一、願わくばこの善き人に、危害がありませんように(ayaṁ sappuriso avero hotu);
二、願わくばこの善き人に、精神的苦痛がありませんように(ayaṁ sappuriso abyāpajjo hotu);
三、願わくばこの善き人に、身体的苦痛がありませんように(ayaṁ sappuriso anīgho hotu);
四、願わくばこの善き人が、健康で楽しくありますように(ayaṁ sappuriso sukhiattānaṁ pariharatu)。
以上の四種類の形式によって、その人に、3回または4回、慈愛を散布する。
(+方法としては)あなたが最も好む方式を一種類選ぶ。たとえば、「願わくばこの善き人に危害がありませんように」であるとすると、その人が危害から逃れている映像を目標として、以下のような意念をもって、彼に慈愛を散布する。
すなわち、「願わくばこの善き人に、危害がありませんように」「願わくばこの善き人に、危害がありませんように・・・」このように、何度も繰りかえす。
あなたの心が非常に静かになって、かつ、安定的に目標に専注することができた時、禅支を識別できるかどうか、チャレンジしてみる。
もし、可能であるならば、この修行を継続して、初禅、第二禅、第三禅と実践していく。
引き続き、その他の三種類の方式を用いて、各種類ごとに慈愛を育成し、すべての種類において、第三禅まで到達できるように修行する。
あなたにとって、あなたの敬愛する同性の人に向かって、この修行が成功したならば、もう一人別の、敬愛する同性の人に対して、同様の方法で修行をする。
だいたい10人くらいの、あなたが敬愛する同性の人に、このように修行して、その中の誰に対しても、第三禅に到達できるように、する。
その後、あなたは、同様の方式で、その他の三種類の人に対して慈愛の修習をする;
すなわち、非常に親愛なる人、中立的で愛憎のない人及び敵。
あなたは、あなた自身、親愛なる人、中立的で愛憎のない人、及び敵に対して、その慈愛は、平等であるように、修習しなければならない。
こうすれば、あなたは、異なる人間への限界を突破したのだ、と言える。
あなたは、このことができる様になって初めて、次に、一切の衆生を慈愛の修習の対象とする修行へと、進むことができる。
この修行にかかる時間は、32身分の修習とそれほど変わらない。
あなたは、慈愛を拡散する一切の衆生の範囲を徐々に拡大して、最後には無辺なる世界へと至るべきであるし、この修行を通して、第三禅に到達するようにも、しなければならない。
この時、あなたの慈愛は、無量慈心と呼ばれる。
ここで話した止禅のほか、あなたは、その他の禅業処も修行することができる。
強力で力のある定力を獲得した後、あなたは、究極の名色法を知見することができ、次には、観禅を修行することができる。
これこそが真正の、至楽の涅槃へと趣く道である。
今夜の法話は、ここまでとする。
一切の衆生が幸福で、楽しくあるように祈願する。
(+ )(= )訳者。句読等点原文ママ。(つづく)
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<パオ・セヤドー講述「菩提資糧」1999年中国語版→日本語訳出
翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>