南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

パオ・セヤドー講述「菩提資糧」(翻訳文)~212-14

一、願わくばこの善き人に、危害がありませんように(ayaṁ sappuriso avero hotu);

二、願わくばこの善き人に、精神的苦痛がありませんように(ayaṁ sappuriso abyāpajjo hotu);

三、願わくばこの善き人に、身体的苦痛がありませんように(ayaṁ sappuriso anīgho hotu);

四、願わくばこの善き人が、健康で楽しくありますように(ayaṁ sappuriso sukhiattānaṁ pariharatu)。

 

以上の四種類の形式によって、その人に、3回または4回、慈愛を散布する。

(+方法としては)あなたが最も好む方式を一種類選ぶ。たとえば、「願わくばこの善き人に危害がありませんように」であるとすると、その人が危害から逃れている映像を目標として、以下のような意念をもって、彼に慈愛を散布する。

すなわち、「願わくばこの善き人に、危害がありませんように」「願わくばこの善き人に、危害がありませんように・・・」このように、何度も繰りかえす。

あなたの心が非常に静かになって、かつ、安定的に目標に専注することができた時、禅支を識別できるかどうか、チャレンジしてみる。

もし、可能であるならば、この修行を継続して、初禅、第二禅、第三禅と実践していく。

引き続き、その他の三種類の方式を用いて、各種類ごとに慈愛を育成し、すべての種類において、第三禅まで到達できるように修行する。

あなたにとって、あなたの敬愛する同性の人に向かって、この修行が成功したならば、もう一人別の、敬愛する同性の人に対して、同様の方法で修行をする。

だいたい10人くらいの、あなたが敬愛する同性の人に、このように修行して、その中の誰に対しても、第三禅に到達できるように、する。

その後、あなたは、同様の方式で、その他の三種類の人に対して慈愛の修習をする;

すなわち、非常に親愛なる人、中立的で愛憎のない人及び敵。

あなたは、あなた自身、親愛なる人、中立的で愛憎のない人、及び敵に対して、その慈愛は、平等であるように、修習しなければならない。

こうすれば、あなたは、異なる人間への限界を突破したのだ、と言える。

あなたは、このことができる様になって初めて、次に、一切の衆生を慈愛の修習の対象とする修行へと、進むことができる。

この修行にかかる時間は、32身分の修習とそれほど変わらない。

あなたは、慈愛を拡散する一切の衆生の範囲を徐々に拡大して、最後には無辺なる世界へと至るべきであるし、この修行を通して、第三禅に到達するようにも、しなければならない。

この時、あなたの慈愛は、無量慈心と呼ばれる。

ここで話した止禅のほか、あなたは、その他の禅業処も修行することができる。

強力で力のある定力を獲得した後、あなたは、究極の名色法を知見することができ、次には、観禅を修行することができる。

これこそが真正の、至楽の涅槃へと趣く道である。

今夜の法話は、ここまでとする。

一切の衆生が幸福で、楽しくあるように祈願する。

(+ )(= )訳者。句読等点原文ママ。(つづく)

★誤字脱字を発見された方は<菩提樹文庫>まで。

ご協力、よろしくお願いいたします。

<パオ・セヤドー講述「菩提資糧」1999年中国語版→日本語訳出

翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>