Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文) ~212‐10

<三十二身分(=32の身体部分)>

もし、あなたが32身分を修習したいと考えるならば、まず先に、あなたは、安般念の第四禅に到達しておかねばならない。

禅定の光が、光り輝き、明るく、光芒が四方を照射する時、この光の支援の下、あなたは、身体の32の部分を逐一識別することにチャンレンジするべきである。

一度の識別には、一か所だけ、確認する事。

たとえば;髪の毛、体毛、爪、歯、皮膚、肉、腱、骨、骨髄、腎臓等々、である。

あなたは、鏡に向かって自分自身の顔を見ているがごとくに、この32の身体部分の中の一つ一つの部分について、また、身体にそれが存在する、それぞれの部位について、逐一観じ、識別しなければならない。

あなたが、頭髪から尿まで、順当に識別できるほど、または逆に尿から頭髪まで識別できるほど練習したなら、あなたは、透視の智慧によって、それぞれの部分を、はっきりと見て取れるようになる。

それらに精通し、熟するまで継続して修習すること。

その後に、あなたは、(目を閉じて)あなたの最も近くにいる人または衆生を識別することにチャレンジしなければならない。

その人の32身分か、または衆生の32身分を識別するのであるが、それは、頭髪から順序良く識別を始め、尿に至る。その後に、尿から逆順で、頭髪までを識別する。

このように、内部と外部における32身分を識別できるようになったならば、あなたの禅の修行力は非常に強まる。

この方法を運用して、あなたは、近くから遠くまで、識別の範囲を広げていくべきである。

あなたは、もしかして、遠くの衆生を識別することはできないのではないか、という心配をするかもしれないが、その必要はない。

第四禅の光芒の支援の下、あなたは容易に遠方の衆生を見ることができる。

肉眼を使うのではなく、慧眼(ñāṇackkhu)を使うのである。

あなたは、衆生の32の身分の識別の範囲を十方に拡大するべきである。

すなわち、上、下、東、西、南、北、東北、東南、西北、西南である。

この十の方角の中で、識別する目標としているのが人であっても、畜生であっても、その他の衆生であっても、あなたは、一回ごとに一つの目標を取り、その内部の32身体部分を一度識別し、その外部の32身体部分を一度、識別しなければならない。

このようにして、何度も重複して修習する事。

最後には、あなたは、男性、女性、水牛、乳牛またはその他の衆生などの区別をすることがなくなり、何時いかなる時においても、内部であろうと外部であろうと、あなが見ているのは、ただの、32の身体部分の組み合わせに過ぎなくなる。

その時、あなたは初めて、32身分の修行方法を成就し、それに熟練し、精通したのだと言える。

(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。(つづく)

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<パオ・セヤドー講述「菩提資糧」1999年中国語版→日本語訳出

翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>