問6-16:
もし一人(+の青年)が、比丘戒を受けたとき、いまだ20歳未満であって、しかし、彼はそれが如法でないことを知らないでいて、しかも、彼は受戒後、非常に厳格に戒を持していました。こういう場合、彼は本当の比丘と言えますか?
答6-16:
彼は本当の比丘とは言えない。しかし、持戒は非常によい事である、これは善業であるから。
もし、彼の内心が誠実で、偽りがないとき、彼はジャーナ、道、果及び涅槃を修行し、それを証することはできる。
しかし、もし彼が、己が本当の比丘ではないと知っているならば、再度改めて比丘戒を受けるべきである。
問6-17:
比丘戒を受ける時に、年齢を考慮するとき、出生前の、胎内にいた時間も合算しますか?
答6-17:
その通りである。通常は、9か月か10か月
である。
問6-18:
もし人が、よく事情を知らないで、偽者の比丘から戒を受けたとき、彼は本当の比丘または沙弥(=サーマネン)と言えますか?
もし言えないとしたら、彼は「賊住」の人となりますか?
答6-18:
南伝の三蔵によると、この人間は本当の比丘、沙弥とは言えない。しかし、彼が誠実で嘘がなく、内心が清浄であるとき、彼は、再度比丘戒を受けることができる。
南伝の仏教では、インド以外の地域においては、少なくとも5人の比丘でサンガを形成しなければならず、5人そろって初めて、他人に比丘戒を授けることができる。
もし、この5人の比丘の中に、波羅夷罪を犯した人が一人いるとして、この場合、戒を求めた人は、比丘になることはできない。
授戒するときに、10名以上の比丘がいるとして、その中の一人が波羅夷罪を犯していても、他の比丘が犯しておらず、また彼らは完璧に羯磨文を読み上げることができるならば、戒を求める者は、比丘になることができる。
問6-19:
懐妊した後堕胎するのは、殺人罪になるでしょうか?
答6-19:
結生心が生起するや否や、生命は存在する。堕胎をして、胎児の命根が断たれた時、殺人罪が成立する。
問6-20:
結生心が生起するや否や、生命が存在するならば、その時の名色はどのような状況なのでしょうか?性根10法聚、身10法聚などの色聚も存在しますか?
答6-20:
あなたはこのことを知りたいですか?
もし、知りたいのであれば、実際に修行して体験しなさい。あなたは縁起の法を修行するその時、どれだけの色法、どれだけの名法があるかを照見することができる。
問6-21:
観禅の修行は智慧の種子に相当します。それでは、禅の修行者が観禅の修行をしているとき、彼は、善行の種子を育成しているとは言えないのでしょうか?
答6-21:
修行方法には二種類ある。止禅と観禅である。止禅は善行種子に相当し、観禅は智慧種子に相当する。しかし、場合によっては、観禅も善行種子に相当する。たとえば、もし、観禅の業が、臨終のときに熟し、それが、新しい結生心になる場合である。
この時、観禅は、善行種子であると言える。
(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。(つづく)
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<パオ・セヤドー講述「菩提資糧」1999年中国語版→日本語訳出
翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>