Sayalay's Dhamma book

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パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)-204

           <問答六>

問6-1:

南伝の比丘は、菩薩像(たとえば、弥勒菩薩像)に礼拝または問いかけ、合掌をしますか?

答6-1:

南伝の戒律によると、比丘は在家者、女性、天神または梵天に礼拝したり、合掌することはない。弥勒菩薩が現在、一人の比丘である場合で、戒臘が我々より高い時、我々は彼に礼拝しなければならない;しかしながら、もし彼の戒臘が低い場合、我々は彼を礼拝しない。もし彼が在家者、天神または梵天ならば、我々は彼に合掌したり、礼拝してはならない。

もし比丘がそのようにしたならば、突吉羅罪となる。

問6-2:

ソータパナを証悟した比丘でないと、真実の比丘とは称せない、と言いますが、このことは本当ですか?

答6-2:

比丘には二種類ある:認定比丘と真実比丘である。凡夫の比丘(puthujjana bhikkhu)は認定比丘(sammuti bhikkhu)である。

認定比丘とは、仏陀の許した方式によって、結界をしてカンマ法を行って比丘になったものを言う。聖位に到達していない者は、いまだ凡夫である;凡夫であるならば、彼らは認定比丘と言われる。要するに、名目上の比丘、という訳である。

しかし、認定比丘もまた、別解脱律儀戒(比丘の戒と威儀)、根律儀戒(根門を守り、根塵と接触した時に、煩悩を生起させないこと)、活命遍浄戒(清浄で正当なる言動によって生活すること)及び資具依止戒(四種類の資具を使用する正確な目的を如理思惟する)を必ず遵守しなければならない。この四種類の戒は、増上戒(adhisīla)と言う。増上戒は非常に重要である。なぜか?もし、一人の凡夫比丘が一人の阿羅漢比丘に出会ったとき、もし凡夫比丘の戒臘が阿羅漢比丘より高いとき、阿羅漢比丘は必ず凡夫比丘に礼拝しなければならないからである。これは戒律上の規定である。こうしたことから、増上戒は非常に重要なのである。

(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。(つづく)

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<パオ・セヤドー講述「菩提資糧」1999年中国語版→日本語訳出

翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>