<仏教は人類にどのような
利益を齎し得るか(二)>
昨夜、私は、仏教は人類のために、人間界と天界において、楽しみを齎すと説明した。
今夜、私は、定の育成と心清浄の修習について語るべきだと考える。
なぜ、定を育成しなければならないのか?
仏陀は言う:「比丘たちよ。あなた方は定を育成しなければならない。というのも、定力を有する心は諸法を如実に知見することができるが故に。」
そして、《清浄道論》もまた、智慧の近因は定である、という。
我々は智慧を通してのみ、至楽の涅槃を証することができるし、一切の煩悩を断ずることができるのである。
ここにおいて、私は、先に、あなた方に対して、安般念を解説したいと思う。これは、仏陀の教えた40種類の止禅業処の内の一つである。
仏陀は《大念処経Mahāsatipaṭṭhāna Sutta》の中で、安般念の修行方法について指導している。
仏陀は経の中で以下のように言う:
「比丘たちよ。この教法において、ある比丘は森林に赴き、木の下に赴き、空き地に赴く。結跏趺坐して、身体をまっすぐに伸ばし、業処において正念を安住させる。彼は正念において息を吸い、正念において息を吐く。
一、吸う息が長いとき、彼は覚知する:
『私の吸う息は長い』;
吐く息が長いとき、彼は覚知する:
『私の吐く息は長い』。
二、吸う息が短いとき、彼は知覚する:
『私の吸う息は短い』;
吐く息が短いとき、彼は覚知する;
『私の吐く息は短い』。
三、『私は息の全身(=息の全体)を
覚知しながら、息を吸う』、
彼はこのように修行する。
『私は息の全身(=息の全体)を
覚知しながら、息を吐く』、
彼はこのように修行する。
四、『私は息の身行を静めて息を吸う』、
彼はこのように修行する;
『私は息の身行を静めて息を吐く』、
彼はこのように修行する。」
(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。(つづく)
訳者コメント:下線訳者。「息の身行」とは、息の全体の行程の事。安般念がうまくいくと、息が非常に静まってくることから、こういう。わざと息を細く静かになるようにしてはいけないと、パオ・セヤドーは言っている。
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<パオ・セヤドー講述「菩提資糧」1999年中国語版→日本語訳出
翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>