布咤婆楼!
ある種の苦行者と婆羅門は、以下のような
考えを持っている。
(+彼ら)曰く、死後、彼の「自我
(ママ、以下同様)」は、完全に安楽になること
ができ、それにぶつかったり、それを
踏みつけたりすることができるモノは、
ない、と。
私は彼らに会いに行き、彼らに対して、
本当にそのような観点と言い方が
存在するのかと、尋ねた。
彼らは、本当だ、と言うので、私は
質問した:
「あなた方は、過去において、安楽のみが
あって、苦痛のない世界を見たことがあり、
かつ、それを知っているのでしょうか?」
と。
彼らは:「いいえ」と答えた。
それで私はまた質問しました:「あなた方は、
常楽なる『自我』というものを、はっきりと
知覚することができますか?
それは一夜でも、一日でも、半夜でも、
半日でもいいのですが?」
彼らは答えました:「いいえ」
次に私は聞きました:「あなた方の修行方法、
あなたがまさに現在修行している、
その方法は、常楽の世界を実現することが
できますか?」
これにも、彼らは否定的な回答をしました。
それでその後に、私はまた質問しました:
「以前、常楽の世界にいる仙人が、
『世の人々よ!善を行い、誠実に修行した
ならば、常楽の世界、苦痛のない世界に
到達することができる。我々はすでに
このようになしたが故に、このような
常楽の世界に到達したのだ』というのを
聞いたことがあるだろうか?」
これについても、彼らは否定的な回答を
しました。
故に、注意深く聞きなさい、布咤婆楼!
状況はこのようであるならば、彼らの言
い方に根拠はあるのでしょうか?
布咤婆楼は答えました:
彼らの言い方には全く根拠がない。
仏陀は引き続き言いました:
布咤婆楼!
これはまさに、ある人が以下のように言う
(+ことと同じである):
「私は、ある家の美しい娘を思慕し、追い
求めている。」
しかし別の人が彼に尋ねる:
「彼女とは誰か?その人は武士階級の娘か?
祭司(婆羅門)階級か?平民階級かまたは
賎民階級か?」
彼は答える:「私は知らない」
彼らは再び尋ねる:「彼女の名前は何?姓は?
彼女は背が高い?低い?中くらい?彼女の
皮膚は黒い?白い?それとも黄色い?
彼女はどこの村、どこの郡、どこの県、
どこの国に住んでいる?」
彼はまた答える:
「私は知らない」
故に人々は言う:「青年よ、あなたは会った
ことのない娘さんを思慕し、追い求めて
いるのではないだろうか?」
彼は答える:「はい、そうです」
布咤婆楼!
もしあなたが、この青年の会話の中から、
実質的に意義のある話を見つけ出すことが
できるならば、あなたは、あれら苦行者と
婆羅門が言う話にも真実を見つけ出すこと
ができるだろう。
これが、「自我」はあると言いながら、
実際に質問をされてみると、彼らは「自我」と
は何かを知らないということが明らかに
なってしまう(+現実の状況なのである)。
布咤婆楼!
これは、ちょうどある人が、梯子を造り、
十字路に持っていき、人々に向かって、
私は城壁を登るのだ、と言ったとしよう。
それを見た人々が彼に質問する:
「どの城壁を登るのか?城壁はどこにある?
東に?西に?南にそれとも北に?
城壁は高いのか?低いのか?それとも
中くらい?」
彼は答えて曰く:「私は知りません」
そして、彼らは更に進んで質問する:
「梯子は、あなたが一度も見たことのない
城壁にかけようとしているのか?」
彼は答える:「はい、そうです」
布咤婆楼!
あなたはこの人の話を、実質的で意義の
あるものだと思いますか?
あれら苦行者と婆羅門が言う所のモノ
(すなわち、彼らが知っていると言っている、
常楽なる「自我」)は、上の状況と
同じなのです。
(+ )(= )訳者。(つづく)
訳者コメント:上の章は、カギカッコ、
句読点等が不統一ですが、あえて、
原文のまま、とします。最終的に校閲する
段階において、原文まま、の方が
校閲し易いので。最後の校閲で整合性を
調整しますので、よろしくお願いいたします。
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翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>