問2-3:仏果を証悟できない人、というのはいますか?
答2-3:南伝の仏法では、何種類かの人が、仏果を証悟できない、ということになっている:
一番目は仏陀。というのも、仏陀はすでに仏果を得ているので、再度仏果を証悟することはできない。
すでに仏陀から授記を得た人、未来においてパーチェカ仏になる人、上首弟子と大弟子の人も仏果を証悟することはできない。というのも、彼らは、仏陀が授記を受けたのと同じように、それぞれが、必ず、パーチェカ菩提、上首弟子菩提と大弟子菩提を証悟するが故に。
一度証悟すれば、二度と来世はなく、名色でもって10波羅蜜を履行することもない。
また、すでに、何らか一種類の道果を証悟した人も仏果を証悟することはできない。たとえそれが最低の道果ーー須陀洹道果の人であっても、である。
須陀洹は、最も多くても7回生死すれば、一切の煩悩を断じ尽くすことができ、最後の一世の臨終の時に、般涅槃に入るため、少なくても四阿僧祇劫と10万大劫を必要とされる、10波羅蜜の実践をする時間がない。
普通弟子については、もしすでに仏陀から授記を得ているのであれば、彼もまた仏果を証悟することはできない。というのも、彼らは、絶対に、仏陀から受けた授記の通りに、普通弟子になるからである。
しかしながら、いまだ、仏陀から授記を得ていない場合、彼らは菩薩道を修習することができるし、10波羅蜜を履行することもでき、もしかすれば、いつの日にか、仏陀から授記を得て、菩薩となる事ができるかもしれない。
もしあなたが望むならば、チャレンジしてみてもいいが、しかし、成功する可能性は相当に小さい。
(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。(つづく)
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<パオ・セヤドー講述「菩提資糧」1999年中国語版→日本語訳出
翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>