問1-2:《如実知見》の中で、禅師は言いま
した:「シャーリープトラ尊者とモッガ
ラーナ尊者の阿羅漢道と上首(=最上位)弟子
の覚智は同等で、婆醯の阿羅漢道は、大弟子
の覚智と同等である」と。
これら、彼らの差異を生み出したのは、波羅蜜
を積む時間の長短以外、他にどのような要因が
ありますか?どうして、同じ阿羅漢なのに、
このような差異が生じるのですか?
答1-2:阿羅漢果を証悟するという、この方面
から考えるとき、彼らは皆同じです。
しかしながら、《中部・個別経 Anupada Sutta、Majjhma Nikayā》によると:
シャーリプトラ尊者は超越的な智慧、広大な
智慧、喜ばしい智慧、快速なる智慧、鋭敏なる
智慧と、通達智慧を具備していた。
彼は、仏陀の開示した一首の簡潔な短い偈を、
数千種類の方式で理解し、解説することが
できた。
彼は、一種類ごとの名色、及び一種類ごとの
色法を詳細に理解することができたし、
あまつさえ、彼は、ある同じ時刻に、インド
全域に降った、雨の水滴の数を数えることが
できた。
智慧から言うと、仏陀の弟子の中で、
シャーリープトラ尊者の上に出る者は
いなかった。
弟子の中では神通第一であった。
婆醘は、最も速く阿羅漢果を証悟した人である。
仏陀も阿羅漢であるが、しかし、彼は彼の
一切知智(sabbāññutañāṇa)でもって、
彼が知りたいと思う、すべての事柄を知る
ことができた;
一切知智は、仏陀だけに備わった智慧である。
(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。
(つづく)
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<パオ・セヤドー講述「菩提資糧」1999年中国語版→日本語訳出
翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>