Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

「修心与神通」(翻訳文)-6

5、定を修習する者はどのような善巧なる調伏

法門によって定の境地に安住するのか?

通常は、人はみな一種の間違った考えを持っていて、自分が一人の師父(=指導者)を見つけて、己に一つ呪文か、またはまじないを教えてくれて、禅七(=七日間のリトリートの事)をやれば、どんな問題でも解決するのだ、と思っている。

知らなければならないのは、修行とは、一味の薬、八仙丹、万金油の類、(+心身の)どんな

病気も治せる、というものではない、という事

である。

それは、生理的、心理的及び物理的運動、精・気・神の問題を含む。

街中の薬局で、栄養剤を買ってきて飲めば、

問題は簡単に解決する、などということはないし、却って後遺症があなたについてきて、恐ろしいことになる。

まず、我々は、生理的な感覚、心理的な知覚を解決し、次に己の根器にあう、また、定の境地を喜ぶ性向を持つ(+かどうか)、異なった境地に基づいて、現在の各々の必要性に鑑みて、己の煩悩を取り除き、安寧なる境地に入れるようにする。

このようにすれば、定の境地において、退転することがない。これを「住定」という。

住定は、相に著しないという事ではなく、それは、普通一般の凡夫の著相ではなく、あなたがひとたび「定」にあるとき、当然、相に住しているのである。

それは、一般の修行者のように、座れば妄想、

雑念が特別に多く、散乱し、昏沈し、善巧な方便を利用することもしらない、という事ではない。

もし、我々がこういう時に善巧方便を知っているならば、どのような方法で、精・気・神の三つの方面の状況を調べたらいいのかが分かるし、今日の心の散乱、煩悩、イライラは、生理的な部分、たとえば、男女の周期性または季節や気候、月の満ち欠けから来ているのではないか、という事も分かる。

たとえば、生理的に栄養過多のため、または不足するために引き起こされるトラブルは「精の問題」であり、また、お腹を壊した、古い物を食べた、胃が出血したなどなど、皆、精の強弱に影響する。

気脈が正しいか正しくないか、中行気なのか、上行気なのか、下行気なのかなどなど、調整がうまくいかないと、イライラは増大し、のぼせて、心臓、肝臓、脾臓、肺臓、腎臓に影響を与え、「走火入魔」の問題が発生するが、これは「気の問題」である。

心理的な問題では、神ということになり、たとえば、何かの事件で打撃を受けて、心理的に非常に低迷しているとか、こういう事柄はすべて、調整することを知っている必要がある。

もし、調整することを知らないのであれば、毎日無理やり修行しても、どれもこれもが地雷のようで、役に立たないばかりではなく、己を害することになる。

故に世尊は言う:「云何為住、謂善取能入諸三摩地、諸行状相、善取彼相、随其所欲、能住於定。於三摩地、無復退失、如是、若住於定、若不退失、二具名住。」

(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ

(つづく)

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<陳居士「修心与神通」中国語→日本語訳出 

翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>