Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)~212-1★

  <仏教は人類にどのような

  利益を齎し得るか(二)>

昨夜、私は、仏教は人類のために、人間界と天界において、楽しみを齎すと説明した。

今夜、私は、定の育成と心清浄の修習について語るべきだと考える。

なぜ、定を育成しなければならないのか?

仏陀は言う:「比丘たちよ。あなた方は定を育成しなければならない。というのも、定力を有する心は諸法を如実に知見することができるが故に。」

そして、《清浄道論》もまた、智慧の近因は定である、という。

我々は智慧を通してのみ、至楽の涅槃を証することができるし、一切の煩悩を断ずることができるのである。

ここにおいて、私は、先に、あなた方に対して、安般念を解説したいと思う。これは、仏陀の教えた40種類の止禅業処の内の一つである。

仏陀は《大念処経Mahāsatipaṭṭhāna Sutta》の中で、安般念の修行方法について指導している。

仏陀は経の中で以下のように言う:

「比丘たちよ。この教法において、ある比丘は森林に赴き、木の下に赴き、空き地に赴く。結跏趺坐して、身体をまっすぐに伸ばし、業処において正念を安住させる。彼は正念において息を吸い、正念において息を吐く。

一、吸う息が長いとき、彼は覚知する:

『私の吸う息は長い』;

吐く息が長いとき、彼は覚知する:

『私の吐く息は長い』。

二、吸う息が短いとき、彼は知覚する:

『私の吸う息は短い』;

吐く息が短いとき、彼は覚知する;

『私の吐く息は短い』。

三、『私は息の全身(=息の全体)を

覚知しながら、息を吸う』、

彼はこのように修行する。

『私は息の全身(=息の全体)を

覚知しながら、息を吐く』、

彼はこのように修行する。

四、『私は息の身行を静めて息を吸う』、

彼はこのように修行する;

『私は息の身を静めて息を吐く』、

彼はこのように修行する。」

(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。(つづく)

訳者コメント:下線訳者。「息の身行」とは、息の全体の行程の事。安般念がうまくいくと、息が非常に静まってくることから、こういう。わざと息を細く静かになるようにしてはいけないと、パオ・セヤドーは言っている。

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<パオ・セヤドー講述「菩提資糧」1999年中国語版→日本語訳出

翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>