んで

取り除かなければならない。

しかし、一人の人間が、本当に最も究極的な

境地に到達したならば、または、完全に

苦痛を止息したならば、このような事柄は

発生しない。

故に、涅槃を「自我」の本質だと見做す事は、

仏陀の考えでは、ない。

それは、仏陀より少し前に存在した宗派の

観点である。

仏陀が入滅した後、一部の仏教徒は、

改めて、この間違った観点を、仏陀の考えだ

と宣揚した。

今日に至るまで、ある種の人々は、この種の

陳腐な観点に追随し、または何かの利益の

ために、この種の観点を仏陀の教えだと

主張している。

(+ )(= )訳者。(つづく)

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ブッダダーサ尊者著「自我」中国語版→日本語訳出

翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>